大雪で屋根が壊れた! 火災保険は使えるのか

火災保険の詐欺に注意!

火災保険の詐欺に注意!

近年、火災保険を利用して住まいを0円でリフォームする、火災保険で住宅を無料で修理するなどと謳ったトラブルや詐欺が相次いでいます。このところ増加する自然災害などに伴う損害も関係しているようですが、特に高齢者のトラブルが増えています。

ここ数年急増する住宅のリフォームや修理に関わるトラブルや詐欺と火災保険の関係についてお話しします。

「火災保険を使った住宅修理」にまつわる詐欺が急増

独立行政法人国民生活センターによると、保険金が使えるという住宅修理サービスのトラブルに関する相談件数が近年急増しています。2010年度115件だった相談件数は2013年度に707件と、6倍を超える数になっています。

【関連統計】
独立行政法人国民生活センター 「保険金が使える」という住宅修理サービスのトラブルにご注意ください!
日本損害保険協会 住宅の修理に関するトラブルにご注意

それにしてもかなりの急増ぶりですが、近年は自然災害が増えており、それにともなって住宅の修理費用の負担が発生していることも関係があるようです。

火災保険は火災だけでなく雪害なども補償する

この手の業者がもちかける話の一つに「火災保険は火災以外でも保険金を受け取れることがある」というものがありますが、確かにその通りではあります。

「火災」保険とはいうものの、風災・雹(ひょう)災・雪災、落雷などはたいていの火災保険で補償されます。補償をつけていれば水災、地震保険を付帯していれば地震災害も対象になります。

【参考】大雪でマイホームに被害! 火災保険はおりる?

火災保険金を代理で請求する、という業者も

台風などで住宅に損害があれば、火災保険で請求できる(正確には可能性がある)ります。このとき、「こちらで保険金請求を代行するので、その保険金で住宅の修理が無料でできる」などと謳う業者も数多く存在します。

基本的に、保険金の請求は契約者や被保険者が行うものです。仮に台風で住宅に損害があっても、よっぽど甚大で致命的な損傷がなければ、保険金を請求する人は少ないでしょう。また住宅の損害の中には、ある程度の知識がないと外見からでは分かりにくいものもあるため、保険金の請求漏れにつながる可能性もあります。

このあたりのことを業者は突いてくるわけです。実際に請求できるケースがあるのは事実ですし、詐欺とは関係なく、実際にこの手の修理をビジネスにしている業者もいるようです。

火災保険は損害を元に戻すために支払われる

業者のチラシや勧誘で気をつけたいのが「火災保険でリフォーム」などいう謳い文句です。はっきり言っておきますが、火災保険でリフォームはできません。火災保険で補償されるのは、あくまで損害を受けてそれを原状回復するケースです。リフォームと修理とはまったく異なるものです。

修理=損害を受けた住宅などを元の状態に戻す
リフォーム=改築や改装。既存のものの質を上げる

「修理であれば問題ないのか」という疑問も挙がるかもしれません。「無料で住宅の修理ができる」などと謳ってはいるものの、火災保険の支払い対象であればもともと無料です。

あえて難しい部分があるとすれば、たとえば「風災による損害であることは間違いないけれど、いつの損害か分からない」というもの。また、修理といっても火災保険で対応するのは自然災害や事故(火災など)に起因して損害が発生したものが対象です。

単純な劣化であれば火災保険の支払いの対象外です。無料で修理と言われて契約したとしても、全額が火災保険の支払い対象でなければ、残りは自己負担することになります。損害の原因が自然災害で間違いなければ、損害保険会社、保険代理店などの力を借りて、火災保険の請求をしてください。

【参考】急な豪雨で雨漏りしたら保険金は出る?

火災保険の請求は誰がするべき?

火災保険の詐欺に遭わないためには?

火災保険の詐欺に遭わないためには

「あなたに変わって保険会社に保険金の請求をしてあげましょう」
「保険金の請求書類を書くのって難しいですよね」
「こちらにまかせれば無料で住宅の修理ができますよ」

業者はこのようにいろいろ言ってくるわけですが、前述のとおり、そもそも保険金の請求は契約者や被保険者がするもの。他人が行うものではありません。

しかも実は、保険金の請求書類を書くにはそんなに難しいものではありません。繰り返しになりますが、火災保険の支払い事由に該当すれば、そもそも修理代は保険金でカバーされるので無料なのは当たり前です(免責金額の設定などがある場合は自費の負担があります)。

【参考】免責金額を設定して火災保険料を安くする方法

火災保険が出るかどうかは、プロの鑑定人が判定する

「保険会社とうまく交渉して請求する」なんて話もそもそもありません。劣化による損害は保険金の支払い対象外と言いましたが、損害確認が必要な場合は、損害保険鑑定人と呼ばれる人が現場にやってきます。

彼らはプロですから損害箇所を見れば、例えば強風による損害か、単純な劣化によるものなのかはわかるのです。損害の原因についても、「6カ月前にあった台風で壊れたことにする」など事実に基づかないことをすると、詐欺に加担することにもなりかねません。注意してください。

火災保険の詐欺やトラブルに巻き込まれないためには

まずは安易にリフォームや修理における契約をしないことです。契約させられそうになったら「家族と相談してからでないと契約できない」と言っていったん断ってください。あるいは知り合いにも業者がいるので相談してみてもいいでしょう。急いで契約せず、間を空けてください。

実際に損害が発生しているなら、保険金の請求を行うわけですから、損害保険会社あるいは契約している保険代理店などにも早めに相談しましょう。本当に保険金の請求が必要なら、まともな保険代理店であればすぐに動いてくれるはずです。

集中豪雨や台風、大雪、地震など、自然災害が最近多発しています。こうした災害があった直後、被災地域に勧誘にくるケースもありますから注意が必要です。特に被災した場合、じっくり考えている気持ちの余裕がないことも。こんなトラブルもありうるということを、ぜひ日頃から認識しておいてください。

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