ラーメン/東京のラーメン

「鯛ラーメン」ラーメン界の新潮流 ! 注目すべき都内3軒

常に新たな素材や製法を追い求め、新しいラーメンが生み出されていくラーメン界で、次の素材として熱い注目を集めている「鯛」。人気ラーメン店が挑むネクストブランドから、和食のベテラン料理人による渾身の一杯まで、今都内で注目すべき「鯛ラーメン」をご紹介しましょう。

執筆者:山路 力也

“鯛”を使ったラーメンが、ラーメン界の新潮流

鶏白湯、牛骨、ベジ、まぜそばなど、時代ごとに新たなブームが興り活況を呈するラーメン界。毎年多くの新店が登場しては消えて行く、戦国時代とも呼べる今のラーメンシーンにおいて、常に新しい素材や製法を追い求めていくのはラーメン店の宿命ともいえるでしょう。

そんな中、今ラーメン界で注目を集めているのが「鯛」です。正月のめでたい席での食事や日本料理など、古来より高級魚として日本人に慣れ親まれてきた鯛を大胆にもラーメンに使う。この自由な発想こそラーメンの面白さであり奥深さでもあるのです。

鯛をラーメンに使うこと自体はこれまでにもありましたが、大きなブームにはなり得ませんでした。しかし、2015年頃より鯛ラーメンを主役に据えた店が相次いでオープンして、新たなブームの兆しが見えつつあるのです。今後のトレンドになるであろう「鯛ラーメン」を提供する、注目すべき店をいくつかご紹介したいと思います。
   

「まかないきいち」日本料理の技が光る

まかないきいち(銀座)の「鯛そば」

まかないきいち(銀座)の「鯛そば」。日本料理の技法を用いた逸品。

まずご紹介するのは、銀座で食通たちに愛される日本料理店「まかないきいち(き=七が三つ、喜の略字体)」の「鯛そば」。日本料理店でラーメンというのも珍しいですが、店主の千葉憲二さんは長年和食の世界で腕を鳴らしてきたベテラン料理人であると同時に、人気ラーメン店「ちばき屋」の店主でもある人物。和食という枠にとらわれず、美味しいものならジャンルにこだわらず提供したいというのがこの店のコンセプト。であるならば、締めにラーメンが出て来るのはここでは当然のことなのです。

和食の技法を駆使して取ったスープは、見た目同様に味も澄明ですっきりとした味わい。鯛の旨味が凝縮されていて、飲み進めるほどに身体に旨味が染み渡っていきます。時間が経つにつれて少しずつ熱が入っていく鯛の身が、ぜいたくにもチャーシューの代わり。まるで日本料理の椀物のような気高さを持ちつつも、ラーメンとしての存在感もしっかり保っているのは、さすが和食もラーメンも知り尽くしている千葉さんならではだ。ただし、こちらはあくまでも日本料理店なので、お酒と料理を楽しんだ締めとしてラーメンを注文して下さいね。
 
まかないきいち(銀座)

まかないきいち(銀座)

<DATA>
■まかないきいち
住所:東京都中央区銀座8-6-19 銀座渡辺ビル 5F
TEL:03-6255-6388
営業時間:17:00~翌2:00/土17:00~22:00
定休日:日祝
アクセス:JR線・東京メトロ線「新橋駅」より徒歩約3分、東京メトロ線「銀座駅」より徒歩約7分
ホームページ:http://www.makanai-kiichi.com/
地図:Yahoo!地図情報
 

「鯛塩そば灯花」和の世界観があふれる

鯛塩そば灯花(曙橋)の「鯛塩そば(半熟味玉)」

鯛塩そば灯花(曙橋)の「鯛塩そば(半熟味玉)」880円。繊細な味わいに唸る一杯。

続いては2015年4月、曙橋にオープンした「鯛塩そば灯花」の「鯛塩そば」。こちらは人気店「塩つけ麺灯花」が手掛けるセカンドブランド店。本店は「塩つけ麺」専門を謳っていますが、こちらはズバリ「鯛塩そば」を店名にも掲げてアピール。和をイメージした清楚な作りのお店には、店主の川瀬裕也さんはじめスタッフ皆が髪を短く刈って、和の装いでキビキビと動いています。

宇和島産の新鮮な鯛を寸胴に惜しげもなく投入して取ったスープは、見た目とは裏腹に力強い鯛の旨味にあふれています。玄界灘の天然塩のまろやかな旨味との相乗効果で、レンゲを持つ手を止めさせません。さらに残ったスープで味わいたいのが「鯛茶漬け」(昼夜各15食限定)。鯛めしの上には胡麻ダレで和えた鯛の切り身。まずはそのまま食べて、最後に鯛塩そばのスープを注ぐとさらに贅沢な味わいに変化します。まるで日本料理店で出される一品のような存在感に驚くことでしょう。
 
鯛塩そば灯花(曙橋)

鯛塩そば灯花(曙橋)

<DATA>
■鯛塩そば 灯花
住所:東京都新宿区舟町12-13
TEL:03-3354-3303
営業時間:11:00~15:00,17:00~24:00
定休日:なし
アクセス:都営地下鉄線「曙橋駅」より徒歩約3分、東京メトロ線「四谷三丁目駅」より徒歩約5分
地図:Yahoo!地図情報
 

「真鯛らーめん麺魚」築地の経験を生かす

真鯛らーめん麺魚(錦糸町)の「真鯛らーめん」

真鯛らーめん麺魚(錦糸町)の「真鯛らーめん」800円。上品さと力強さを併せ持つ。

最後にご紹介するのは、錦糸町に2016年オープンしたばかりの注目店「真鯛らーめん 麺魚」です。店主の橋本友則さんは、いくつも人気ラーメン店を立ち上げてきたラーメン職人ですが、元は和食の世界で修業を重ね、築地の仲買で鮮魚も扱っていた経験もある人。これまでのキャリアを生かした集大成として「真鯛らーめん」の専門店を立ち上げました。外壁一面に描かれた大きな鯛の絵や、店内のいたるところに鯛のモチーフが置かれ、暖簾や丼にも可愛らしい鯛のイラストが描かれています。

橋本さん自ら毎朝築地に足を運んで仕入れた宇和島産真鯛のみで取ったスープには、タレを使わずに天然塩だけで味付けをします。こうすることで鯛本来の旨味を余す事なく味わうことが出来るのですね。表面には鯛の身などからとった鯛油を浮かべ、スープの底には香ばしく炙った鯛のほぐし身が入り、さらにスープに鯛の旨味を与えています。桜チップで軽く燻した低温調理のチャーシューの香りもいいアクセントに。鯛ラーメンの新たな可能性を感じさせる一杯です。
 
真鯛らーめん麺魚(錦糸町)

真鯛らーめん麺魚(錦糸町)

<DATA>
■真鯛らーめん麺魚
住所:東京都墨田区江東橋2-5-3
営業時間:11:00~スープ切れ終了
定休日:不定休
アクセス:JR線・東京メトロ線「錦糸町駅」より徒歩約5分
地図:Yahoo!地図情報

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