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そもそもLGBT、同性愛は“生まれつき”なのか“趣味”なのか

LGBTは“生まれつき”かそれとも“趣味”か

LGBTは“生まれつき”かそれとも“趣味”か

『クィア・サイエンス―同性愛をめぐる科学言説の変遷』

『クィア・サイエンス―同性愛をめぐる科学言説の変遷』サイモン ルベイ:著/伏見憲明:監修/玉野真路・岡田太郎:訳/勁草書房/4725円

過日、杉並区議会で小林ゆみ区議が「同性愛者は趣味でやっているのだから、そんな人たちの権利など守る必要はない」といった趣旨の発言をして(詳細はこちら)、多くのLGBTおよび、ストレート・アライ(=英語: Straight ally。LGBTを積極的に支援する異性愛者)から、「異性愛が趣味ではないのと同様、同性愛も趣味ではない」と批判の声が上がりました。実際のコメントの引用は下記です。
 
「レズ・ゲイ・バイは性的指向であり、現時点では障害であるかどうかが医学的にはっきりしていません。そもそも地方自治体が現段階で、性的指向、すなわち個人的趣味の分野にまで多くの時間と予算を費やすことは、本当に必要なのでしょうか」

出典:「同性愛は個人的趣味」 支援を疑問視する杉並区議の発言に批判

「同性愛者は趣味でやっているのだから、そんな人たちの権利など守る必要はない」とは、アンチゲイな差別主義者(同性愛嫌悪者)の常套句ですが、日本でも今になって堂々とそういうことを言う政治家が現れたか……時代錯誤感スゴいな、と思いました。しかし、先日とあるゲイバーでお話していたら、「え、ゲイの遺伝子ってあるんだ?」みたいな反応があったりして……。当事者のゲイの方ですらそんな認識なのだから、いわんや世間の人をや……とも思い、もう一度、生まれつきってことをお伝えする記事を書こうと思った次第です。

以前、「人はなぜ同性愛者に生まれるのか」という記事をお送りしました。その記事でも、「母体ストレス説」のようにもっともらしく見えて真実ではない俗説が飛び交うなか、性的指向に関するあらゆる学説や研究を徹底的に検証し、科学的に追究した決定版の本『クィア・サイエンス』をご紹介しました。著者である脳科学者のサイモン・ルベイは、ストレート男性とゲイでは脳の一部(INAH3)に違いがあるということを突き止め、同性愛が生まれつきである有力な証拠としました。また、少なくともゲイ男性では遺伝子が影響している(X染色体のだいたいがこの辺にある)ことがわかっている、ただし、環境要因(後天的な要因)が全く関係しないということも証明されてはいない、と書かれていました。

同性愛の謎』(竹内久美子:著、文春新書)という本をお読みになった方もいらっしゃるかと思います。スウェーデンのカロリンスカ研究所(ノーベル賞の選考委員会がある権威)がMRIやPET(陽電子放射断層撮影法)を駆使して脳を調査し、ゲイとストレート女性、レズビアンとストレート男性の脳に類似性が見られることを突き止めたこと、それから、1993年、アメリカ国立衛生研究所のD・H・ハマー氏らが、同性愛遺伝子がX染色体の長腕の最末端部分「Xq28」にあると発表したこと(注:のちに反論も有)など、最新のさまざまな知見がわかりやすく紹介されています。

最新のニュースによると、学術誌『Archives of Sexual Behaviour』上で生態学者のGeorgi Chaladze氏が「人類の半分が同性愛遺伝子を保有している」との論文を発表したそうです(詳しくはこちら)。これは「英米の若者の3割~5割が同性愛またはバイセクシュアル」という最新の調査結果とぴったり符号するものです。

このように、同性愛遺伝子についての研究は、現在進行形のホットなトピック。もう少ししたら、同性愛遺伝子はここにある! という発表を聞くような気がします。少なくとも、同性愛遺伝子があって、ゲイの脳が女性に近いということ、つまり、生まれつきであることの証拠は国際的に広く認知されるところとなっています。
 

“生まれつきか選択か”は命にかかわること

イランの同性愛者

イランでは法律で禁止されているだけでなく、実際に同性愛者が死刑にされることもあり、国際社会から非難を浴びています。かつて、同性愛者への無理解が元で、イランに強制送還されそうになったゲイの方がいました。

遺伝子とか脳の違いの話をまったく知らないとしても、ぼくら当事者が「同性愛は生まれつきです」と強調するのは、なぜでしょうか。

それは、セクシュアリティというものが望むと望まざるとにかかわらず沸き起こってくる、自分の意志ではどうすることもできない強力な指向であるということを経験しているからであり(異性愛の方も同じですよね?)、そして、世間の多くの方たちが「趣味」だと誤解していることが差別の源泉になっていると感じているからだと思います。

できることなら周囲の多くの人と同じ異性愛者に生まれたかった……と心から思っているような方ですら、生まれ持った性的指向は変えられません。どんなに社会的な圧力がかかろうと、たとえ「治療」が行われようと(これまで「治療」が成功した試しはなく、かえって「患者」が自殺に追い込まれなどの被害が後を絶ちません)、変えられるものではないからです。

同性に魅かれると言うと、色事が好きすぎて「そっち」に走っちゃったというふうに誤解する方が未だにいるわけですが、そう思われることを腹立たしく感じる当事者は多く、そうした誤解が差別や同性愛嫌悪(ホモフォビア)を生むのであれば、認識を改めていただきたい! と、思わず鼻息を荒くしてしまうのです。

「趣味」でやってると誤解してるから、精神科に連れて行こうとか、ひどい場合には「俺が治してやる」とレズビアンをレイプするような憎悪犯罪にもつながるわけです。 

この誤解(というより無知)は、ホモフォビアが激しい社会においては、命にもかかわる問題です。

約10年前、同性愛者が死刑になるイランから逃げてきて難民申請していたシェイダさんというゲイの方に対し、東京地裁が「自分が望む性表現が許されないことをもって難民条約にいう迫害にはあたらない」と請求を棄却する事件がありました。自分の意志で「表現」したりしなかったりできるものではないのにもかかわらず、「性表現」という的外れな表現を使っていることが同性愛に対する無理解を物語っています。また、同性愛行動を全くせずに完全に異性愛者のフリをして生きることなどは不可能ですし、生きる意味がありませんから、強制送還は死刑宣告と同じです(彼は結局、第三国に出国し、強制送還を免れました)。

別の例では、1982年、テキサス州でソドミー法(注:同性間の性行為を禁じ、刑事罰を与える古い時代の法律)を撤廃するよう求めた連邦裁判が行われ、生まれつきか選択か、が争点になりました。判事は、同性愛は選択の問題ではなく、やむをえず同性愛者になるのであって、「刑事罰を設けても同性愛行為の抑止にはならない」との判決を下しました。もし研究者たちがこぞって同性愛は「選択」だと主張していたら、その後もゲイが犯罪者扱いになっていたかもしれません。

「世界がもし100人の村だったら」を思い出していただきたいのですが(「11人は同性愛者です」)、同性愛や両性愛は生まれつきであり、どんな時代、どんな国でも一定の割合で同性愛者や両性愛者が生まれてくるものだという認識が常識レベルで広まらないと(特に、政治や司法に携わる方たちの間で)、今後も「趣味だからほっとけばいい」とかいう発言が平気で出てきたり、当然認められるべき人権が損なわれたりという、欧米だと失脚モノの(犯罪に近い)差別が後を絶たないことでしょう。これはとても大切なことだと思います。

 

たとえ“選択”だとしても、セクシュアリティは自由でいい

ドラマ『Empire 成功の代償』

ドラマ『Empire 成功の代償』

ドラマ『Empire 成功の代償』で、ゲイであることをカミングアウトしているジャマルが、以前から敬愛する女性のアーティスト(アリシア・キーズが演じています)といい雰囲気になり、傍目から見るとまるで恋人どうしに見えることから(実際は、キスはしたものの、セックスはしていません)、LGBT活動家が「同性愛は選択だと主張する政治家のカモになってしまう」と忠告する、というシーンがありました。それに対してジャマルは、自分がゲイであることには変わりはないが、セクシュアリティは自由でいいじゃないか、fluid(流動的)だよ、と答えます。

これは、ジョニー・デップの娘、リリー・ローズが「セクシュアル・フルイディティ」(その時々で好きになる性別が変わり、特定されないというもの。パンセクシュアルに近いと思います)とカミングアウトし、スーパーモデルのカーラ・デルビーニュやマイリー・サイラス、クリステン・スチュワートら、セレブが続々と賛同している(ある意味、大流行の)スタンスです。

同性婚なども認められ、恋する相手が同性であっても異性であってもさほど驚かれないし、特に問題とならないような社会では、こういうありようが自然になってくるのかもしれません。英米の若い人たちの3~5割がストレートじゃないと回答するのには、こういう背景があると思います。

そうなると、生まれつきなのか選択なのか、という問い自体があまり意味を持たなくなってくるのかな? とも思います。もともとストレートだった(ストレートに見えた)人が、ふらりと同性とつきあいはじめたとして、また、本人が「たまたま同性が好きになった」「ちょっとそっちに走ってみた」と語ったとしても、うんうん、そういうこともあるよね、いいんじゃない? って感じです。

そこで、「それ見たことか、やっぱり“趣味”じゃないか!」 と鬼の首を取ったように叫ぶのは差別的な同性愛嫌悪症の人たちだけでしょう。趣味だから認める必要はない=差別されても仕方ないと言いたいわけですから。

ゲイとかバイセクシュアルというのはあくまでも自己申告。アイデンティティの問題です。さんざん男性とセックスしていても俺はノンケだと言い張る方も、なかにはいらっしゃいます。

ゲイが差別されていた時代は、肩肘を張ってゲイというアイデンティティを誇示することに意味があり、それこそがゲイプライドだったかもしれませんが、社会が寛容になると、「別に決めなくていいんじゃね?」くらいの感覚になってきて、今、日本でも欧米でも、若い人はどんどんそういう感じになってきていると思います。ガイド(ゴトウ)は、それが本来的なありかただろうなと思っています。

よく考えると、江戸時代なんて、3~5割なのかそれ以上なのかはわかりませんが、日本でも相当たくさんの人がおおらかに同性どうしで愛し合っていました。日本にはもともとそういう伝統があるわけで、そもそもキリスト教的な罪悪視がありません。だからこそ、遅かれ早かれ、世間のホモフォビアが解消し、昔みたいに自由におおらかに花開く時代が来るだろうと思ったりします。

 

子孫繁栄と同性愛について

一定の割合で同性愛者が生まれるということはわかったとして、だったらなぜ子どもを産まない同性愛者が存在し続けるのか、なぜ同性愛遺伝子などというものがあるのかと思う方もいらっしゃるかと思います。同性愛者が生まれるメカニズムではなく、「人類という種にとって」という意味で、です。

そのような問いに対して明確に答えられる人はいないと思います。神のみぞ知る、です。

ただ、生物学者の方たちが、同性愛者単体ではなく、その血縁者(親族)まで含めて調査し、人類という種にとってのプラスの意味が提唱されてきました。

先に挙げた『同性愛の謎』では、ヘルパー仮説のことが紹介されています。ゲイの伯父(叔父)は血縁者の子育ての手助けをよくするため、遺伝子が残ってきたのだという説です。実際、うちのダンナはことあるごとに甥っ子にプレゼントをしたり、とてもいい伯父っぷりを発揮していて、あながち仮説ではないかも……と思ったりします。

ただ、この仮説を検証するために、アメリカで実際にゲイとストレートの比較が行われ、ゲイの方が親族と疎遠だという結果になり、信憑性が薄れたそうです(現代においてはそうかもしれませんが、血縁が密だった時代までは、かなりそういう傾向があったんじゃないかなぁと素朴に思ったりします)。

再び、前述の本『同性愛の謎』をひもとくと、「謎が解けてきた!」という最後の章で、ゲイの母方の女性がよく子を産んでいるということが「謎」に迫る最も妥当な答えとして挙げられていました。先述のGeorgi Chaladze氏も、「ゲイが家族にいる女性は子孫を多く残す傾向にある」とコメントしています。同性愛遺伝子は男性の側にあるとゲイになって直接的には子をなさないが(現代では子をなし、育てるゲイカップルも普通ですけどね)母方の女性にあるとたくさん子どもを産むようになる、だからこそこの遺伝子が淘汰されずに残ってきたのだ、という話です。

こちらの記事、人はなぜ同性愛者に生まれるのか(2)「自然界の同性愛」でも書きましたが、同性愛は人類に限った特殊なことではなく、自然界にも広範に見られ、1500近い種で見られます。科学者たちは「同性愛は環境や状況によっては、逆に種の繁栄に貢献している」と主張しています。たとえば、雌鳥が放棄した卵を雄どうしのつがいが世話をするということが往々にしてあるそうです。

おそらくですが、同性愛も異性愛も共存できる多様な(豊かな)あり方のほうが、生物として繁栄しやすいのでしょう。異性愛だけを厳格に行う種というのは、その硬直性ゆえに、繁栄が妨げられるのではないでしょうか。

数万人とも数十万人とも言われる同性愛者が収容所に送られ、虐殺されたナチスのホロコーストが最たるものですが、もともと自然界に存在していて当たり前な同性愛者を、一部の人間(為政者とか)の無知・不寛容によって迫害することのほうが、むしろ生物学的に異常な行為なのではないでしょうか。
 
世界銀行の統計を参考に作成された「同性カップル法的保障制定後、出生率が上昇傾向にある国」の一覧(牧村朝子『百合のリアル』(星海社新書)より)

世界銀行の統計を参考に作成された「同性カップル法的保障制定後、出生率が上昇傾向にある国」の一覧(牧村朝子『百合のリアル』(星海社新書)より)

今後、社会がもっと寛容になっていけば、欧米並みに(若い世代では3~5割)同性愛者または両性愛者と自認する方が増えていくかもしれませんが、「そんなことになったらますます少子化が進む! 国が滅ぶ!」 と思いますか? しかし実は、欧米では同性パートナー法や同性婚を認めた国の多くで、出生率が上がっているのです(注:右の資料をご覧ください)。多様性を認める豊かな社会の方が、子どもを産み育てやすい環境だということを物語っていると思います(翻って、日本の少子化対策があまり効果を上げていない理由の一端が見えてくるかもしれません)

欧米では子どもをもうけて育てているレズビアンカップル、ゲイカップルが本当にたくさんいます。アメリカでは同性婚が認められたことも後押しして、ゲイビー・ブームだそうです(同性親に育てられた子ども=ゲイビー、という造語)。

日本ではまだ、代理出産自体が世間に認知されていないので、ゲイカップルが代理母に依頼して子どもをもうけるということが承認されるかどうか微妙なところですが、養子(里親)とか、友達のレズビアンカップルとともに、という形で子育てが行われる時代が来ると思っています。

(そういえば、お友達のレズビアンカップルにも最近、お子さんが生まれました。おめでとうございます!)

 

“趣味”の豊かさを祝福しましょう

クマ系ゲイの結婚式

ゴトウは生まれつきこういうクマみたいな人が好きなのですが、それを「趣味嗜好」って言われたくないな……と思うのです。一方、趣味でもいいじゃん、フェチばんざい! と思う気持ちもあります。

今回の記事を書くにあたり、実は「趣味」ということについて考えはじめ、けっこう深みにハマってしまいました。

ここまでお読みになった方はお気づきかも知れませんが、欧米では「趣味」じゃなく「選択」という言い方をしていました。

日本語で言う「趣味」には、仕事じゃなくて休日などに楽しむもの(hobby)という意味、好み・センス(taste)という意味だけでなく、「俺にはそういう趣味はない」「あんたそれ、趣味でやってんでしょ?」といった言い方に表れているような、社会的に正当とされる理由がなく、好き好んでやってる「しょうもないこと」、というニュアンスがあります。つまり、文脈によっては「趣味」と言うこと自体が侮蔑的なのではないかと思います。


そういう意味合いでの「趣味」は、「趣味嗜好」という言葉でも使われます。LGBTについての記事で、よく「嗜好」じゃなくて「指向」です! という訂正が入ります。それは、sexual orientation(性的指向)とsexual preference(性的嗜好)は異なるものであり、生まれつきの性的指向と、性的嗜好(性的な好み・こだわり)を混同しないでください、という趣旨です。ここにも「趣味嗜好」という言葉の侮蔑的なニュアンスへの反感が感じ取れます。

性的な好み・こだわりとはどういうことか、念のためにお伝えすると、例えばSMが好きというようなプレイの内容に関すること、さまざまなフェティシズム(ストレート男性だと、女性のハイヒールや下着を好むなど)、死体愛好者(ネクロフィリア)など性愛の対象に関することなどを指し(こういうのも性的嗜好なの? 指向じゃないの? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。次の段落でちょっと書いてみます)、異性愛/同性愛関係なく、さまざまあります。実に奥が深い世界です。

ちなみに、「アンタの性的なこだわりって何?」と聞かれたら、「ゴトウはちょっとたるんだお腹や体毛が大好物」と答えます(ゲイの世界では普通すぎてつまらないかも……すみません)。でも、それって「性的嗜好」なのかな……って、よくよく考えてみたのですが、むちむちボディや毛深さへの偏愛は生まれつきで、自分の意志ではとても変えられないようなものでした(初恋の相手がまさにそんな人でしたし、これまでつきあった人もだいたいそんな感じ)。ということは、これは「嗜好」というより「指向」なんじゃないかと思い至りました(世界中にベア系好きなゲイがたくさんいることも考え合わせると「熊好き遺伝子」があるのかも……いや、ないか。どうなんでしょう?)。自分のセクシュアリティをより正確に表現するなら「ベアセクシュアル」のほうがしっくりきます。

「熊好き遺伝子」があるかどうかはさておき、現時点では、性的指向という言葉が使用されるのは、異性愛/両性愛/同性愛/無性愛/全性愛という、好きになる性別を基準としたセクシュアリティだけのようです。性別に関係なく太った人にしか魅力を感じないとか、子どもしか愛せないという方もいるわけですが、それはとりあえずは「性的嗜好」扱いとされています。

もしかしたら、研究がさらに進み、そういう遺伝子が見つかるなどして、生まれつきだと解明される日が来るかもしれません。

一方、社会的地位の高い人にSM愛好者やおむつプレイ好きな人が多いという俗説を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、それは多分に生育歴とか家庭環境とか社会的なことが影響していると思われ、それもまた「趣味嗜好」と言ってしまっていいのだろうか、やむにやまれぬ切実なものではないだろうか? と思ってしまうのです。

そんなんどっちでもいいわ、と思う方もいらっしゃいますよね。そうなのです。生まれつきだろうと環境のせいだろうと「趣味」だろうと関係なく、性的嗜好を他人がとやかく言う筋合いはないですよね。本人の自由です。倒錯でも変態でもありません。もちろん、ヘンタイを自称していても全然構いません。ヘンタイバンザイ! です。みんな違ってみんないい。人と違うからこそ面白い世界です。

だったら好きに楽しんでればいいじゃん、と思うかもしれません。しかし、そうもいかないところもあります。例えば、著名人がSMクラブに出入りしてたらマスコミの恰好の餌食になる世の中。個人的には別にいいじゃん、ほっときなさいよ、と思います。

また、毛むくじゃらの男性がバーンと写っている蘇民祭(岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭り)のポスターがJRの駅から外された、通称「蘇民祭事件」にも同様のものを感じます。ちなみにこちらは具体的に抗議があったのではなく、JRが「女性が不快に感じるかも」と自主的に外したものだそうです。これをフォビアと言わずして何と言うのでしょう?

性はもともと多様で、だからこそ素晴らしいのに、特定の「美しい」とされる男性/女性と、男女関係だけが称揚(商用?)され、そうじゃないありようは嘲笑や排除の対象になる、そんな時代はそろそろ終わりにしませんか?

そして、性教育のダメさ加減(純潔教育は逆効果っていうのは欧米で証明済み)も考え合わせると、性的なものにフタをする文化を変え、過剰な規制をやめ、男尊女卑と同性愛嫌悪(ある意味「おっさん」の性的嗜好がそのままだだ漏れになってる状況)を解消し、性解放(セクシャル・リベレーション)を進めることが大事だと強く思います。日本にはそれができる土壌があるはずです。

 

各地に広がっていくLGBTの認識

東京レインボープライド

昨年の東京レインボープライドでは、渋谷区の新条例を実現した元区長さんの立会いで同性結婚式も行われ、のべ5万人超が参加しました。今年はさらに盛大になりそうです!

まずは、熊本・大分で被災された方々をはじめ、度重なる余震で眠れない夜を過ごしている九州の方々に謹んでお見舞い申し上げ、亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。まだ予断を許さない状況ですが、早く余震も収まり、ライフラインが復旧し、元のような生活に戻れるようになることを心よりお祈り申し上げます。

とても全ては把握しきれませんが、たくさんのゲイをはじめとするセクシュアルマイノリティの方たちがこの震災に胸を痛め、直接物資を届けたり、被災地にいる友達を支援したり、義援金を募ったり、歌や絵で表現したり、さまざまに行動しています(こちらにまとめました)。そのうち復興支援のチャリティ・イベントなども開催されるかもしれません。

以下、3月末からこれまでの間にあったLGBT関連のトピックをざっとお伝えします。

まず、高校の教科書(家庭科など)に初めてLGBTという言葉が登場することになりました。義務教育でもぜひ、という声が上がっています(詳しくはこちら

それから、4月1日、三重県伊賀市で、全国で3例目となる同性パートナーシップ証明の制度がスタートし、市役所前で記念イベントが行われました(詳しくはこちら)。4月15日には第1号となるカップルが市役所を訪れ、パートナーシップ宣誓書に署名し、市長さんから受領証を手渡されました(詳しくはこちら

一方、同性婚が認められたアメリカでは、保守的な州を中心に、バックラッシュが起こっています。ジョージア州では、信仰を理由に同性愛者へのビジネスサービスを拒否してもよいとする法案が議会を通過し、そんな差別的な法案が通るならおたくの州から撤退するよ、とディズニーや映画産業やNFLなどが一斉に批判し、無事にお蔵入りになりました(しかし、ミシシッピ州では同様の法案が成立。こちらも非難轟々です)。ノースカロライナ州ではトランスジェンダーが自由にトイレを使えなくなる法案が成立し、ブルース・スプリングスティーンやリンゴ・スターらが抗議して同州でのコンサートをキャンセルしました。

アメリカって差別もはっきりしてるけど(主にキリスト教保守派です。宗教って何なんだろう……って考えちゃいますよね)、差別には断固として反対!フェアネスを守れ!っていう至極まともな人たちも多いので、勇気づけられますね。バックラッシュは当分続くようですが、引き続き見守っていきたいと思います。

最後に、イベントの情報をお伝えします。その名も東京レインボープライド。「レインボーウィーク」として都内各地でLGBT関連のさまざまな催しが行われます。フィナーレとして代々木公園で「パレード&フェスタ」が盛大に開催されますので、ぜひ足をお運びください。また、GWは二丁目のゲイナイトがいちばん盛り上がる時期です。ゲイ&バイセクシュアル男性の方、ぜひこちらのスケジュールをチェックしてみてください☆


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