「性的マイノリティー」はそれほどめずらしいことではありません

少女手を繋ぐ

  クラスに2-3人は「性的マイノリティー」の生徒がいるかもしれません。


「LGBT(※注1)って何?ゲイやレズビアンなんて我が家には関係のない話」と思われるかもしれません。それでも実は、次の調査報告からも分かるように、ゲイやレズビアンというのは、誰にとってもそれほど「遠い世界での話」ではないのです。

2015年に『電通ダイバーシティ・ラボ』が全国69,989名を対象に行った調査では、LGBTに該当する人々は全体の7・6%と報告されています。これは例えば、学校でも1クラスに2―3人は、ゲイやレズビアンといった「性的マイノリティー」の生徒がいるという計算になります。

(※注1)LGBTとは、L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)を意味します。


「性的指向」は本人の意志では選択できない?

ではLGBTというのは、生まれつきのものなのでしょうか?それとも、育った環境によって後天的に生み出されるものなのでしょうか?

「アメリカ心理学協会(APA)」によると、現在多くの研究者が一致するのが、「性的指向とは、生まれた持った性質と、育った環境が、複雑に絡み合い決定される」というもの。そのため、「本人の意志によっては、ほとんど、もしくは全く選択できるものではない」といいます。(*1)

つまり、その子が選択してゲイやレズビアンなのではなく、その子自身であることが、たまたまゲイやレズビアンであったということです。ですから、「性的マイノリティー」を否定されるのは、その子自身であることを否定されるようなもの。心理的な負担も大きくなってしまいます。


子ども時代に見られることのある「性的マイノリティー」の兆候

ゲイやレズビアンの人々の中には、子ども時代から、異性が関心を持つ「遊び」により興味を持つなど、他の子に比べ、より「異性的な行為」を示す場合があるとされています。

心理学者ケリー・ドラモンド氏による研究(*2)によると、3歳から12歳までの間に、「動く玩具や取っ組み合いなど男の子が好む遊びばかりに興味を持ち、常に男の子と一緒に遊びたがり、男の子の服を着たいと言い、おしっこを座ってするのを拒否する」などといった理由で、養育者にメンタルヘルスクリニックに連れてこられた体験を持つ25人の女性を調査したといいます。

すると、その女性の内の12%が、「性同一性障害」と診断され、また、レズビアンやバイセクシャルであった確率は、一般の女性に比べ23倍高かったとのこと。

また心理学者マイケル・ベイリー氏 とケネス・ザッカー氏による研究(*3)では、ゲイの男性の89%が、子ども時代、男の子たちとサッカーボールを追いかけ回したり身体を使ったレスリングといった遊びよりも、人形遊びやままごとといった「より女の子的な興味関心」を示す行動が著しくみられたといいます。

子ども時代に「より異性が好む遊び」に興味があっったとしても、多くの場合は、「異性愛者」として成長します。それでも、そうした興味関心を示さない子どもに比べると、「性的マイノリティー」に育つ可能性が、より多くみられるというわけです。「性的指向」というのは、「生まれ持った性質が複雑に絡んでいる」とのことですから、子ども時代から、こうした何らかの兆候がみられるというのも、確かにとても自然なことといえます。

もし「遊び」などを観察することで、「この子は性的マイノリティーかな?」と思ったとしても、将来どうなるかは分かりませんし、またそもそもその子がゲイやレズビアンであることを選択しているわけでもありません。「周りにフィットできない」など本人が「困り感」を抱えていないのならば、そっとしておいてやりましょう

>次のページでは子どもが「カミングアウト」した際の対応をお伝えします。