通院による窓口支払いでも、高額療養費制度が活用できる

通院による窓口支払いでも、高額療養費制度が活用できる

健康保険の高額療養費制度は、がんなどの治療費で自己負担額が膨らんだ際に、生活を助ける制度です。しかも、一定の自己負担限度額になったら、それ以上は窓口で払わなくてよいという「限度額適用認定証」を利用する方法が平成24年より通院でも導入されています。今回は、これらの制度を上手に活かして将来への準備をできるよう、内容を整理してみました。

<ご相談者 Yさん>
  • 42歳女性、契約社員として勤務。独身。
  • 母親が5年前、がんに。通院の度に、自己負担にため息をつく母の表情が印象深かった。
  • 自分もがんに備えようと思っているが、通院でもらえる給付を特に充実させたほうがいいのか悩んでいる。

医療費が高くなることが事前にわかっているなら「限度額適用認定証」の申請・提示を

Yさん:5年前、母が抗がん剤や放射線治療で通院するのに付き添ったことがあるのですが、定期的に通院するたびに、窓口で支払う負担が大変だなぁと思っていました。高額療養費制度があって払い戻されるのは知っていたのですが、窓口でため息をつく母の姿などが脳裏に焼き付いています。なので私自身は、がん保険を選ぶ際に通院の保障を重視すべきか悩んでいます。

ガイド:なるほど。お母様の通院に付き添われたのですね。当時いろいろと大変だったと思います。5~6年前ということは、高額療養費制度の改定がなされる前ですね。実は、平成24年から高額療養費制度が、より便利に改定されているんです。

Yさん:そうなんですか? 高額療養費制度の自己負担限度額の改定ではなくて……ですか?

ガイド:おっしゃるとおり、高額療養費制度の自己負担限度額も改定されましたよね。平成24年以降、便利になったというのは、窓口での支払いを一定範囲にとどめられるという点です。あらかじめ医療費が高額になることがわかった場合に、「限度額適用認定証」を提示することによって、入院だけでなく、通院でも窓口での負担を一定額までにできるんですよ。

Yさん:そういうのがあったのですね。入院だけでなく、通院でも使えるようになったのは心強いです。

ガイド:厚生労働省のリーフレット(図1)にもこのように書かれています。
※厚生労働省のリーフレット「高額な外来診療を受ける皆様へ」(PDF)より抜粋

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【図1】厚生労働省のリーフレット「高額な外来診療を受ける皆様へ」より抜粋 ※クリックすると拡大します


もし今後、入院だけでなく、通院でも高額になりそうと思ったら、まずご自身が加入されている健康保険に「限度額適用認定証」の申請をしてくださいね。所得区分を証明する限度額適用認定証を交付してもらえば、それを医療機関に提出することで、窓口支払いが高額療養費の自己負担限度額までで済むようになります。

【参考記事】
所得区分が細分化された高額療養費制度の自己負担額については、「健康保険でカバーできる範囲ってどこまで?」でもご紹介しています。

次ページでは、限度額適用認定証の仕組みについて図解します。風邪による通院でも使えるの?