セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBT

映画『人生は小説よりも奇なり』に見る幸せのかたち

3月は卒業シーズンですね。過去を振り返り、総決算し、未来へと向かって歩き出す…今月は、そんなイメージのコラムを3本、お届けします。イチ押しは、現在公開中の映画『人生は小説よりも奇なり』です。愛する人と一緒に暮らせなくなることのせつなさが胸に沁みつつ、一方で新たに生まれた愛に希望を見出せます。ぜひご覧いただきたい名作です。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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気づけばはや、お花見の季節(ゴトウは花粉症がひどいので、なるべく遠慮したいと思ってます)。もうすぐ春ですね(恋をしてみませんか?って言いたくなりますね)。さて、この3月は、いろんな出来事がありました。

3.11から5年が経ちました。黙祷を捧げた方も多かったと思います。懸命の捜索にもかかわらず今もまだ2561名分もの遺体が見つかっておらず、未だに仮設住宅暮らしの方も多く(そして原発事故も収束のめどが立っておらず)、決して震災は終わってはいないんだな…と。「五輪より復興を」との声が上がるのもうなずけます。

東北LGBT Weekend 2016 in GRANDECOundefined

ゲレンデにレインボーフラッグが!グランデコのLGBTイベントはあったかくて素晴らしかったです。

そんな東北の地で、小さいけれども素敵な、素晴らしくレインボーなイベントが行われました。スノーリゾートとして有名な裏磐梯の「グランデコ」で、ドラァグクィーンやGOGO BOYが出演するパーティが行われ、スキー客の方なども来て楽しく盛り上がり、昼間はゲレンデでレインボーフラッグを持ってみんな一緒に滑走したり、というイベントでした。パーティの様子を見て涙を浮かべていたおばちゃんが「あなたたちは何も悪くないわ。つらいことがあったらいつでも来てよね」と言ってくれて…。男性スタッフの方たちもみなさん、本当にあたたかくて…。18の時に「こんな保守的な街では生きていけない」と東北の実家を出た自分ですが、今になって「おかえり」と言ってもらえたような気がして…感激しました!(詳しくはこちら

それから、3月7日にアメリカンセンターJAPANで「アメリカLGBTムーブメントの今~国務省IVLP参加者・講演会」が開催され、アメリカのLGBTムーブメントの最前線を視察してきた方たち(弁護士の南さんや、虹色ダイバーシティの村木さんら)がお話しました。歴史も文化も社会も違うんだからアメリカでやってきたことをそのまま適用すればうまくいくというものでもないだろうという声も聞こえてきそうですが、いい部分、スゴいところは認めつつ、何かヒントを得られたらいいのではないかと。講師の方たちが強調していたのは、型にはまった言葉の代わりに個人のストーリーを語っていくことの大切さでした。リアルで具体的な体験や思いを言葉にして伝えていくことが、人々の心を動かす。本当にそうだなあと思いました。

3月19日には、『カムアウト 2016←→1989』という芝居を観てきました。1989年の作品の再上演なのですが、27年前(世間のほとんどの人たちが同性愛者を変態だとか異常者だと思っていた時代)に、こんなにもレズビアン/クィアに寄り添い、何も間違っていないという確固とした信念に基づいた熱い芝居を作り上げ、上演していた方たちがいたということに感動させられました。アライという言い方では足りない…何と言えばよいのか…感謝というか、畏敬の念というか、深く頭が下がる思いがしました。28日まで上演されていますので、もし行けそうな方はぜひ!

3月は卒業シーズンですね。過去を振り返り、総決算し、未来へと向かって歩き出す…今月は、そんなイメージのコラムを3本、お届けします。

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