【この記事のポイント】

“買い時感”が盛り返す

いま、家を買ってもいいものか……。「数年以内には」と思っていても、数年後には状況が変わっているかもしれないと、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

では、住宅購入を検討している人たちは、どのように考えているのでしょうか。不動産情報サイト「ノムコム」が半年ごとに実施している、「住宅購入に関する意識調査アンケート(第11回)」(2016年7月初旬調査)の結果から読み解いてみましょう。

図1.「買い時」か否かの質問回答グラフ

 

まず、「今、不動産は買い時だと思いますか?」という質問に対する回答を見てみましょう。「買い時だと思う」と「どちらかといえば買い時だと思う」を合わせた「“買い時感”あり」派が約48%、およそ3年ぶりに増加に転じました。「買い時だと思わない」も34.6%と、ここ数年では多い水準なのですが、こちらは減少に転じています。

「買い時派」が減り始めた3年前は、不動産価格の上昇が目に見え始めたころでした。実は現在も、不動産価格の上昇傾向が終わったわけではありません。この反転の要因は、やはり超低金利でしょう。

これは「買い時だと思う理由」にも表れています。買い時と思う理由として、「住宅ローンの金利が低水準」であることが最多となっているのです。一段と低下している金利の恩恵を受けているわけです。長らく続く低金利ですが、景気の上向きが本格化せず、利上げはしばらくないと見ている人も多そうです。

また、中古マンションの売出件数はかつてないほど増えており、豊富な物件量から良い物件を選べる状況にあることも、無関係ではないでしょう。

実際、営業現場の感覚としても、購入の問い合わせは盛んですし、購入意欲は衰えていません。不動産価格は上がっていても、それ以上に超低金利の恩恵が大きいため、資金計画の面では負担は高まっていないからです。
図2.低金利の恩恵試算表

 

図2は、この1年の金利低下の効果を試算したものです。あるメガバンクでは、10年固定の金利が昨年の1.3%から0.5%になっています(いずれも2016年8月現在)。4,000万円を35年返済で借りた場合、毎月返済額はおよそ1万5,000円近く、10年間の合計では177万円以上の違いです。

総返済額では(固定期間後も金利が変わらないとして)600万円以上も少なくなります。その分、不動産価格が値下がりしているのと同じ効果をもたらしているといえるでしょう。


不動産価格は「下がる」の見方

「今後、不動産の価格はどうなると思いますか?」に対する回答も、従来と傾向が変わっています。図3は「上がると思う」と「下がると思う」の割合の推移です。2013年1月調査以来、「上がると思う」が多数派だったのですが、「今回は4年ぶりに「下がると思う」が逆転しました。

図3.不動産価格の予想に対する回答グラフ

 

中古マンションの成約価格は、ここ3年間、右肩上がりで推移しています。平均値では、今も上昇傾向は変わっていません。こうした統計を見る限り、「まだ値上がりしそう」と受け止める人が多そうですが、今回のアンケートでは「上がると思う」より「下がると思う」という回答が多くなりました。

「下がると思う」の理由の一つとして、「今の価格は高すぎる。このあたりで下がりだすと思う」というコメントがありました。根拠までは書かれていませんでしたが、現在のマーケットの変化に敏感だと解釈することもできます。

というのも、中古マンションの「成約前価格」と「成約価格」を調べてみると、昨年から「成約価格」のほうが低いケースが増え、徐々にその差が広がっているのです。つまり、値下げ率が高まっているといえます。こうした情報から、「そろそろ値上がり傾向は頭打ちになり、下がり始める」と考えてもおかしくありません。

「不動産価格は高いが、ローン金利によって総支払額が安くなる(可能性がある)」ことは、実際に住まいを探し始めて調べてみたり、銀行や不動産会社に行かないと実感できないかもしれません。また、値下げ率などのマーケットの変化も、積極的に調べないと得られない情報です。こうした点で、情報感度の高い人ほど「買い時」だと思っているのではないでしょうか。

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