「ぬばたまの黒髪変り白髪(しらけ)ても痛き恋には逢ふ時ありけり」――。『万葉集』に詠まれている一首です。黒髪が白髪に変わるほど年老いても、つらい恋をすることがある、というほどの意味です。万葉集が編まれたのは7世紀後半から8世紀後半。今から1300年ほど前の人も現代とさほど変わらない悩みを抱えていたということが分かります。想像をたくましくすれば、その恋に伴う性行為がうまくいくかどうかが悩みの種であったのかもしれません。その思いは、昨今の週刊誌に踊る「死ぬまでセックス」という男性向けの記事のタイトルにも通じるようです。

男女とも、生涯現役がブーム?

年を重ねても性行為や性的欲求に対する興味を失わない「生涯現役」の高齢者が増えている

年を重ねても性行為や性的欲求に対する興味を失わない「生涯現役」の高齢者が増えている

ここ数年の傾向として、男性向けの記事が、高齢者に「生涯現役のススメ」を説く一方、女性を読者対象とする雑誌でも「性愛が大人の女を輝かせる」といったタイトルで生涯現役を強調する特集が増えています。

こうした風潮は、平均寿命が延びたことに伴って、男女とも豊かな老後の暮らしの中に、性的に満たされた時間の占める割合が増えてきているからに他ならないからでしょう。

実際、愛のあるセックスはパートナーとの良好な人間関係を深めるのに役立っていることが知られています。高齢者が入居する福祉施設で、入居者同士の恋愛や性行為がしばしば問題となることも珍しくありません。

こうしたことは性行為や性的欲求に対する興味が高齢者と呼ばれる年代になっても決して衰えることはないことを示しています。もちろん、何事にも個人差があるので、すべての高齢者が性的にアクティブとはいえません。

性欲や性本能はエンドレス?

性欲は食欲、睡眠欲と並ぶ三大欲求の一つです。食欲も睡眠欲も生涯ついて回ります。ですから、心身共に健康な人にとって、性欲も一生ものと考えるのは至極当然です。まさに、エンドレスです。その欲求を具体的に満たすための行為がセックスです。

しかし、男性にとって、その遂行を妨げる最も大きな問題はED(勃起不全)でしょう。EDの定義は「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分勃起が維持できないために満足な性交が行えない状態」ですから、必ずしも年齢に左右されるわけではありません。

もちろん、朝立ちという現象もありますが、局部に起きる生理的な変化ですから、EDであるかないかという判定材料には使えません。では、本当に“使える”勃起は何歳まで可能なのでしょうか。

健全な性欲に基づく勃起はエイジレス?

パートナーとの愛を深める性行為を維持するためにED外来を訪れる人の年齢層は幅広い

パートナーとの愛を深める性行為を維持するためにED外来を訪れる人の年齢層は幅広い

ガイドのクリニックには幅広い年代の方が訪れます。下は20代から上は80代まで、親子どころか、祖父と孫といった年齢差です。男性にとって、EDは一生ものの関心事であることが分かります。

ガイドのクリニックを受診する年代で興味深いのは後期高齢者と呼ばれる75歳以上の人たちが決して少なくないことです。「まだまだ枯れていないぞ」という頼もしい意思表示であるともいえるでしょう。

パートナーとの愛を深めるための性行為に定年はありません。年齢に関係なく「現役」であるという自信と自覚があることの証しですから、実に喜ばしいことです。ただ、悲しいことに、80歳を過ぎてもなお10代のころのような若々しい勃起を維持するのは極めて困難です。

しかし、健全な性欲があり、体力的に問題なければ、性交を行うための勃起に年齢制限はありません。性欲や性本能がエンドレスだとすれば、勃起能力はエイジレスです。

現代に生きる男性の何よりの特権?

とはいえ、人が年を取ることから逃れられない以上、加齢に伴ってEDにかかる率は高まります。動脈硬化による血流量の低下やホルモン環境の変化などを招くからです。実際、加齢はEDのリスクファクター(危険要因)の第一に挙げられています。

すでにみてきたように“使える”勃起に年齢制限はありません。年を重ねても若い時と変わらぬ勃起を維持できればハッピーです。しかし、十分な性欲はあるものの、衰えを感じ始めたら、シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬が有効です。

ED治療薬は媚薬でも催淫剤でもありません。性的刺激を受ければ、自然な形で勃起を手助けするようにはたらきます。ED治療薬を使うことで、万葉の時代に叶わなかった夢を実現できるのは現代に生きる男性の何よりの特権といえるでしょう。

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