年間走行距離に応じて保険料が決まる仕組み

走行距離と事故発生率の相関関係が、自動車保険の保険料に影響しています

走行距離と事故発生率の相関関係が、自動車保険の保険料に影響しています

さまざまなリスクの要素を細かく区分して、保険料が決められるタイプの保険を、リスク細分型保険と呼び、保険料を年間走行距離に応じて算出する仕組みも、その1つです。法令では自動車保険の保険料の算出に9つのリスク要因を単独または併用して用いることができると定めていて、そのリスク要因の1つに「年間走行距離その他自動車の使用状況」が挙げられています。

データ分析により走行距離と事故発生率には相関関係があり、走行距離の多い人の事故発生率は高く、少ない人の事故発生率は低い傾向があることがわかっています。年間走行距離が少ない人は事故発生率が低い、つまりリスクが低いと考えられるため保険料が安くなるのです。

現在、ダイレクト自動車保険を中心に多くの保険会社が「年間走行距離」による保険料の計算を行っています。年間走行距離は本人の申告に基づきます。契約時には積算走行距離計(オドメーター)の数値を申告する必要がありますが、この時点では、保険会社が走行距離を予想したり調べたりする訳ではありません。

申告する年間走行距離は保険会社により2つのタイプがあります。1つは、本人がこれから1年間に走行する距離を予想して申告する内容に基づいて保険料が決まる保険会社。もう1つは、これからではなく、過去1年間に走行した距離の申告に基づいて保険料が決まる保険会社です。各保険会社のホームページを見ると、「保険料は走る分だけ」と書いている保険会社と、「保険料は走った分だけ」と書いている保険会社があります。これは、この申告のタイプの違いを反映しているようです。

保険会社により走行距離区分は大きく異なる

「保険料を年間走行距離に応じて算出する仕組み」と書きましたが、実際には完全に距離と連動して保険料が決まる訳ではなく、「3,000km以上5,000km未満」というように各保険会社が設定した走行距離区分に当てはめて保険料が計算されることになります。この走行距離区分は、保険会社によって分け方や距離の幅がかなり異なります。

ダイレクト自動車保険7社の走行距離区分をまとめたのが、下の図です。

ダイレクト自動車保険undefined走行距離区分の例

ダイレクト自動車保険 走行距離区分の例


区分数は、7社のうち最も少ないA社で3区分、最も多いS社で7区分でした。区分数は多いほうが、より走行距離と連動した保険料設定が可能になる点で、合理的といえるでしょう。ただ、自分にとって保険料が有利になるかどうかは、区分数の多さに比例するとはいえません。

例えば、年間走行距離が6,000km程度の人の場合、図で挙げた7社中6社は「5,000km超10,000km以下」の走行距離区分に当てはまります。この走行距離区分では、年間走行距離が10,000km近い人も含めて保険料が計算されていることになります。一方、S社では「5,000km超7,000km以下」の走行距離区分に当てはまるため、他社に比べて走行距離が長い人が含まれずに保険料が計算されていることになります。それぞれの保険会社で保険料が異なるため、S社の保険料が最も安いということではないですが、相対的に有利になっているとはいえそうです。逆に、年間走行距離が10,000kmに近い人は、「5,000km超10,000km以下」の走行距離区分に当てはまった方が、S社の「9,000km超11,000km以下」の走行距離区分に当てはまるよりは、相対的に有利に思えます。

つまり、自分の年間走行距離が、保険会社ごとに異なる走行距離区分のどこに当てはまるかによっても保険料は左右されるため、自動車保険選びでは各保険会社の走行距離区分をチェックし、自分が当てはまる走行距離区分を考慮するとよいでしょう。

走行距離区分を超えてしまったときは、どうしたらいい? 少なかった場合はどうなるの? 次のページで解説します。