MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

アウトランダーPHEVは日本車のベスト3に入る車だ

アウトランダーPHEVが年次改良を行った。外観やエンジンなどパワーユニットの変更こそ行わなかったものの、大きな弱点だった自動ブレーキ性能を大幅に向上。三菱自動車のブランドイメージの悪さから全く話題にならず、結果的に売れていないが、今や現時点で買える日本車のベスト3に入る良いクルマになったと思う。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

現時点で買える日本車のベスト3に入る良いクルマ

アウトランダーPHEV

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アウトランダーPHEVが年次改良を行った。外観やエンジンなどパワーユニットの変更こそ行わなかったものの、大きな弱点だった自動ブレーキ性能を大幅に向上。三菱自動車のブランドイメージの悪さから全く話題にならず、結果的に売れていないが、今や現時点で買える日本車のベスト3に入る良いクルマになったと思う。

まずアウトランダーPHEVについて紹介しておく。このクルマの面白さは、50kmまで電気だけで走れる点にある。夜間電力契約をしておくと、50km走って約100円。現在世界で最も実用燃費の良いプリウスですら、50km走れば250円程度のガソリン代が掛かってしまう。これだけ移動コスト安いと、どこに行くにもストレス無し。

パワーメーター

ハイブリッド車としても燃費が良く、リッターあたり12~15km程度走る


また、100%電気自動車だとバッテリーが無くなったらお手上げになってしまう。アウトランダーPHEVはバッテリーが無くなった時点で、自動的にエンジン掛かりハイブリッド車に切り替わる。ガソリンさえ補給してやれば、走行可能距離は無制限。加えてハイブリッド車としても燃費が良く、リッターあたり12~15km程度走る。

何よりクルマとしての魅力も大きい。ECOカーと言えば、一般的にコンパクトで室内は狭い傾向。けれどアウトランダーPHEVの場合、ミドルクラスのSUVのため存在感がキッチリある。絶対的なボディサイズからして大きく、リアシートの居住性良好。ラゲッジスペースだってコストコや、IKEAの”大物攻撃”に十分耐える。

ラゲッジスペースは広々

ラゲッジスペースは広々。こんな使い方も


加えて4WDのため滑りやすい路面や雪道をガンガン走れてしまう。私は年次改良前のモデルに乗っているのだが、今まで買ったクルマの中でベスト3に入るほど気に入っている。何より電気自動車モードの時の静かで滑らかな走りときたら、プライスレスの魅力を持つ。それでいてアクセル踏むと、けっこう元気に走ってくれる。

弱点だった自動ブレーキ性能が“及第点”に

魅力満点のアウトランダーPHEVながら、今まで自動ブレーキの性能が平均レベルより大幅に劣っているという大きな弱点を持っていた。車速10~20km/hという極めて低い速度域でしか追突を防止出来ず、歩行者の認知機能も付いていない。今や50km/hからの自動停止と歩行者を認知しての自動ブレーキは当たり前。

衝突被害軽減の詳細イラスト

衝突被害軽減システムの詳細(クリックで拡大)


今回、赤外線レーザー+カメラというコンチネンタル社の自動ブレーキに変更(トヨタやスズキと同じシステム)。40km/hなら追突を回避でき、30km/hまでは歩行者も認知して自動ブレーキを掛けられるようになった。今までより総合性能で言えば20倍くらい高くなったと思っていい。100点でこそないが、納得出来る70点である。

9万7200円のオプションながら、斜め後方の車両や、後進時に左右から接近してくる車両を検知するブラインド警報や誤発進防止機能(壁など障害物あるときにアクセル全開にしても進まない機能)も装着可能。自動ブレーキとブラインド警報、誤発進防止機能の安全3点セットで、事故の90%程度を防げると思う。

また、電気自動車モードでの出力を20%程度向上させ、アクセル踏んだ直後の加速が良くなっている。エンジンもモーターも同じなのに、制御の変更だけでこんなに性能上がるというのだから電気の世界は面白い。試乗したら乗り換えたくなったけれど、残念ながら御予算無し。あと2年くらい乗って再度検討したい。

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