お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マネープランクリニックから考える家計防衛

100回のお金相談から見る早期リタイヤと貯蓄ゼロ対策

不定期ながら連載開始から1年あまりとなる「マネープランクリニック」、おかげさまで相談件数100件を突破いたしました!! それを記念して、多くの相談を担当したファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんに、これまでを振り返りつつ、とくに多い相談についてアドバイスをしていただきました。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

  • Comment Page Icon

マネープランクリニック相談「そこそこの生活」を望む早期リタイヤが印象的

マネープランクリニックで相談にのるファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんにコメントをもらいました

マネープランクリニックで相談にのるファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんにコメントをもらいました

不定期ながら連載開始から1年あまりとなる「マネープランクリニック」、おかげさまで相談件数100件を突破いたしました!! それを記念して、多くの相談を担当したファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんに、これまでを振り返りつつ、とくに多い相談についてアドバイスをしていただきました。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

これまでいただいた相談内容を見返していくと、世相を反映しているのがよくわかります。家計が苦しいという相談の要因として、非正規雇用や正社員であっても賃金の低いケースが少なくありませんでした。一時期待されたトリクルダウンも、実は起こっていなかったということがわかります。保育園に空きがなく、すぐに働けないという相談者の方もいて、まだまだ待機児童の問題は深刻だと感じました。

そういう中で、個人的にもっとも印象に残ったのは、早期リタイヤに関する相談の多さです(過去9件登場)。早期リタイヤというと億単位の資産があり、優雅な老後生活を送る、いわば「お金があるのでもう働かない」というイメージですが、ここで取り上げた大半は「もう働きたくないのでリタイヤする」というもの。
 
十分な貯金を持ち、早期リタイヤを望む相談も多かった

十分な貯金を持ち、早期リタイヤを望む相談も多かった


【早くリタイヤしたいという人の相談はコチラ】
早期リタイヤ・セミリタイヤしたい人のお金の悩み相談


心身が疲弊し、ストレスを抱え、転職ではなく、もうバリバリ働く気にはなれないというのが動機です。中には30代の人もいました。そして、そういう人たちの多くがリタイヤ後の生活も「そこそこでいい」と考えています。

こういう人たちがリタイヤを可能にするためのポイントは2点。ひとつは、生活のダウンサイジングです。受け取る年金額や早期退職金、手持ちの貯蓄にもよりますが、長生きリスクを考えると、どうしてもリタイヤ後の生活費は落とさなくてはいけません。中には3割、4割というケースもありました。これが実際できるかどうかです。

もうひとつは、貯蓄を取り崩す生活に順応できるかということ。早期リタイヤを考える人は、それまで人一倍、家計管理をしっかり行い、貯蓄に励んできた人たちです。今度は貯めるのではなく、手持ちのお金をひたすら使うという、これまでと180度異なる生活です。目に見えて手元資金が減る生活は不安になりすし、ストレスに感じるかもしれません。そういう生活を送れるかどうかです。
 

貯蓄ゼロで悩む人は支出と予算の根本が間違っている

「貯蓄がありません」という相談も目立っていました(過去9件登場)。2013年の「家計の金融動向に関する世論調査」(金融広報中央委員会)で、30代の2人以上の世帯の「貯蓄ゼロ」の割合が統計開始後はじめて3割を超えましたが、この数字も実態に近いのではという気がします。
 
貯金がゼロの人は収入と支出のバランスの見直しを

貯金がゼロの人は収入と支出のバランスの見直しを



【貯金がないという相談はコチラ】
貯蓄ができない、赤字家計に悩むファミリー世帯


ただし、この相談は、低所得ゆえできない人と、ある程度収入はあるのにできない人に二極化していました。ただし、どちらも基本は同じ。貯蓄分を引いて残りで生活をするということ。それができれば、貯蓄は必ずできます。

たとえば、月収が30万円あって、5万円を貯蓄するとします。そのためには、月25万円で生活費をやりくりしなくてはいけません。オーバーすれば、支出に優先順位をつけ、削れるところは削るという作業が必要です。ところが貯蓄ができない人は、この費目はいくら、この費目はいくらと個々に予算をつけて、合計でこうなるから貯蓄できないと悩んでいる。とくに、収入のある世帯に多い傾向です。貯蓄ゼロから脱するには、やりくりの根本を変えていかなくてはなりません。
 

30代独身の人が老後を心配するのは早すぎる

老後を心配する若い世代の相談者も多くいました。とくにシングルの方が多かったと思います(過去7件登場)。老後への不安はわかりますが、30代で心配というのは、時間軸がズレていると感じます。資金的に余裕があればまだいいのですが、個人年金保険等で老後に備える結果、今の生活が貯蓄ゼロでは、それこそ本末転倒です。まずは足元の生活で、しっかり貯蓄をしていくこと、そして健康に留意することが、結果的に老後対策につながるはずです。
 
何のためにお金を貯めるのか、優先順位を考えよう

何のためにお金を貯めるのか、優先順位を考えよう


【独身で老後を心配する人の相談はコチラ】
独身・シングルの方のお金悩み相談


ともあれ、複雑な事情、レアなケースの相談が多いのも、このクリニックの特徴のような気がします。しかし、それはそれで意味のあることです。お金の相談というのは親兄弟でもしにくいもの。一人で悩まず、気軽に相談をしてほしいと思っています。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

【関連記事をチェック】
2016年は家計にとって「我慢の1年」になりそう

 
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/4/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます