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感情に導かれてしまう「直感」で投資をしてはいけない

あなたは何を根拠に投資をしていますか?もし、それが直感だったとしたら、直感頼みを改める必要があります。直感というのは、実は怪しいものなのです。直感がどうして作られるかを知り、正しい投資判断の方法を身につけてください。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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直感は正しいのか?

投資を始めた人がまず犯してしまう失敗は、自分の直感で相場を張ってしまうことです。直感というと、何か神秘的なあるいは霊感的な、特別な予知能力のように聞こえるかもしれませんが、実は考えないで判断することです。何となくそんな気がするとか、たぶんそうなると思うとかいうレベルで、客観的な基準なしに、独断的な推論をしてしまいます。

直感で、株価の上がるタイミングや上がる銘柄を判断している人がたくさんいます。しかし、チャートを見ていて、まだもっと上がると思ったときが、株価の天井だったりします。逆に、下げが激しくて、まだまだ下がると思わせたときが大底だったりします。

だから、直感だけで投資をしていれば、間違いなく損をするのです。運良く直感で儲かったりすると(ビギナーズラック)、その次に来る仕返しはもっと強烈なもので、半端ない損をして沈没してしまいます。直感を、自分の才能や天分だと思っている人がいますが、多くの場合にそれはうぬぼれです。ほとんどの人の直感は凡庸であり、本当は感情の影響を受けています。

直感は感情に導かれる?

直感とは、自分が潜在的に思っている方向に判断を導く力を持っています。投資をしたくて仕方ない人には、どんなデータも楽観的な兆候に見えます。小さなサインを見つけて、投資機会が出会えたと思いたいのです。損をして怖くなっている人には、どんなデータも悲観的な兆候に見えます。ネガティブな情報を捉えて、最悪の結果を想像してしまいます。

直感は、銘柄探しでも強い力を発揮します。良い銘柄だから投資したいと思うとき、人はその銘柄の欠点や弱点を無視します。本音は投資したくて仕方ないのですから、投資を正当化する事実しか探しません。本当に良い銘柄だったとしても、今の株価が割安だとは限りません。

あなたが良い銘柄だと判断するくらいなら、誰もがそう思っていて、株価はそれを完全に織り込んだ正当な評価に、すでになっていることが多いのです。

ポジティブな感情が正しい直感を導くのか?

直感は感情に導かれる。それが正しいとしたら、どんな感情を持ったら、頼りになる直感にたどり着くことができるのでしょうか?ポジティブな、あるいは良好な感情だったら、正しい直感につながるのではないかと思いがちです。

しかし、そうとは限りません。上機嫌であれば人は心配をしません。楽天的であることは、投資家にとって諸刃の剣です。将来を期待するのは良いのですが、目先のマイナス要因を直視しないところがあるからです。ポジティブな感情が正しい直感を導くとは限りませんが、だからといって、ネガティブな感情が良いわけではありません。あまりに懐疑的であれば、投資をすることすら、精神的にむずかしくなります。

結局は、適度に前向き、適度に不安というバランス良い気分を保つことが、頼りになる直感を手に入れるコツだと思われます。そして、直感だけに頼らずに、過去の記録、法則、ルールに基づいて、投資をすることが賢明です。私は、自分の投資スタイルを国際長期分散投資と決めています。直感を極力排して、歴史の法則にしたがったクールな資産運用を徹底しています。

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