市場シェアを計算する

キキが働くことになったのがグーチョキパン店の商圏は近隣

キキが働くことになったのがグーチョキパン店の商圏は近隣

ランチェスターの法則には強者、弱者の法則以外に市場シェア(市場占有率)という言葉がよく出てきます。

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市場シェアとは自分が商売している商圏のなかで、自店がどれぐらいの売上をあげているかを測ったものです。市場シェアをどう計算するか、考えてみましょう。

お店をやっていて徒歩10分以内の人が買いに来てくれると仮定するなら、人が歩く速度が大体、4km/時とすると徒歩10分は670メートルの距離となります。半径670メートルに入る町が自店の商圏になります。

人口だけでなく属性も考えます。お客さんは男性か女性か、学生か社会人か、子育て世代か高齢者かなど自店に来そうなお客さんを考えます。市役所のホームページに年齢別、町名別の人口統計があるので、見込み客となる属性の人口を調べましょう。この見込客数と、実際にお店に来ているお客さんの割合を計算すれば簡易的に市場シェアを調べることができます。

ただ商圏は変わる時があります。映画”魔女の宅急便”でキキが働くことになったのがグーチョキパン店です。夫婦二人で店をまわしていますが、おソノさんは身重で、御主人もパンを焼いているだけなので配達はありません。近隣相手のお店になります。キキが特技をいかして宅配をはじめましたが、もしパンの宅配をはじめたら商圏はコリコの町全体に広がることになります。

市場シェアを伸ばす

街のパン屋業界はそれぞれの商圏で戦う多数乱戦市場

街のパン屋業界はそれぞれの商圏で戦う多数乱戦市場

新しいお店や商品・サービスを出したら、まず市場シェア3%を目指します。3%が確保できたら7%、次に10%を目指します。市場シェア3%は、市場に自店の居場所を確保できたかどうかの目安になります。

さらに伸ばして7%ぐらいの市場シェアとなると競合店から”新しいお店ができたな”という認識になります。ただし市場への影響力はまだまだで、反対にうまくいっていた事業がダメになり、市場シェアが7%まで落ちてしまったら撤退する判断基準になります。10%まで伸ばすと市場シェア争いに本格参入することになり、競合店もライバルと認めますので、熾烈な戦いになっていきます。

では、なぜ市場シェアを伸ばすのでしょうか。一番のメリットは強者になれることです。仕入れる場合はバイイングパワーが出てきますのでメーカーや流通業者との価格交渉を優位にすすめられます。反対にメーカーなら市場シェアを握っていますから安売りしなくても相手が買ってくれます。

グーチョキパン店が扱うパンは近くの店で探す最寄り品で、街のパン屋業界はそれぞれの商圏で戦う多数乱戦市場になります。市場シェアが突出して高いパン屋は出にくく、”規模の経済”が働きません。市場シェア的にはドングリの背比べにちかく参入障壁が低いので、新たなパン屋さんがすぐにできたりします。

反対に成熟した市場では参入障壁が難しくなります。例えばコンビニ業界はセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの4者で市場の85%をおさえています。セブンイレブンは40%の市場シェアでトップを走っており、ファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合を発表し、業界2位に躍り出ようとしています。

コンビニ業界は流通など”規模の経済”が働く市場で、今からコンビニ業界へ参戦しようと考える人はまずいません。セブンイレブンの市場シェア40%は首位独走の市場シェアと言われ、多くの業界で目指す市場シェアといわれています。

市場シェアが激烈なのがIT業界

IT業界はもっと市場シェア争いが熾烈で、全て総取りするか敗退するかという市場になります。例えばパソコン業界ではマイクロソフトとインテルによるウィンテル連合が市場に君臨していました。

アップルが対抗していましたが、スティーブジョブズが復帰するまで、常に買収話が出るほど低迷していました。IT業界は技術の進化や世の中の動きでどんどん変わる業界なので、検索市場はグーグルがおさえ、EC市場はアマゾンがおさえました。安泰にみえたマイクロソフトも、とうとうOSではウィンドウズがアンドロイドに抜かれる時代になっています。

IT業界では、トップ企業に最大の取り分が集中する傾向にあり、グーグルがユーチューブを買収したように儲かった利益でベンチャーを買収し新たな領域に参入することができます。これで他社に大差をつけ、ますます市場を寡占できます。本の販売から始まったアマゾンですが、いまや営業利益の半分以上はAWS(クラウドサービス)が稼ぎ出しています。

市場を細かく絞って

市場シェアを高める資本がない企業はどうしたらよいのでしょうか。小さな市場でシェアを取ることです。例えば北海道でコンビニといえばセブンイレブンではなく、オレンジの看板に鳥のマークの「セイコーマート」です。

大手とまともに勝負しても仕方ないので、大手とは異なった戦略を採用しています。まず北海道以外には出店しない。おでんもドーナツも売らない。他の大手コンビニがやっていることはやりません。

もともと酒屋から転業した店が多いのでワインなど酒類が充実しており、店内の厨房で弁当・おにぎり・ホットスナック・パンを手作りし、温かいまま販売し差別化しています。まさに弱者の戦略で、北海道に限れば全コンビニに占める店舗数は39%あり、市場シェアのトップを走っています。

グーチョキパン店で考えると、どうなるでしょうか。徒歩10分(半径670メートル)が商圏ですので、もしグーチョキパン店しかなければ、かなりの市場シェアとなります。もしライバル店が他にある場合、市場シェアを高める手っ取り早い方法は、キキに頼んで別の店を出すことです。

よくコンビニで行われているのがドミナント戦略です。地域を絞って集中的に出店し、商圏の市場シェアをあげるのに、よく使われています。

皆さんの会社の商品やサービスの市場シェアについても考えてみましょう。

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