貯蓄もなくなり、毎月10万円以上の赤字。車のローンも高額です

貯金も残り少ない

貯金も残り少ない

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、長引く赤字家計に悩む40歳の主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)


■相談者
スパーダさん(仮名)
女性/専業主婦/40歳
愛知県/賃貸住宅

■家族構成
夫(会社員/30歳)、 長女(幼稚園/5歳)、 長男(2歳)

■相談内容
夫が1年半前に転職して それまでの収入の半分以下(以前は40万円)になりました。それ以降、赤字家計が続き、貯金も使い果たしてしまいます。もはや子どもの預金も崩さなくてはなりません。教育費も老後も不安で仕方ありません。

■家計収支データ
「スパーダ」さんの家計収支データ

「スパーダ」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)加入保険の内訳
・夫/共済(病気死亡400万円、入院5000円)=保険料3000円
・妻/医療保険(入院1万円、がん入院2万円、がん診断一時金100万円)=保険料8112円
・長女、長男/学資保険(17歳満期、満期金300万円)=2万7492円(2人分)
・長女、長男/こども共済(病気死亡200万円、入院5000円、扶養者死亡350万円、賠償責任100万円)=保険料1000円×2人分

(2)車両費の内訳
自動車ローン/5万3400円(平成33年まで)、自動車保険/1万2340円、ガソリン代は雑費に計上

(3)妻が働く予定
長男が待機児童のため保育園が見つかり次第パートを予定。

(4)教育費の内訳
長女幼稚園1万3000円、スイミング7000円

(5)雑費4万円
おむつ代、妻の親へ1万円、ガソリン代、その他カード支払い分

■FP井戸美枝からの3つのアドバイス
アドバイス1 家計支出で大きな額を占める固定費を見直す
アドバイス2 スマホも不要というくらいの断行が必要
アドバイス3 収入アップを目指し、その後も貯蓄体質を維持
 

アドバイス1 家計支出で大きな額を占める固定費を見直す

ご主人の転職によって、給与が40万円から半分以下の19万円になってしまったわけですから、それは大変だと思います。以前の収入であれば、毎月10万円の貯蓄できることになります。しかし、現実は学資保険を差し引いても毎月9万円の赤字を続けています。しかし、それは裏を返せば、まだ「40万円の頃の生活」が続いている、ということではないでしょうか。

もちろん、世帯収入の半減に対して、それに見合った家計支出にしなさいと急に言われても、それは無理があります。お子さん2人を抱えての節約もきびしいでしょう。しかし、このままでは家計破たんとなります。現状を打破するには、腰を据えて、本気で取り組むしかないと思います。

家計の見直しで有効な方法は、毎月定額が発生する固定支出の削減です。食費などと違い、一度下げることができれば、そのあとは努力しなくてもずっと下がったままだからです。スパーダさんの場合、家賃と車両費の大半を占める自動車ローン、そして保険料が、大きな固定費です。そのうち家賃を見直すのは難しいですが、残りの2つは可能でしょう。

まず保険ですが、自動車保険が相当に割高なのは車両保険を加えているからですが、はたして必要でしょうか。保険料が毎月1万2340円ですから、年間14万8000円にもなります。被保険者の等級や車種などはわかりませんが、年齢から考えて契約内容によっては3分の1程度に下がるはずです。事故や自損でのクルマの修理費用が保険でカバーできるといった「もしも」へ備えるよりも、今は支出を減らすことが優先されるべきです。

家族が入られている保険は、学資保険以外は解約していいと思います。ご主人については、死亡保障が不足しています。学資保険の満期金を差し引いても、賃貸住宅であることを考慮すれば、少なくとも2000万円はほしいところ。収入保障保険か定期保険(保険期間10年)で確保すれば、保険料は2000円台前半です。一方、医療保障は入院5000円の単体の医療保険で1500円前後。ただし、健康保険に加入しているのですから、高額療養費制度も利用できます。割り切って、少なくともしばらくは死亡保障だけでもいいのでは。

奥様の場合、がんが心配だとしても、月額8112円の保険料は割高です。入院1万円、がんの診断一時金100万円に先進医療特約を付けても、終身払いタイプなら6000円程度に抑えられます。加えて、月2000円のこども保険も不要と考えてください。
 

アドバイス2 スマホも不要というくらいの断行が必要

自動車ローンも、見直したい固定支出です。

毎月5万3400円を平成33年まで支払うのですから、ローンの残債は300万円ほど。これは、大変な家計負担です。頭金の額やローン開始の時期、金利などは不明ですが、それなりに高額のクルマだと推測できます。仕事でどうしても必要であれば仕方がないですが、そうでなければ、毎月9万円の赤字が出ている家計では、ローンを支払ってまで維持するだけの必要性は感じられません。

しかし、売却してもおそらくローンの残債が上回るでしょう。それを分割で払うことも(普通は売却寺に一括払い)大手の買取店ならできますし、新たに中古や軽などの割安のクルマを購入し、そのローンも合わせて、今よりどの程度ローン負担が軽くなるのか。査定価格などもいろいろ調べ、また金融機関の多目的ローンとの金利とも比較しながら、毎月の返済額と総支払額が少しでも下がる工夫と努力が必要です。

固定費としてもうひとつ、通信費も気になります。スマホ2台とパソコンということですが、普通、このくらいのコストはかかるでしょう。しかし、何度も言うようですが、赤字家計になって1年半が経過しています。その間、収支が改善できないのであれば、もはやスマホも贅沢品と言えるかもしれません。
自宅のパソコンによるネット環境はあるのですから、ご夫婦ともガラケーでいいのでは。最安プランで電話とメールしか使わなければ、2台で5000円くらいに抑えられます。もちろん、スマホと比較すれば不便でしょうが、このくらい思い切った行動が求められています。

あとは、雑費に含まれている奥様のお母様への月1万円。本来ならこれも削りたいところですが、それなりの思いがあって渡されているのなら、続けてください。そのかわり、それ以外の固定費はできる限り減らすよう努力しましょう。

家計改善の目標は、少なくとも赤字が出ないところまで減らすこと。自動車保険とその他の保険の見直しで、おそらく10万円程度の家計負担軽減は可能です。さらに、自動車ローンの実質引下げと通信費も見直せば、児童手当分だけは貯蓄に回せるまで、家計も回復するでしょう。
 

アドバイス3 収入アップを目指し、その後も貯蓄体質を維持

家計の改善ができても、お子さんが成長してくれば、家族4人の生活費を20万円そこそこに抑えるのは大変です。そうなると、世帯収入のアップは欠かせない要素です。

まずは奥様のパート収入です。保育園費用との差額になりますので、実収入は3万~5万円でしょうか、今の家計には大きなプラスです。ご主人についても、転職された理由はわかりませんが、今後、また転職等で収入アップを模索していくことが大事となってきます。

そして、収入アップ後で大切なことは、増えた分だけ支出も増えないよう注意することです。人間誰しも、家計に余裕が出れば、気が緩みがち。せっかく、家計の見直しをしたのですが、しっかり貯蓄プランを立ててください。少なくとも、児童手当分は貯めていけば、学資保険と合わせて、大学費用は準備できます。老後資金は、今の段階でいくら必要とは言えませんが、何であれ、貯めていくこと、そのために家計を管理し、長く元気で働くことが、結果的に老後対策につながります。

もちろん、何でも節約では、生活そのものが無味乾燥なものになってしまいします。ときには家族で楽しむための支出もしながら、上手に貯めていくことが長続きの秘訣。ぜひ頑張ってください。

教えてくれたのは……
井戸美枝さん
 
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All Aboutマネープラン・もらえるお金ガイド。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、社会保険労務士、経済エッセイストとして幅広く活躍。社会保障審議会企業年金部会委員。マネープランや家計の見直し、家計がもらえるお金に詳しく、テレビや書籍、雑誌などでのアドバイスにも定評がある。『知らないと損をする 国からもらえるお金の本』『【図解】2015年度 介護保険の改正 早わかりガイド 』など、著書も多数。

取材・文/清水京武


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