トイレまでの距離、わずか40歩。しかし、それが遠い―――

Sさんの寝室を掃き出し窓側から撮影した写真。奥の右手にあるのが茶の間への引き戸で、「ベッドサイド水洗トイレ」は左手に設置されています

Sさんの寝室を掃き出し窓側から撮影した写真。奥の右手にあるのが茶の間への引き戸で、「ベッドサイド水洗トイレ」は左手に設置されています

今回お話をうかがったのは、福岡県北九州市にお住まいのSさん。膝関節炎の手術を受けた後、膝下に神経麻痺が生じて歩行が困難になったそうです。

「左右で足の長さが1.5cmほど違うため、そのままでは歩くのがしんどくて……。普段は右足に足底板を着けているのでそれほど問題はないのですが、大変なのが夜、目が覚めてトイレに行くときでした。眠っているときは、足底板を外していますから」

そう語るSさんの寝室からトイレまでの距離は、およそ40歩。昼夜とも約2時間おきにトイレへ行きたくなるというSさんにとって、この距離は決して近いものではありません。

「ギリギリまで寝ているので、ときには間に合わずに失敗してしまうこともあったんです。そんなとき、近所の工務店さんにこの『ベッドサイド水洗トイレ』を紹介してもらい、設置を決めました。ベッドの足側近くにあるでしょう。起きてすぐに利用できるので、失敗することがまったくなくなったんですよ」

押し入れのあった場所に、手洗器とともに設置

手術をきっかけにバリアフリーに改装したものの、「通常のトイレへ行くのはやはり大変だった」とSさん。今ではこの近さにトイレがあるので、夜中でも安心して利用できるそうです

この近さにトイレがあるので、夜中でも安心して利用できるそう

こうしてSさんの寝室に導入が決まったという「ベッドサイド水洗トイレ」。もともとは押し入れだった場所をつくり替え、Sさんがお話ししてくれたとおり、ベッドの足側すぐの場所に設置されることになったそうです。

「設置場所を決めるとき最初は掃き出し窓近く、ベッドから数歩離れた距離で考えていたのですが、ベッド足側の方が配管が短くて済み、使い勝手もいいとのことだったので。手洗器を設置できたこともあり、この場所でよかったとあらためて思います」 

また「やっぱり気恥ずかしくて」という理由から、目隠し用のカーテンも取り付けられています。
カーテンを閉めれば、この通り。まるでクローゼットスペースのようで、トイレがあるとは思いもよりません

カーテンを閉めれば、この通り。まるでクローゼットスペースのようで、トイレがあるとは思いもよりません


「においも、処理もなし」このトイレだからこそのメリット

「ベッドサイド水洗トイレ」のように、目が覚めてすぐに使えるトイレの選択肢にポータブルトイレがあります。この場合、どうしても避けられないのが、においと排せつ物の処理。以前からその深刻さを知っていたため、迷わず「ベッドサイド水洗トイレ」を選んだそうです。

「普通の水洗トイレとまったく変わらずに使えるのがいいですね。ポータブルトイレの場合、部屋ににおいがこもることも知識としてあったので。また、処理の必要がないことは、介護に直面している方も本当に助かると思います。家族にとっても、本人にとっても、トイレの問題は切実ですから」

さらにもう1つ、Sさんがメリットに思うことがあるのだとか。それについては、次のページでご紹介しましょう。