定年・退職のお金/老後の生活費と家計管理

高齢者世帯が気を付けたい出費は?どの費目?

65歳以上の高齢者世帯の家計は、交際費に分類される「子・孫消費」の割合が高いとのこと。かわいい子や孫のために、ついお金を使ってしまうのはわかりますが、社会保険の先行きと余命の延びを考えると、節約を心掛けた方がいいでしょう。

執筆者:小川 千尋

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高齢者は、「子・孫消費」の支出割合が高い!

総務省の「家計調査」をもとに、高齢者世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計支出について、2人以上の勤労者世帯の平均と比べると、支出割合が高い費目があります。

以下は、2021年(令和3年)の調査結果で、金額ではなく、それぞれの消費支出全体に占める支出割合で比べたものです。
 子・孫消費はほどほどにしておかないと、穏やかな老後を過ごせなくなる?

子・孫消費はほどほどにしておかないと、穏やかな老後を過ごせなくなる?

最も違いが大きいのは「保健医療」で、高齢者世帯は毎月の消費支出の7.2%なのに対して、勤労者世帯は4.2%。高齢者世帯の方がおよそ1.7倍も比率が高いということになります。高齢になるほど通院や薬代などの医療費がかかりますし、健康を維持・増進するためのマッサージやサプリメントなどの費用もかかりますから、これは当然といえるでしょう。

次は「光熱・水道」で、勤労者世帯の比率と比べると1.2倍です。シニアは体力の低下で寒さ・暑さに耐えにくくなっているため、エアコンや暖房器具を使う機会が多いからだろうと推測します。
 
3番目に注目したいのが「その他の消費支出」で、比率が勤労者世帯の1.1倍です。このうち「交際費」は2.1倍で、「保健医療」の支出割合より高くなっています。
 

今後の収入減・支出増に備えて節約を!

高齢者世帯の収入源は、公的年金が多くを占めています。それで足りない分は、主に貯蓄の取り崩しで補うことになります。

今後、少子高齢化で公的年金額は下がっていくのは必至でしょう。また、同じく少子高齢化で、公的健康保険と公的介護保険の保険料や自己負担額は上がっていくのも想像に難くありません。すると、必然の結果として収入減・支出増になります。目先では物価も上がっていっていますので、さらに貯蓄から取り崩す金額は増えることになります。

貯蓄の取り崩しを少しでも減らすため、また貯蓄を枯渇させないために、家計費の節約をしましょう。自分の家計の中で節約できそうな費目を考えて工夫してみましょう。

なお、40~50代の子世帯は、親世帯のおサイフ事情を考えてお金を出してもらうようにしたいものです。親世帯の貯蓄が枯渇したら、子世帯が足りない分を補うしかなくなりますから。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆

【参考資料】
・総務省 家計調査報告(家計収支編)(令和3年)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2021.pdf

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