いじめは「思いやり」の欠如からおきる

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子供のマイナス感情の受け止め方が大切

親であるならば、わが子がいじめられることは嫌ですが、それ以上に「いじめっ子になること」も嫌であると思います。

いじめは「思いやり」の欠如から起きます。それを防ぐには、「思いやり」という他者の感情を尊重する心を育てる事が重要です。そのためには、どんな親の関わり方が大切なのでしょうか?
 

思いやりを育てるためには、ネガティブな感情もしっかりと承認されることが大事

人間には、「うれしい」「楽しい」「かなしい」「怒っている」「うらやましい」などという感情があります。「うれしい」等のポジティブな感情は周りの人に承認されますが、実は「かなしい」「怒っている」等のネガティブな感情も承認されることが大事なのです。

なぜなら、同情や共感といった他者に対する感情を、自らの身体で経験するためには、自分の感情をしっかりと承認されて育つ必要があるからです。

「自分がされて嫌なことを人にしてはいけない」という黄金ルールは、いじめをなくすために子供たちに伝えたいことですが、そもそも「嫌である」という感情を承認されないと、その「何が嫌なのか」がわからなくなってしまう、又は気づかなくなってしまうのです。

ネガティブな感情も、きちんと承認され、言葉にして誰かと共有されることを「感情の社会化」と言いますが、これは他者とつながりを持つためには必要なことなのです。
 

3つのよい子観

ネガティブな感情の承認ということを考えるときに、まず「よい子観」について考えてみます。いわゆる「よい子」には3つタイプがあります。
  1. 本当の意味でよい子-A
  2. 他者からみてよい子-B
  3. 親からみてよい子-C
     
Aは、存在そのものを受け入れられる理想的な「よい子」ですが、ともすると私たち大人はB他者から見てよい子、C親から見てよい子を子供達に要求します。

Bを要求すると、叱りすぎる傾向になり、Cを要求すると、子供が自分の前でニコニコしている状態、子育てによって生じる自分の不安や不快を避けることが重要になり、叱れなくなります。そうすると、BやCの子供は「感情の社会化」がなされないまま育ってしまうのです。

 

具体的なしつけのポイント

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ネガティブ感情を受け止めてしつけを

具体的に「しつけ」の場面でそれぞれの「よい子」観を点検してみます。

例えば、子供が池の周りで鬼ごっこをしています。池の周りには柵がありますが、「その柵を越えたい」と言われたらどうしますか?

Aの「よい子観」ですと「柵の向こうで遊びたかったのね。残念だね。」と言いながら「柵の向こうは行けないよ。」と静かに伝え、子供が自分の力で泣き止むまで泣かせ、泣き止んだ時に「よく我慢できたね。」とほめます。

Bの「よい子観」では、「柵の向こうで遊びたいなんてわがままよ」と柵の向こうに行きたい気持ちを叱ります。

Cの「よい子観」では、「わかった、わかった、じゃあちょっとだけね。」と言って、子供が泣き止むことで親が安心します。

Aは、ネガティブな感情を大事にしながら「しつけ」の枠を崩さない対応です。
この場面は幼いころの事例ですが、小学校高学年になって「友達同士で渋谷に行きたい」「スマートフォンを持ちたい」と言われた場面でどう対応するかを考えてみるとよいと思います。
 

人間関係の基本は相手を理解する

人間関係の基本は、相手を理解することからですが、そのためには子供のころから自分の中の感情を理解し、周囲に言語として表現し、それを共有してもらうという「感情の社会化」のプロセスが大事なのです。子供たちの心をしっかりと育てる覚悟をもって、感情を受け止め、承認してあげましょう。

参考書籍:怒りをコントロールできない子の理解と援助 金子書房 大河原美以

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