薬に頼らない方法を考えてみる

安易に薬に頼らない

安易に薬に頼らない

たとえば風邪をひいたら風邪薬を飲むのは当たり前、と考えている人は少なくないと思います。しかし、薬を飲めば飲むほど風邪は治りにくくなり、長期化することがわかっています。

実際、10年ほど前に風邪で病院に行った時、薬が出なかったのを不思議に思って尋ねたら、医者が次のように教えてくれました。

風邪の時に処方する薬は基本的には解熱薬で、強制的に熱を下げるものだから、本質的に風邪を治療できる薬ではない。咳を抑える抗炎症薬も同じで、一時的に炎症を鎮めるだけ。

ただ、熱が下る、頭痛が治る、咳が止まる、鼻水が止まるといった効能のおかげで、治ったと感じるだけ。そもそも体内に侵入したウイルスは、基本的には人体が持つ免疫力によってしか退治できない。つまり普通の健康体の人なら、安静にしていれば数日で治る。

風邪が長引くという人は、自己治癒能力が発揮できない生活をしているからで、薬をたくさん飲めばいいとか、もっと強力な薬を飲めばいい、というものではない。

それに病院で処方する解熱薬は強いので、胃を保護するためだけの薬も飲まなければいけない。薬には薬の数だけ副作用があり、よく効く薬は副作用も強い。そうした理由もあり、熱が高くないとか、咳でつらいなどの症状がないのであれば、薬は処方しない。

ということです。
そこでドラッグストアに行って風邪薬のパッケージをよく読むと、本当に「カゼの諸症状の緩和」としか書かれていません。「ウイルスを死滅させカゼを撃退する」とは書かれてない。つまり症状は緩和されるが、風邪が治るわけではないのです。

そして免疫システムを理解すれば、カゼから早期に回復する方法も見えてきます。

風邪をひいたときの発熱は、体温を上昇させて免疫細胞の活性化を促す反応です。つまり免疫細胞は体温が下がれば活動が鈍り、体温が上がれば活動が活発化するのです。また、ウイルスは熱に弱いので、発熱によってウイルスの活動が鈍ります。つまり発熱という炎症作用が免疫力を高めてウイルスを撃退、カゼから回復するという仕組みになっているわけです。

そのため、むやみに風邪薬(解熱剤)を服用をすると、体温が上がらず免疫機能が活性化しない。ずっと風邪薬に頼っていると、生体に自然に備わった防御機能を妨げ、逆に長期化してしまう可能性があるということ。

もちろん、「明日はどうしても休めない」といった一時駅な緊急対応、あるいは熱が高すぎることによる悪影響(脳などへのダメージ)が考えられる場合は薬に頼ることもやむを得ないでしょう。

しかしそうした場合を除けば、基本的には水分を補給し、暖かくしてしっかり休息をとれば十分ということ。このように免疫の仕組みを知れば、安易に薬に頼る必要はないとわかります。

つまり私たちは、正しい薬との付き合い方ができるよう、知識武装する必要があるのです。しかし現実には、そうでないケースも少なくないようです。つまり薬には副作用というリスクがあるにもかかわらず、根拠もなく手を合わせてありがたがる人が多いということ。

以前、このような話をネットのコラムで読んだことがあります。

クスリを欲しがる患者

高齢化率4割というとある無医村で、インターネットで常勤医の募集をしたところ、東京の若い勤務医から応募があった。彼はへき地医療に対する志が高い。おまけに、「田舎暮らし」を望んでいるということで、話はトントン拍子にまとまり、東京の病院を辞め村へ移住してもらうことになった。

当初、村の高齢者たちからは喜びの声があがったが、ほどなくそれは失望の声へと変わる。村の元気なご老人たちに対して、若き医師が行なった「診察」が問題だったのです。

「今のまま、おいしいものを食べて、よく寝て、たまに歩くなどの運動をしてください」これのいったい何が問題なのか。実際に高齢者たちから「不満」を告げられた隣町の医師が内情を話しました。

「この村に限らず、高齢者にとっての“医療”というのは、少しでも身体に異変があったらすぐに薬を処方してくれることなんですよ。そんな薬を欲しがる患者に対し、彼は『飲む必要がない薬を飲むと、お身体に負担がかかります』と一生懸命諭してしまったのです。それでしばらくして“あの若い医師は薬も出さない。それどころか自然治療をすすめている”なんて噂もまわって問題になったということです」

高齢者医療の現実を思い知らされたこの若き医師は、ほどなく村を去ったといいます。

このエピソードは、いかに供給者側の論理を刷り込まれた人が多いかを示しています。つまり思考停止しているということ。

先日も、病院の隣にある調剤薬局の前を通りかかったとき、大量のクスリを抱えた高齢者とすれ違ってびっくりしましたが、あんなに化学合成物質を飲んで大丈夫だろうかと、他人事ながら心配になりました。

長年飲み続けている薬があるなら、逆に薬をやめるために自分は何をどうすべきかを担当医に質問したほうがよいのではないかと感じます。

そういえば昨年、ある医薬品メーカーが重篤な副作用のデータを公表していないことが明らかになり、行政処分を受けたというニュースが流れました。この医薬品メーカーは、過去にも副作用のデータを隠蔽し、行政処分を受けています。「クスリを売る人はクスリと笑う」「クスリの反対はリスク」と言われるのは、単なる言葉遊びではないのかもしれません。

参考文献:「資産5億円を築いた私のお金が増える健康習慣」(アスペクト)

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