まずは「HEMS」の特徴を再確認

HEMS(ヘムズ)の正式名称は、Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)。政府は2030年を目標に全世帯へのHEMS設置を目指しています(※)。
※ 資源エネルギー庁 平成27年7月「長期エネルギー需給見通し関連資料」より

最大の特徴は、月や曜日、時間帯などの生活パターン別、さらには冷暖房、照明、給湯などの用途別に、家庭内でどのくらい電力を使ったかグラフや数値などを示して「見える化」すること。住人は、以前は目にできなかった電力消費時間の傾向や家電や冷暖房の使い方の良し悪しを知ることで、おのずとエコ意識が高まる、電気料金節約のヒントを得られるなどのメリットを得ることができます。
スマートハイムを例にしたHEMSの仕組み(出典:セキスイハイム)

スマートハイムを例にしたHEMSの仕組み(出典:セキスイハイム)


最適な電力会社選択をHEMSが後押し

また、このメリットは2016年4月からスタートした電力自由化への対応も容易にしてくれます。

既存の大手会社に多数の新規参入企業が加わり、果たしてどの電力会社のプランやサービスが我が家に適しているのか…いまも検討中の方は多いかもしれません。これを判断するにはインターネット上のシミュレーションサイトが便利で一般的なのですが、ただし、その中は、家族構成や在宅時間帯など、大まかな情報を基準に決めるサイトも見られます。それだけに厳密なチョイスができないことも考えられるのです。

その点HEMSがあれば、前述どおり月、曜日、時間帯などの生活パターンや、家電や冷暖房など用途別にきめ細かい計測データが取得できるため、それを材料にして高い精度でシミュレーションすることができます。したがって、より最適な料金プランを持つ電力会社を選びやすくなるというわけです。電力自由化で選択肢が爆発的に増えた現在、HEMSは、最良の判断を後押してくれる、有能なアドバイザーだといえるでしょう。
自宅の電力使用量がわかる(画像スマートハイムFAN。出典:セキスイハイム)

自宅の電力使用量がわかる(画像スマートハイムFAN。出典:セキスイハイム)


さらに、太陽光発電を行っている家庭の将来にとってもHEMSは頼もしい存在になります。積水化学工業株式会社で商品企画に従事している相良峰雄さんにうかがいました。

「政府が2009年に始めた『再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)』によって、10~20年間、売電価格は変わらない仕組みになっています。ただし、その買取価格は年を経るにつれて下がる一方で、利益が生まれる可能性はどんどん小さくなっています。また、電力自由化前後で電気代が上昇するなど、買う電力は今後も値上がりの可能性があります。それならば発電した電力を自ら使い、買う電力をセーブする『エネルギー自給自足』にシフトしたほうが経済的な暮らしになりますよね。では、どうやって発電した電力を蓄電し、どのように使うべきか?専門知識のない一般の方にとっては対処が非常に困難です。しかし、HEMSが取得する詳細なデータがあれば、格段に判断がしやすくなり、適切に省エネを実践することができます」

→次ページでは、さらに高精度なアドバイスをする最新HEMSをご紹介します。