「終身型」「更新型」一体どちらを選べば……

「終身型」「更新型」一体どちらを選べば……

なぜか「医療保険は終身型がメジャーで、更新型はマイナー」と考えがちですが、「終身型」と「更新型」はそれぞれに長所と短所があります。また、個人個人の時間的余裕や意識の違いによっても、「終身型」「更新型」どちらを好むかの傾向が出てきています。

今回はIT企業に勤めるキャリアウーマンKさんの相談を通して、自分に合った医療保険について整理してみました。

<ご相談者 女性 Kさん>
  • 28歳独身女性。都内外資系IT企業に勤務
  • マンションを購入しようと一時期考えたが、結局柔軟に対応できる賃貸のほうが気がラクと今は落ち着いている
  • 「医療保険には加入したほうがいい」と3歳年上の姉から聞いたが、「終身型」にするか「更新型」にするか悩んでいる

そもそも「終身型」と「更新型」は何が違う?

Kさん:姉が「終身型」医療保険に加入したらしく、私もそろそろ何かしらの医療保険に加入しようかなと考えています。ただ、そもそも「終身型」「更新型」の違いがよくわかっていないのです……。

ガイド:考えて行動する姿勢、素晴らしいですね! まず「終身型」は生きている限り、契約した内容の保障が続くものです。医療保険の場合、入院や手術などの保障が一生同じ内容で続くことになりますね。契約者が払う保険料は一生涯払うものから、60~65歳まで払うものなどさまざまですが、加入後の保険料はずっと同じです。

Kさん:なるほど。いつまで生きているかわかりませんが、ずっと保障があって、保険料も変わらない点から安心っていわれるのですね。

ガイド:そのとおりです。一方、「更新型」は保障期間が一定期間、たとえば5年や10年などで区切られ、その期間が終われば改めて同じ内容で継続するものです。身の周りの「更新」というと免許の更新、クレジットカードの更新など、多くありますよね。

Kさん:そう聞くと、なんだか急に「更新」という言葉が身近に感じられますね。ただ、保険に関しては私が見聞きする範囲では「終身型」が多い気がして、正直「更新型」はマイナーな存在なのかと……。

ガイド:わかります。ただ、見聞きする多さではなく、きちんと「更新型」「終身型」それぞれの特長を把握して選んでください。実際、「更新型」を好んで選んでいる人も多いんですよ。

Kさん:へー、そうなんですね。たとえば、どんな人が好んで選んでいるんですか?

「終身型」「更新型」の長所と短所は?

ガイド:傾向を紹介する前に、まず「終身型」「更新型」の長所と短所を整理しましょう。

■終身型の長所
  • 生きている限り保障が続く安心感がある
  • 一生の保障に対する、毎回の保険料が契約時にわかる
  • 保険料が変わらないため、家計管理しやすい
■終身型の短所
  • 医療技術の進歩や健康保険制度の改定に対して、保障内容が時代遅れになるリスクがある
  • 加入時の保険料は保障期間が長い分、「更新型」より高めになる。結果、途中解約を不利に感じやすい
  • 万が一、保険会社が破たんした際、保障内容の減額などの影響が「更新型」より大きい
□更新型の長所
  • 更新時期に見直しをしやすい(ただし新規で加入するには健康状態の告知が必要)
  • 若いうちは保険料が「終身型」よりも比較的低く抑えられる
  • 万が一、保険会社が破たんしても、保障内容の減額などの影響が「終身型」よりも小さい
□更新型の短所
  • 更新し続けても、保障期間は80歳や90歳までと期限がつく
  • 保険料が更新ごとに年齢に応じて上昇する
  • 60歳を越えると保険料の上昇幅が大きくなる
Kさん:なるほど、本当に一長一短ですね。ただ、ちょっとよくわからないことが1点。「終身型」の短所にある「医療技術の進歩や健康保険制度の改定に対して保障内容が時代遅れになるリスクがある」とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

ガイド:いい質問ですね。日々医療技術は進歩しており、先進医療の技術内容も随時更新されています。公的な健康保険制度の適用となる病気の範囲や、患者の負担割合・自己負担上限なども改定されており、保険の保障内容が古いとしっかりカバーできない可能性があるのですね。これは私の推測ですが、人工知能(AI)の活用により医療技術は加速度をつけて進化し、医療費の負担など今後どんどん変わっていく可能性は大いにあると思います。

Kさん:なるほど……。IT系の仕事をしているので、わかるような気がします。今の状況に備えておくだけでは不十分で、何十年先まで見据えて対応しなければならないということですね。

ガイド:はい、そうです。大きく変化する可能性はゼロではないと思いますよ。

Kさん:あと「万が一、保険会社が破たんした際、保障内容の減額などの影響が……」は、一体どういうことですか?

ガイド:これまた、目のつけどころが鋭い! 保険商品は将来の給付金や保険金の支払いのために、保険料の中から少しずつ準備金が蓄積されていることをご存知ですか? その準備金は保障期間が長いほど多くの蓄積が必要となるため、万が一、財政難で保険会社が破たんすれば、「終身型」に影響が出やすくなるのです。

Kさん:なるほど。そんな問題点があったのですね。よくわかりました。ちなみに、「更新型」は加入中に入院するなどのことがあっても、次回の更新は問題なく行えるのですか?

ガイド:はい、更新時は入院歴や健康状態などに関係なく自動更新できます。当然、更新時期は最新の商品情報などをもとに保障内容を追加したり、他商品へ変更することもできます。ただ、他商品への切り替えや保障の追加は、健康状態の告知が必要となるため、健康管理の意識が高い人向きといえるでしょう。

Kさん:この長所・短所を知ることで、自分に合った商品が選べそうですね。他にも、何か選ぶ際に留意したい点はありますか?

次のページは、「終身型」「更新型」を選ぶ際の「2つの軸」を紹介していきます。