2016年2月のオススメ展覧会・美術展

聖母子(書物の聖母)サンドロ・ボッティチェリ ミラノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館

聖母子(書物の聖母)サンドロ・ボッティチェリ ミラノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館
©Milano, Museo Poldi Pezzoli, Foto Malcangi

2016年も注目の展覧会が目白押し! 新年の慌ただしさが一段落したら、美術館・博物館に足を運んでみませんか?

◎2016年2月のオススメ展覧会・美術展-目次-
■東京都美術館(上野):ボッティチェリ展
山種美術館(恵比寿):【特別展】伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」
東京都庭園美術館(目黒):ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉 
森美術館(六本木):フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション
町田市立博物館(町田):魅惑の小宇宙!懐中時計展

ルネサンスを代表する画家の作品を一挙公開!
東京都美術館(上野):ボッティチェリ展


書斎の聖アウグスティヌスundefinedサンドロ・ボッティチェリundefinedフィレンツェ、オニサンティ聖堂undefinedArchivio Fotografico. Opificio delle Pietre Dure di Firenze

書斎の聖アウグスティヌス サンドロ・ボッティチェリ
フィレンツェ、オニサンティ聖堂
Archivio Fotografico. Opificio delle Pietre Dure di Firenze

イタリアのルネサンスを代表する画家、サンドロ・ボッティチェリ(1444/45~1510)。ウフィツィ美術館にある作品《春(プリマヴェーラ)》や《ヴィーナスの誕生》はだれもが一度が目にしたことがある有名な作品です。

その類まれなる才能ゆえ、若くして彼の立ち上げた工房はまたたく間に人気となり、メディチ家をはじめ多くのパトロンの庇護を受け、大型の祭壇画から、肖像画、神話画まで、幅広いジャンルの注文に答えました。《聖母子(書物の聖母)》もそのひとつ。金箔やラピスラズリなど効果な素材が多用されており、注文主は裕福なパトロンだと考えられています。


ラーマ家の東方三博士の礼拝undefinedサンドロ・ボッティチェリundefinedフィレンツェ、ウフィツィ美術館undefinedGabinetto Fotografico del Polo Museale Regionale della Toscana Su concessione del MiBACT. Divieto di ulteriori riproduzioni o duplicazioni con qualsiasi mezzo

ラーマ家の東方三博士の礼拝 サンドロ・ボッティチェリ
フィレンツェ、ウフィツィ美術館
Gabinetto Fotografico del Polo Museale Regionale della Toscana. Su concessione del MiBACT. Divieto di ulteriori riproduzioni o duplicazioni con qualsiasi mezzo


この展覧会は、全世界で約100点ほど残るボッティチェリの作品のうち、20点以上が並ぶ本格的な回顧展。彼の作品の多くは板に描かれ、繊細で輸送が難しく、複数の作品を一同に集める機会はほとんどありませんでした。けれども、日本とイタリアが国交を樹立して150年の節目の年、2016年を記念し、イタリア政府の全面的な協力のもとにより、今回の展覧会が実現することになったのです。

みずみずしさあふれる初期の作品から、フィレンツェに突如現れた修道士サヴォナローラの思想に傾倒し、作品にも苦悩が現れるようになった晩年の作品まで師匠のフィリッポ・リッピや、弟子でライバルでもあったフィリッピーノ・リッピの作品とともに辿っていきます。20時まで開館している金曜夜の鑑賞がオススメです。

■展覧会DATA
展覧会名称:ボッティチェリ展
会場:東京都美術館 企画展示室
会期:2016年1月16日(土)~4月3日(日)
開室時間:9:30~17:30
※金曜は20:00まで
※入室は閉室の30分前まで
休室日:月曜日、3月22日(火)
※ただし、3月21日(月・休)、28日(月)は開室
Web: http://botticelli.jp

次のページでは山種美術館(恵比寿):【特別展】伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」を紹介します。


幸せが一杯の空間がひろがる
山種美術館(恵比寿):【特別展】伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」

伊藤若冲《河豚と蛙の相撲図》18世紀(江戸時代)

            伊藤若冲《河豚と蛙の相撲図》18世紀(江戸時代)


新春の喜びや節句などの暦の節目、婚礼や誕生や長寿など人生の区切り、そして祭事など、わたしたちの暮らしには「おめでたいこと」が常にあふれています。そして日本美術においても、吉祥(おめでたいこと)は重要なテーマです。

この展覧会のテーマはおめでたいこと、すなわち「HAPPY」。伊藤若冲の七福神《布袋図》や《恵比寿図》などのユーモラスな作品から、横山大観の《心神》のように重厚感あふれる富士山まで、約70点の作品がならびます。とくに今年生誕300周年を迎える伊藤若冲の作品ははじめて展覧会に出品されるものが5点も並びます。柴田是真や、河鍋暁斎など鮮やかな色彩や、大胆な構図が魅力の幕末や明治期に活躍した画家の作品もまたみどころ。
河鍋暁斎の《浦島太郎に鶴と亀》にちなみ、亀甲形の大に、朝日とひょうたんをあしらった「ことほぎ」

河鍋暁斎の《浦島太郎に鶴と亀》の絵をもとに、亀甲形の台に、旭日とひょうたんをあしらった「ことほぎ」



ちなみに、展覧会ごとにオリジナル和菓子が供される美術館のカフェ「cafe 椿」の今回出品されるお菓子は、ことのほかハッピーなラインナップ。展覧会の帰りに、ぜひチェックしてみてください。


■展覧会DATA
展覧会名称: 【特別展】伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」
会場:山種美術館
会期:2016年1月3日(日)~3月6日(日)
※会期中展示替えあり
開館時間:10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜
Web: http://www.yamatane-museum.jp/

次のページでは東京都庭園美術館(目黒):ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉を紹介します。


アール・デコ建築の美術館で楽しむ、アール・ヌーヴォーの逸品
東京都庭園美術館(目黒):ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉 

《ひとよ茸文花瓶》 被せガラス、サリッシュール、マルケットリー・アンテルカレール、アプリカッション、石英粉挿入、手彫り 1900-1904年 北澤美術館蔵

《ひとよ茸文花瓶》 被せガラス、サリッシュール、マルケットリー・アンテルカレール、アプリカッション、石英粉挿入、手彫り 1900-1904年 北澤美術館蔵


19世紀末に全世界で大流行した装飾様式、アール・ヌーヴォー。この様式を生み出した立役者の一人が、ガラス、陶芸、木工家具のデザイナーとして活躍したエミール・ガレ(1846~1904)でした。ナンシーに留学していた官僚で、のちには画家としても活躍する高島北海と出会ったガレは、日本の文様や様式、そして日本の植物について学びます。じつは、ガレは14歳のころから採集に打ち込んでいたほどの植物好き。もともと培っていた植物の知識に、日本からの文化が加わり、幻想的な独自の世界を構築していくのです。

この展覧会は、そのガレについて「植物」の観点からたどっていくもの。自邸の庭に2500~3000種類もの植物を育て、つぶさに観察し、そのデッサンをもとに数々の作品を創りだしていったガレ。展覧会では、パリのオルセー美術館が持つガレのデザイン画、そしてデザイン画を元に形作られた北澤美術館の所蔵するガラス作品を合わせて展示。作品だけでなく、彼の発想が形になる過程もわかります。
《デザイン画「脚付杯 ひなげし」》 紙に鉛筆、水彩 1900年頃 オルセー美術館蔵 ?RMN-Grand Palais (mus?e d'Orsay) / Herv? Lewandowski / distributed by AMF

《デザイン画「脚付杯 ひなげし」》 紙に鉛筆、水彩 1900年頃 オルセー美術館蔵 ©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF


《脚付杯 ひなげし》 被せガラス、マルケットリー、手彫り、脚台熔着 1900年(1900年パリ万国博覧会出品作) 北澤美術館蔵

《脚付杯 ひなげし》 被せガラス、マルケットリー、手彫り、脚台熔着 1900年(1900年パリ万国博覧会出品作) 北澤美術館蔵

美術館の入り口で渡されるのは、ガレの妻・アンリエットが訪問者のために書いたという設定で書かれた手紙風の鑑賞の手引。この手引とともに館内を見て歩きましょう。可能な限り窓を開き自然光を取り入れる本館展示は、光を透過するガラスがより美しく見えます。 時間が許すなら、日中に訪れ、光とともに鑑賞するのがオススメです。


■展覧会DATA
展覧会名称: ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉 
会場:東京都庭園美術館
会期:2016年1月16日(土) ~4月10日(日)
開館時間:10:00~17:30
※入場は閉館の30分前まで
休館日:第2・第4水曜日(1月27日、2月10日、 2月24日、 3月9日、 3月23日)
Web: http://www.teien-art-museum.ne.jp/


次のページでは森美術館(六本木):フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーションを紹介します。


世界的建築家の日本初の回顧展
森美術館(六本木):フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション

フォスター + パートナーズ 《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》 1992-1999年 ベルリン 撮影:Rudi Meisel

フォスター + パートナーズ 《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》 1992-1999年 ベルリン 撮影:Rudi Meisel

イギリスが誇る建築家、ノーマン・フォスター。1967年に建築事務所「フォスター+パートナーズ」を設立し、香港上海銀行本店ビル(1979~1986年)で、そのでその名声を轟かせた彼は、ピクルス用の小さなきゅうり“ガーキン”の愛称もあるロンドンの《スイス・リ本社ビル》(1997~2004年)、戦争で失われてしまったドームをガラスで再生した《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》(1992~1999年)、フランスのアヴェロン地方に作られた世界で一番高い橋《ミヨー橋》(1993~2004)など、それぞれの国や都市を代表する建築物を生み出しました。

現在もアメリカに、アップル社の新社屋《アップル・キャンパス2》を建設中。敷地の70%以上を緑化し、建築物の屋根全体にソーラーパネルが設置されるというサスティナブル建築は、竣工前から大きな期待が高まっています。

フォスター+パートナーズ 《スイス・リ本社ビル(30 セント・メアリー・アックス)》 1997-2004年 ロンドン 撮影:Nigel Young, Foster + Partners

フォスター+パートナーズ 《スイス・リ本社ビル(30 セント・メアリー・アックス)》 1997-2004年 ロンドン 撮影:Nigel Young, Foster + Partners


この展覧会は、「フォスター+パートナーズ」が世界各地に作り上げた建築物のなかから約50のプロジェクトを厳選し、模型や映像、スケッチや図面など膨大な資料を通して紹介していくもの。半世紀にも及ぶ彼の活動は、どのような思想や理念に基いて生み出されたものか。そして、未来に向けてどのようなアクションを起こしていくのかが示されています。写真撮影が可能なのもうれしいところ。

とくにワクワクするのは、全長は2460メートル、高さは344メートルという東京タワーよりも高いミヨー橋の模型。深い谷の地形にすらりとした橋がそびえる姿は、建築好きのみならず、土木好き、地形好きの方も心がときめくはずです!


■展覧会DATA
展覧会名称:フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション
会場:森美術館
会期:2016年1月1日(金) ~ 2月14日 (日)
開館時間:10:00~22:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日:無休
Web: http://www.mori.art.museum/contents/foster_partners/index.html

次のページでは町田市立博物館(町田): 魅惑の小宇宙!懐中時計展を紹介します。



手のひらサイズの美と技術の結晶
町田市立博物館(町田): 魅惑の小宇宙!懐中時計展


真珠装飾付エナメル彩懐中時計undefined18世紀・スイスundefined町田市立博物 館蔵

真珠装飾付エナメル彩懐中時計 18世紀・スイス
町田市立博物館蔵


紀元前より人間は時間を正確に計測することに努力を惜しみませんでした。太陽の光や水、砂など、ありとあらゆる素材や技術を用い、人々は時計という大掛かりな装置を作りあげました。この時計が「手のひらサイズ」になるのは16世紀初頭のこと。ドイツ人の職人、ピーター・ヘンラインがぜんまいを発明、小さくて持ち運べる懐中時計が作られるようになったと言われています。

その後、時計はヨーロッパからアメリカ、そして明治以降の日本で生産されるようになりました。 ぜんまいや歯車が精密に組み合わさり、正確に時間を刻み続ける時計は、実用品でありながらも細部まで繊細な装飾が施された最高級の美術品。携帯電話が発達し腕時計を着用する人も減少している現在でも、職人は自分たちの個性を時計の中で存分に発揮し、その美しさと技術に多くの人々が魅了されています。

からくり付クォーターリピーター付懐中時計undefined19世紀・スイス 町田市立博物館蔵

からくり付クォーターリピーター付懐中時計
19世紀・スイス 町田市立博物館蔵


この展覧会は、その懐中時計をずらりと並べる展覧会。展示される懐中時計は、故米原徹夫氏が収集した18世紀から20世紀までの懐中時計104点。装飾のみならず、文字盤や針、スケルトンタイプのものは歯車までも美しい! 入場料300円とリーズナブルで、さらに写真撮影Okというのもうれしい展覧会です。


■展覧会DATA
展覧会名称: 魅惑の小宇宙!懐中時計展
会場:町田市立博物館
会期:2016年1月9日(土) ~3月6日(日)
開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜
Web: https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/museum/kikakutenji.html

以上、2月のオススメ展覧会・美術展でした。2016年もぜひ美術館へどうぞ!
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