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暖房設備の種類と特徴/床暖房、パネルヒーターetc.

エアコンや床暖房、パネルヒーターなど、暖房設備にはさまざまな種類がありますが、選ぶ際には、それぞれの特徴を理解しておくことが大切でしょう。ここでは、新築やリフォームのプランニングを進める中で、知っておきたい暖房設備機器の種類と特徴をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

快適な暮らしを実現するためには、冷暖房・空調計画は重要なポイントのひとつ。特に暖房設備には、エアコンはもとより、床暖房やパネルヒーターなど、さまざまな種類があり、新築やリフォームの際には、どれを取り入れればいいのか、悩む場合も多いでしょう。ここでは、プランニングを進める中で、知っておきたい暖房設備機器の種類と特徴をまとめました。

主な暖房設備は、対流式と輻射式に分けられる

[ 電気式(仕上げ材一体型暖房床)  あたたか12-D]

新築やリフォームで人気の高い床暖房。均一な暖かさを実現できるのが特徴。[電気式(仕上げ材一体型暖房床) あたたか12-D] DAIKEN

一般的な暖房設備機器は、対流式と輻射式に分類することができます。対流式は、空気を直接暖めるもので、エアコンやストーブなどが挙げられます。輻射式は、人体にあたっても暖かく感じますが、同時に部屋の中の壁や天井、家具などにも吸収され、それらが再び放射されることで、室内の空気を暖めるもの。商品的には、床暖房やパネルヒーター、蓄熱式暖房機などになります。

対流式は、すぐに温度が上がり、各部屋に設置できるのがメリット。輻射式は、室内での温度差が少なく、埃が舞いにくいのが特徴でしょう。それぞれ個別の商品の機能にもよりますが、対流式はすぐに暖めたい場合、人がいるときだけ暖かくしたい、という場合に向いており、輻射式は、家に居ることが多く、長時間暖房を使用するライフスタイルに向いているといえるでしょう。

設備機器ごとの特徴やメリット・デメリット

■エアコン  暖房と冷房ができ、操作も簡単、商品バリエーションも豊富
多くの家庭に取り入れられている暖房機器と言えば、エアコン。メリットは、一般的に、暖房も冷房も可能なこと、すぐに暖まること、リモコンでの操作が簡単なこと、壁掛式や天井埋込式など、商品バリエーションが豊富なことなどが挙げられるでしょう。ただ、 暖かい風が不快に感じる場合があることや室内の温度に差が出やすい場合も。最近では、センサーによって快適性や省エネ性を高めたもの、風が気にならないようなタイプや足元を暖めるものなどもみられます。

■床暖房  床表面からの輻射熱で部屋全体を暖める
床面を加熱し、その床表面から放射される輻射熱によって部屋全体を暖める機器。床面付近の暖かさだけでなく、部屋全体の温度にムラがなく、均一な暖かさを保つことが可能。空気が乾燥したり、埃が舞うこともなく、空気が汚れる心配がないのも特徴でしょう。部屋の中に設置しないため、暖房機器の出し入れの面倒がなく、すっきりとした空間を保つことができるのも魅力です。

温水式と電気式があり、温水式床暖房はボイラーなどで沸かしたお湯を床下の温水パネル(マット)に循環させて暖房する仕組み。熱源は、ガス、石油、電気などが用いられます。電気式はヒーターを内蔵したパネルに電気を通して暖房するもの。深夜電力を利用して床下の蓄熱材に熱を蓄えるタイプもあります。

床暖房については、次の記事にまとめています。
温水式床暖房の種類と特徴/広い面積、長時間利用向き
電気式床暖房の種類と特徴/部分暖房、短時間利用向き

■温水パネルヒーター  パネルにお湯を流し部屋全体を暖める
パネルヒーターと呼ばれるものには、オイルパネルヒーターや遠赤外線パネルヒーター、電気パネルヒーターなど、家電量販店でみられる据え置き型の機器もありますが、ガスや電気、灯油などを熱源とし、設置したパネル形状の機器にお湯を流すことで部屋の空気を暖めるのが温水パネルヒーター。床下などから配管の接続をすることになるので、主に新築やリフォーム時に合わせて検討する機器でしょう。

輻射熱で部屋全体をムラなく暖めるため、床暖房と同様、空気の流れによる不快さがないこと、埃を巻き上げないこと、空気を汚さないこと、騒音もないなどが特徴。壁面に設置するので家具等の配置には、充分に配慮することが必要でしょう。

温水パネルヒーターについては、次の記事にまとめています。
輻射熱でムラなく暖める 温水パネルヒーター基礎知識

■蓄熱式暖房機  蓄熱体に溜めた熱をゆっくりと放熱

レンガなどの蓄熱体を深夜電力で温め、日中はその溜めた熱を一日かけて放熱するもの。自然放熱される輻射式と、ファンで温風を噴出す対流式がありますが、温風が出ないタイプであれば、埃も舞い上がらず、作動音もないのが特徴でしょう。

本体が大きく重いため、設置スペースの確保と床の補強が必要、細かな温度調節が難しく、間欠運転や部屋暖房はできません。室内に本体を設置するタイプが主流ですが、基礎やその下の土壌を蓄熱体として利用するケースもあります。

■FF式(強制給排気)  ガスや灯油を燃焼させて生じた熱を利用

ガスや灯油を燃やしてできた熱を室内に送るもの。室内の空気を汚さずに足元から暖めることが可能で、各部屋ごとに設置することができます。ただ、給排気するために外壁に穴を開け配管するため、床面に設置スペースの確保が必要、使わない季節にも移動ができません。商品的には、温風のタイプや輻射式などもみられます。

■薪ストーブ  暖房機能だけでなく料理を楽しむことも  
基本的なスタイルは、不燃材の床の上にストーブ本体を設置し、室内に露出した煙突を持つもの。本体の素材には、鋳鉄や鋼板などを用いたものがあり、石(ソープストーンなど)や鋳鉄にホーローびきしたもの、スチールやステンレスなどのタイプもみられます。

燃焼室の開閉状態から分けると、燃焼室を密閉するため熱が外部に逃げにくく暖房性能が高い「エアータイト型」と、燃焼室が開放されているため、炎をそのまま楽しむことができる「オープン型」があります。「エアータイト型」には、暖房方式によって輻射式と対流式に分けることも。また、暖房としてだけでなくオーブン機能を持ったタイプであれば、料理を楽しむこともできるでしょう。

薪ストーブについては、次の記事にまとめています。
暖かさだけでなく癒しの効果も 薪ストーブの基礎知識

間取りやライフスタイル、給湯システムなども考慮してプランニングを

新築やリフォームの際の暖房計画は、間取りやライフスタイルによって、検討することがポイント。空間の大きさはもちろん、暖房を作動させる時間など、日々に暮らし方をイメージして選ぶようにしましょう。快適性や運転方法、立ち上がり時間などにも注意を。また、イニシャルコストはもちろんですが、ランニングコストにも充分配慮することが大切です。

最近では、給湯システム(エコウィルやエネファーム、エコジョーズ、エコキュートなど)と組み合わせるケースもあるので、暖房機器単体だけではなく、住まいの全体の設備機器をトータルでプランニングすることも重要でしょう。


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