食と健康

低糖質ダイエットにも!アーモンドミルクの栄養と効果

スーパーなどでもよく見かけるようになった「アーモンドミルク」。世界中で牛乳や豆乳の代わりの飲み物として親しまれています。最近では日本でも、コレステロール含量ゼロで、乳製品を使っていないのにクリーミーで飲みやすいことから、脚光を浴びるようになってきました。そんなアーモンドミルクについてお話します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

アーモンドミルクとは

アーモンド

アーモンドミルクをご存知でしょうか。乳糖不耐症や大豆アレルギーの人でも安心して使えます。味もまろやかで飲みやすいので、使いやすいドリンクです。

アーモンドミルクとは、文字通り、アーモンドで作ったミルク様のドリンクのこと。アーモンドを粉状にすりつぶして作ります。

そのため「ミルク」と呼ばれていますが、栄養学的な分類では乳製品ではなく、ナッツ類と考えてください。

アーモンドミルクの栄養素

日本に入ってきたばかりの食材であるため、昨年末に発表されたばかりの『日本食品標準成分表 2015年版(7訂)』にもアーモンドミルクの栄養素についての記載はありません。

しかし基本的な製法はアーモンドをすりつぶして水に溶かしているだけですので、アーモンドの栄養素と同等と考えられます。アーモンドの栄養素について確認すると、コレステロール含量「-(検出されない)」となっており、コレステロールをほとんど含まないことが分かります。また、食物繊維、ビタミンE、不飽和脂肪酸のオレイン酸も多く含んでいます。

ただし、残念ながら、カルシウムは乳製品ほど含まれていませんので、アーモンドミルクを飲んでカルシウムを摂取することはできません(「カルシウムたっぷり」という表記の商品があったとしたら、後で追加している可能性が高いと思います)。

逆に糖質(炭水化物)の含量が少ないため、低糖質ダイエットをしている人には喜ばれる食材のひとつだと思います。

漢方としてのアーモンド

アーモンドミルクは最近、市場に出回り始めたばかりですが、原料であるアーモンドは古来から食べられてきた食品です。意外に思われるかもしれませんが、「甘扁桃」「巴旦杏」などと呼ばれて漢方薬としても用いられてきました。漢方では「於血(おけつ:血流が悪い人)」に使われるそうです。於血は顔色が悪い、肩こり、腰痛、脚のむくみなどの主訴がある場合に使用します。東洋医学の於血を西洋医学に置き換えると、炎症、アレルギー、 免疫系の疾患としてとらえることができるため、血栓症、 脂質異常症、動脈硬化症などのメタボリックシンドロームや生活習慣病に加えて、不妊症や婦人不定愁訴症候群なども於血が原因と考えるそうです。また、ヨーロッパには甘扁桃だけでなく苦扁桃という種類もあり、喉の薬として用いられていたようです。

アーモンドミルクの効果

上記のように、コレステロールが低く、ビタミンEと食物繊維、オレイン酸が豊富に含まれていますので、便秘解消に効果がありそうです。アーモンド粒での実験ですが、アーモンドを食べるとLDLコレステロールが下がるという研究結果もあります。コレステロール値が高いことを気にしている人には、食生活に取り入れるとよいかもしれません。

何よりも原材料はアーモンドですので、「大豆アレルギー」や「乳製品アレルギー」を持っている人でも安心して飲むことができます。もちろん、アーモンドアレルギーの人が皆無というわけではありませんが、アレルギーを持つ人にとって、豆乳や牛乳の代用品として活用しやすいと思います。さらに、乳製品を含んでいませんので、乳糖不耐症の人の食事にも活用できます。アーモンドは脂質が多く、その分、炭水化物が少ないため、低糖質ダイエットを行っている人にも使いやすいのではないでしょうか。

アーモンドミルクを上手に使うコツ・簡単レシピ

アーモンドミルクは乳製品ではありませんが、牛乳と同じように料理に使うことができます。例えば、ホワイトシチューやスムージーなど、牛乳の代わりに試してみると面白いと思います。もちろん、コーヒーや紅茶に入れることもできますので、アーモンドミルクラテなどをつくることもできます。

日本より一足先に流行しているアメリカでは牛乳の代わりにシリアルにかけて食べるという使い方をしている人が多いようです。この使い方であれば、シリアルの選び方によっては食物繊維をアップすることもできますし、一石二鳥といったところでしょうか。

商品名を出すことは控えますが、アーモンドミルクを使った低糖質プリンも販売されているようです。低糖質ダイエットで脚光を浴びたアーモンドですが、そのまま食べるか砕いてサラダ等に和えるなどの料理法は思いつくものの、あまりメイン食材として使った料理は多くありませんでした。アーモンドミルクのような食材が出てくることで、さらに活用方法が広がりそうです。
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