腰痛

立ち仕事に効く!腰痛体質から抜け出すエクササイズ

立ち仕事のせいか、腰痛に見舞われることが増えたという人がいます。立ち仕事で疲労しやすいポイントを押さえて、腰部への負担を減らしましょう!

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

立ち仕事の人が疲れやすい部位はどこ?

立ち仕事の内容によって、酷使される身体の部位も異なります

立ち仕事の内容によって、酷使される身体の部位も異なります

立ち仕事も種類は様々。それぞれ体の使い方が異なるので、疲れやすい部位も異なってきます。しかし、そのような違いはあるとしても、立ち仕事の人に共通して表れる疲労部位があります。

それが、お尻・太もも・ふくらはぎの筋肉です。仕事中に足が痛くなり靴を脱いで脚を投げ出したくなった経験はありませんか? これもお尻や下肢の筋肉が疲労しているサインのひとつ。下肢の筋肉が疲労して身体のバランスが崩れることにより、地面と接する足部にも負担が生じやすくなるのです。こうしたことが、腰部へ影響を及ぼす可能性があり、腰痛のきっかけとなるケースもあるのです。

お尻・下肢の疲労がたまりやすい人とは?

では立ち仕事においてお尻・下肢の疲労がたまりがちなのは、どのような人でしょうか? まずは次の項目をチェックしてみましょう。当てはまる項目がある場合は、重心のズレが生じて腰部へ及ぶ可能性が高いので要注意です。

■チェックリスト

□どちらかの脚に体重をかけ続ける癖がある
□仕事の際、体を部分的に酷使する動作や姿勢がある
□仕事で履く靴のかかとがすり減ったまま履き続けている
□仕事で履く靴が足に合っていない気がする
□体が冷えやすい仕事環境である
□座って脚を休める時間や1日の睡眠時間が短い
□お風呂に浸かって体を温める習慣が無い

お尻・太もも・ふくらはぎの疲労は、腰の不調につながる

室温が低い、冷えやすいなど作業環境も腰痛に影響する場合があります

室温が低い、冷えやすいなど作業環境も腰痛に影響する場合があります

立ち姿勢や立ったまま作業をしたりといった際、腰部の安定性を保持するためにはお尻や下肢の筋肉が力を発揮できていなければなりません。足の踏ん張りを効かせる役目も担っているのです。

ところが、疲労によってお尻・下肢の筋肉に機能低下が見られ、腰部を安定させることが不十分になってしまうと、重心線がズレて姿勢のアンバランスを招くことになります。そして、姿勢バランスの不安定性をカバーするために腰部の筋肉は緊張して硬くなっていきます。

背骨や骨盤、股関節など関節の可動範囲が狭くなるといったことが続くようになり、お尻や下肢の筋肉だけではなく、腰周りの筋肉も血流の滞りがみられ痛みを感じやすくなる可能性が高まります。

疲労を持ち越さないようにエクササイズを続けましょう

お尻・下肢の筋疲労は腰部への負担にもつながるとともに、それがまたお尻や下肢の疲労をさらに解消しにくい状態にしてしまう“腰痛体質”の原因にもなります。時間をみつけて下肢の疲労を和らげ、腰痛予防をしながらお尻や下肢の疲労が解消されやすい体づくりを試みてみましょう。

※疲労部位により、エクササイズ中によろけてしまう人もいるため、壁などすぐに手をつける場所で行うことができると安心です。壁が無い場合は、転倒に注意しながら行ってください。

脚の裏側と背中のストレッチ

太もも裏側にあるハムストリングスと背中の筋肉を伸ばしましょう。

急に上半身を倒さず、腰に注意を払いながら動かしていきましょう

急に上半身を倒さず、腰に注意を払いながら動かしていきましょう

1. 両足を軽く開いて立ち、両手を膝に当てます。

 

床に手をつけるように動かしてもOKです

床に手をつけるように動かしてもOKです

2. 足の付け根から上半身を前に倒していきます。この時、息を吐きながら、ゆっくりと両手を膝から足先の方向へすべらせていきます。

 

★ポイント 
  • 脚の裏側は気持ちよく伸ばしましょう。痛みが出る手前で止めておきます。
  • 両手を足先に近づけると肩甲骨付近や背骨に沿った筋肉が伸ばされます。心地よい程度に伸ばすことができると、立ち姿勢が楽になります。

骨盤と下肢の外側ストレッチ

中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋・縫工筋といった骨盤に付着する筋肉を伸ばしていきます。

この姿勢をとると最初はふらつく人もいるため転倒しないようにご注意ください

この姿勢をとると最初はふらつく人もいるため転倒しないようにご注意ください

1. 両足を揃えて立ち、バランスを崩さないように気をつけながら、右脚を左脚の後方で交差させます。

 

真横へ傾けるというよりも少し後方を意識しましょう

真横へ傾けるというよりも少し後方を意識しましょう

2. 右脚の方向へ上半身を傾け、右骨盤・脚の付け根付近が気持ちよく伸ばされていればOKです。10秒間かけてじんわりと伸ばしましょう。

3. 反対側も同様に行います。

 

★ポイント
脚を交差させる際の足幅や上半身の角度によって、伸ばされ方が変わりますので、試しながら気持ちよく伸びる姿勢を調整してみましょう。

ふくらはぎとアキレス腱ストレッチ

上半身は少し前に倒しておくとストレッチしやすくなります

上半身は少し前に倒しておくとストレッチしやすくなります

1. 足を前後に開いて立ちます。前に出した方の足は、膝を軽く曲げて両手を添えておきます。後方の足は、膝を伸ばしカカトが上がるようにつま先立ちにします。

 

カカトは急に床につけずに、ゆっくり伸ばすよう動かしましょう

カカトは急に床につけずに、ゆっくり伸ばすよう動かしましょう

2. ゆっくりと、後方の足のカカトを床に着けます。この時、気持ちよくふくらはぎ(腓腹筋)とアキレス腱が伸びていればOKです。20秒間くらいかけながら伸ばしましょう。

 

上半身を起こした状態で膝を曲げていきましょう

上半身を起こした状態で膝を曲げていきましょう

3. 上半身を起こし、後方の膝を曲げると、腓腹筋よりも深部にあるヒラメ筋を伸ばすことができます。20秒間くらいかけながら伸ばしましょう。

4. 1~3が終わったら反対側も行います。左右それぞれ3回程度繰り返しましょう。

 

★ポイント
「2」の際、上半身の重みを前方の足へかけるようにすると、さらにストレッチしやすくなります。

【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で腰痛対策用品を見るAmazon で腰痛対策グッズを見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます