新築と中古との価格差は、郊外に行くほど広がる

一つのエリアで同じような広さのマンションであれば、新築よりも中古のほうが割安になるのが一般的です。平均値でいえば、中古価格は新築の7~8割くらいでしょう。

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※2009年の年間データ。出典:新築は不動産経済研究所、中古は東日本レインズ(新規登録物件)。
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図1をご覧ください。これは新築と中古の1m2当たりの平均単価を地域別に示したものです。首都圏全体では、中古は新築の約7割となっています。東京都区部は同じく約8割。ちょうど平均的な水準ですね。

しかし、それ以外の地域ではその比率が違ってきます。
東京の多摩地区や神奈川県では中古の割合が新築の約6割。埼玉県や千葉県では同じく5割前後です。都心よりも郊外のほうが、新築と中古との格差が大きくなっています。同じ郊外でも、都心から南西方面より北東方面のほうが、中古の比率が低くなってしまうのがわかるでしょう。

この事実から読み取れるのは、郊外より都心のマンションのほうが、資産価値が落ちにくいということ。やはり利便性の違いが大きいでしょう。南西方面と北東方面という向きの違いは、鉄道網の整備状況や住宅地としての人気の高さを反映しているといえます。
新築と中古を比べるときは、こうしたエリアによる特性の違いを知っておくと便利です。

ここまでは平均値のお話でした。実際にマンション購入を検討している方は「このくらいの予算でこの場所なら、どんな物件が買えるのか?」が気になるのではないでしょうか。そこで、次に価格とエリアを一定にしたとき、新築と中古では物件の条件がどう変わるかを考えてみます。

渋谷区でも、3LDKが6000万円で買える

まず、東京都渋谷区で6000万円程度のマンションを探している場合はどうでしょうか。
新築では、専有面積が50m2程度。間取りは、1LDKから小さめの2LDKくらい。いわゆる「コンパクトマンション」と呼ばれるカテゴリーになります。購入者としては、シングルやDINKSなどが想定できるでしょう。

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比較的新しい中古マンションではどうでしょうか。築10年程度なら、やや面積が広がり、60m2くらいの2LDKが目安となります。お子さんがひとりの小ファミリー向けという感じでしょうか。築年数が古くても構わないなら、もっと広めの物件も探せます。築20年以上になれば、70m2以上の3LDKも難しくありません。新築より2部屋多い物件が買えるというわけです。

都心部で広いファミリータイプは無理だと思っている方もいるでしょう。しかし、築年数にこだわらなければ、希望条件に合うマンションが見つかる確率は、それほど低くありません。たとえ室内が古くても、リフォームの技術が進歩していますから、内装や設備を見違えるほど一新し、使い勝手を良くすることができます。見た目や機能面における新築と中古の違いは、以前に比べてかなり縮小しているといえるのではないでしょうか。

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