自動車保険のご相談の中で、「もっと早くに相談してほしかった!」と思う第1位は、等級制度に関するものです。ノンフリート等級の仕組みをマスターして、無駄なく保険を活用しましょう。

自動車保険の等級が高くなるほど、割引率は大きくなる

ドライブ

自動車保険で損をしないためにも、等級制度の仕組みを知っておこう

まずは、等級制度の基本的な仕組みをおさらいしましょう。

自動車保険の等級は1等級から20等級まであります。等級は高いほど割引率が大きく、低くなるほど割引率は小さく(割増率は大きく)なります。

初めての契約は原則6等級からのスタートです(セカンドカー割引が適用される条件を満たせば7等級から)。1年間に保険を使った事故がなければ、次の年度は1等級上がります。保険期間中に事故を起こして保険を使うと、3等級下がります(1等級ダウンするものやノーカウントになる場合もあります)。

そして、等級係数は「無事故係数」から「事故有係数」に切り替わります。3等級ダウン事故の場合は次の年度から3年間、事故有係数が適用されることになります。
等級制度の仕組み

図表1:等級制度の仕組み


無事故係数と事故有係数の割引・割増率は6等級まで同じです。しかし、7~20等級では割引率に差があります。同じ10等級でも、事故を起こして10等級になった場合は事故有係数が適用されるので、割引率は23%です。しかし、無事故で1等級上がって10等級になった場合は無事故係数が適用されるので45%割引になります(割引・割増率は損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率」参照)。

「少額請求で自動車保険を使うのは損」と言われているのは、等級ダウンと事故有係数に切り替わることによるダブルパンチを受けるためです。ハンドル操作を誤って駐車場の柱に車体をこすってしまうなど、3等級ダウンする事故を起こした場合は、損害額が確定した後で保険を使うかどうかを決めること。

損害額が10万円以下だと、受け取った保険金以上の保険料負担となることがあります。損害額が10万円以下のときは保険を請求しない、とあらかじめ決めておけば、車両保険の免責金額を「10-10万円」にすることで、「0-10万円」「5-10万円」よりも保険料を低く抑えられます。詳しくは記事「免責金額を工夫すれば、車両保険はぐっと安くなる!」参照ください。

1等級ダウンの事故

事故で保険を使うと、等級が3等級下がるのが基本です。しかし、事故によっては1等級しか下がらない「1等級ダウン事故」や、保険を使っても翌年度の等級が下がらない「ノーカウント事故」があります。

1等級ダウン事故は、車両保険と車内身の回り品特約の一方または両方の事故のみで、以下の原因による場合です。

<1等級ダウン事故の例>
  • 火災や爆発により車が破損した
  • 駐車場に停めていた車が盗まれた
  • いたずら、落書き、窓ガラスの破損などの被害にあった
  • 台風のために飛んできた看板で、車のフロントガラスが傷ついた
  • 洪水、竜巻、高潮で車が水没した
事故を起こした人の等級を3等級下げるのは、事故を起こした人は無事故の人よりも将来的に事故を起こすリスクが高いからです。しかし、1等級ダウン事故は自然災害や火災、盗難など、ドライバーが安全運転を心掛けていても避けられない不可抗力ともいえる事故。危険な運転をして自動車事故を起こした人と同じ扱いでは不公平だということで「1等級ダウン、事故有係数適用期間1年」となっています。保険を使っても影響は限定的です。

次のページは、「ノーカウント事故」について解説します。