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桐谷広人さんにガイドが突撃取材!悠々自適な優待生活

自転車に乗って猛ダッシュする、癒し系の株主優待名人と言えば桐谷さん!ガイド山口はこの1年、桐谷さんと一番多くのセミナーをご一緒させていただいたファイナンシャルプランナーだそうです。桐谷さんの魅力を独り占めするのはもったいないので、今回は桐谷さんのテレビでは紹介されない裏話&魅力をたっぷりお伝えします。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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桐谷広人さんってこんな人!

桐谷広人さんとゆるきゃら「とうしくん」

桐谷広人さんとゆるきゃら「とうしくん」

桐谷さんのことを、テレビで見たことがあるけどよく知らない人のために最初にご紹介します。株主優待名人の桐谷広人さんは66歳。将棋のプロ棋士で、マツコ・デラックスさんの「月曜から夜更かし」に出演し大ブレイクしました。

ママチャリに乗って競輪選手並みのスピードで爆走する姿と、ほんわかした癒し系のしゃべりのギャップ。そして、株主優待があるので現金をほとんど使わない生活スタイルが大ウケしたのです。

私も昨年、日本証券業協会主催の「投資の日」のイベントでお目にかかるまでは、いくら癒し系といはいえ、将棋のプロ棋士だし、個人投資家のレベルを超えた日本一の株主優待王、いったいどんな方かとドキドキしていたら……。

とってもフレンドリー!そして、日本証券業協会のゆるキャラ「とうしくん」と並んでもどっちがゆるキャラかわからないくらい、癒やしのオーラが出ておりました。

投資の日に桐谷広人さんにインタビューしました!

東海東京証券のセミナー前に本社にて


本当に優待だけで暮らせる?

桐谷さんの株の保有銘柄は、およそ700銘柄、日経平均225銘柄の3倍以上です。そのうち500銘柄が「株主優待銘柄」ですから、ほぼ毎日株主優待が届きます。「その全てを使いきること」が株主優待族のお作法らしく、缶ジュースもペットボトルの飲み物も出かけるときは持参。冷凍して優待でもらった保冷袋にいれれば、数時間立てば飲み頃になります。たくさん届くので飲みきれず、ちょっと賞味期限が過ぎてしまうこともありますが、気にしません。

桐谷さんの保有する優待銘柄は?

優待の期限が昨日までだったとわかって落ち込むこともあるとか!


講演会が地方である時も、主催者の手配するホテルではなく、わざわざご自身の株主優待を使ってホテルに泊まったりなさいます。本当は億万長者なのに、その生活ぶりは節約主婦にも匹敵するくらい、いえそれ以上に堅実です。

そして、「お金」を本当に使いません。毎月、控室でお目にかかる度に、桐谷さんのレシートを見せていただいてブログにアップしていたのですが、まずお財布が……長財布でもないし1年前はボロボロ、いえ、いい使用感が出ておりました。今は、株主優待でもらった新品のお財布に変わっております。

レシートは、株主優待で行ったコロワイド系の居酒屋さんや、コンビニの0円レシートがいつもいっぱい入っています。クオカードだけでも、200枚くらいありますので、コンビニやファミレス、本屋さんなどでお金をつかうことはありません。優待でカタログギフトをもらうこともあるので、おいしいお肉やカニも買いません。

カンニング竹山さんに、優待でもらったカニを贈ったこともあります。余談ですが、そのカンニング竹山さんの、「銭ナール」という深夜番組に出るきっかけを作ったのは、株アイドルの深田萌絵さん。昔、萌絵さんに優待ではなく、めずらしく自腹で(それも配当金だったと思われます)かに道楽でカニをごちそうしたことがあって、その御縁で萌絵さんが深夜番組にでるきっかけを作って下さったと、桐谷さんはブレイクした今も御恩を忘れていません。

全国どこででも、ちゃんと株主優待を使えるように、いつも行く先にどんな優待が使えるお店があるか調べてプリントアウト!お店が探せない時に迷っていると、テレビを見ているファンの方に見つけられて「桐谷さんですよね?」と声をかけられ「はい、“おらが蕎麦”はどこですか?」なんて聞いているようです。

ファンは桐谷さんのココがスキ!

東海東京証券主催のセミナーで桐谷さんとコンビを組み全国で、投資のお話をさせていただきました。普通、投資のセミナーというと長年株の取引をしている高齢者が多いのですが、なんと若い女性が多いこと!

桐谷さんが登場するなり、盛大な拍手と、歓声、笑いが沸き起こります。ジャニーズとも、氷川きよしとも、韓流スターとも違うこの桐谷さんのどこに魅力を感じているのか、いくつかの会場で一人ひとりにマイクを向けさせていただきました。

女性から大人気の桐谷広人さん

女性から大人気の桐谷広人さん



ガイド山口:いいんですか?桐谷さんのお部屋、物があふれてるんですよ?
お客様:いいです(笑)。すべてがスキ!

ガイド山口:いいんですか?若くありませんよ
お客様:存在自体がいやされます

ガイド山口:他にはどこが好きですか?
お客様:お人柄
お客様:やさしいところ
お客様:投資のスタイルがスキ


ガイド山口:桐谷さん、アイドルのファンの集いかと思っちゃいますね。みなさんメロメロですよ。ご自身で人気の秘訣は何だと思いますか?

桐谷広人さん:これでも、棋士の時も弱い割には人気があったんですよ(笑)それと、長いこと忘れてましたけど1991年頃の話、もちろん日記を見れば、何日か書いてありますけど、萩本欽一さんが、棋士の研究会に来てくれて芸能界の話をしてくれたことがあるんです。影で支えてくれた人を大事にするなんていい人だな~と思って、話を聞いていたら急に「はい、あなたのお母さんは?」って一人一人に聞くんです。

ガイド山口:欽ちゃんが、急に棋士のみなさんに、何の脈絡もなく「あなたのお母さんは?」って聞くんですか?

桐谷さん:はい。突然ですから、みんな「えっ?」って黙るんですけど、私だけ「あなたのお母さんは?」「田舎で元気にしています」って答えたら、「それだ!!パッと反応するのが大事だ」と言うんですね。

ガイド山口:ブレイクするずっと前ですよね。桐谷さんの才能を最初に見つけた芸能人は、萩本欽一さんだったんですね。

桐谷さん:そうですね。欽ちゃんに言われた通り、テレビに出た時はパッと反応する様にしてます。それでカンニング竹山さんの番組にでた時に「スギちゃんの次にブレイクするのは桐谷さんだ」と言ってもらいましたよ。その後、竹山さんの番組が視聴率でダブルスコアで負けてる番組があったので、「裏番組は何だ?」って竹山さんがVTR見たら私が自転車乗って走ってたって(笑)。

なんと2億円も儲けていた桐谷さん

桐谷さんもその昔、株はギャンブルだと思っていたそうですが、証券会社の人に将棋を教えに行っていたご縁で、何かお付き合いで買わなきゃと思って株を始めたそうです。最初に買った株主優待銘柄は「日活」。当時は日活の優待券が使えるところが、あまりなく、わざわざ交通費をかけて遠くに行くのは……と思って、やっぱり自転車で行っていたそうです。

桐谷さん:お金が使えないんですね。昔、貧乏していたので(笑)。

ガイド山口:物も大事になさいますよね。ペットボトルの飲みかけのお水とか、お弁当の調味料とか置いて行かないですもんね(笑)。

桐谷さん:ええ、だってあれ私が持ち帰らなかったら、捨てちゃうでしょ。

ガイド山口:捨てますよ。でも、株を買う時だけは大胆にお金を使いますよね。最近は買っていらっしゃるんですか?

桐谷さん:毎日買っていますよ。でも、インターネットバンキングの振り込みの上限が100万円だったから、あんまり買えなかったんですよ。

ガイド山口
:桐谷さんは株の個別銘柄だけですか?投資信託は?

桐谷さん:持っていますよ。今は、直販のバランス型ファンドとかね。

ガイド山口
:分散投資ですね。昔から分散投資なさってたんですか?

桐谷さん:バブルの頃は6000万円くらい投信持ってましたね。証券会社のおつきあいでね、転換社債500万、投信600万とかセットでひと月1000万円くらい買って、銀行で1時間位待って何百万円も振り込んでました。常に札束を持ってね。当時はATM振り込みも、インターネットバンキングもないからね。

ガイド山口:ひと月、1000万円ですか!株もたくさん持っていらっしゃったんですよね。

桐谷さん:バブルの頃は、たくさん銘柄を持っちゃダメだと言われてたけど、私は分散して100銘柄くらいかな、かなり持ってましたね。1億5000万円から2億円弱まで行って。バブルが弾けて株が1億くらいになりましたね。

ガイド山口:ケタが違いますね。

桐谷さん:1989年の12月29日に日経均が3万8915円をつけて、年明けからどんどん下がって野村総研が20回以上大底宣言出してましたから、1990年9月28日が金曜日で、投げ売ったんですね。9ヶ月で半値の2万円になりましたよ。ところが、10月2日が当時史上最大の上昇率。暴騰したので投げ売っちゃいけないなと思ったわけです。FAXで注文出してましたよ。

ガイド山口
:桐谷さん、いつも思うんですが、株価とか、何年何月何日に、どこで誰と会ったとか、すごい記憶力ですよね。

桐谷さん:記憶力はよかったですね。父親がね、出張に行く度にゲームを買ってくれるんですよ。コピットゲーム(帽子取りゲーム)とかダイヤモンドゲームとか、近所の友だちとやってて脳が鍛えられたんですよ。世界史の暗記はよかったですよ。棋士は数字に強い人が多いですね。

リーマン・ショックと桐谷さんの婚活!

ガイド山口:細かい字でびっしり書かれた株の売買ノートも、記憶を助けていますよね。

桐谷さん:ええ、金銭帳もつけていたんですけど、最近は忙しくてね。高校生の頃から日記もつけているんですよ。ほら。

ガイド山口:日記もびっしりですね~。読み返すことありますか?

桐谷さん:ありますね。リーマン・ショックの時は悲惨な気持ちで書いてましたよ。これじゃ、嫁さんを養えないと思った。

ガイド山口
:桐谷さん!リーマン・ショックの時に結婚願望があったんですね!

桐谷さん:この歳だから、結婚してくれる人がいたら、楽させてあげたいし100万円くらい「はいっ」て渡せたのに。

ガイド山口:100万円のおこづかい!すごい~。でも、その時は大損していたんですよね。

桐谷さん
:証券会社からお金を借りて株をやれば、もっともうかると思ったんですが、どんどん下がってお金がなくなって、株主優待のお米を食べて生活していたら、父親が私が棋士の時にしていた仕送りと、年金で貯めたお金を貸してくれましてね。信用取引の穴埋めに3000万円くらい使いましたよ。

ガイド山口:切ない・・・。嫁どころじゃないわ。その前はどれくらいもうかってたんですか?

桐谷さん:サブプライムの前は、時価総額が3億円くらい。

ガイド山口:またまたケタ違いな!急降下。

桐谷さん:2012年に、カンニング竹山さんの銭ナールという番組で「株で1億くらい取り戻して結婚したい」って言ったら、深田萌絵さんに「桐谷さん時間がないよ。62歳でしょ、10年経ったら72歳だよ!」って言われたんですが、10年かかると思ってたけど、10年経たずにそれ以上取り戻せちゃった。

ガイド山口:ゼロから再スタートして、1億円以上ですか。さすが、勝負師。

おすすめ!農業型投資法

昨年10月に 66歳のお誕生日を迎えた桐谷さん。  東海東京証券の 岡崎のセミナーで 200名のお客様に ハッピーバースデーを歌って祝ってもらいました

昨年10月に 66歳のお誕生日を迎えた桐谷さん。 東海東京証券の 岡崎のセミナーで 200名のお客様に ハッピーバースデーを歌って祝ってもらいました

桐谷さん:もうけたいってずっと思ってましたけど、お金がない時も、優待で助けられましたから。今は、信用取引で大きくもうける猛獣狩りをやめて、株の種をまいて優待と配当を収穫する農業型ですから、安心ですよ。

ガイド山口:いつもセミナーでは、農業型の株主優待生活のことをみなさんにおすすめしてますね。

桐谷さん
:猛獣狩りに行って、もうかるときはいいんですけど、ときどき猛獣にやられて大ケガしちゃうことがありますからね。

ガイド山口
:農業型でたくさん種をまいておけば、どれか株価が下がっても配当があるし、株主優待がもらえるから、初心者でも始めやすいですね。

桐谷さん:そうですね。今は株価が上がりましたけど、優待利回りと、配当利回りで4%を超える銘柄なら、銀行の定期預金よりいいですから。

ガイド山口:銀行の1年定期の金利は、0.025%ですからね。100倍以上ですね。株がどれくらいあれば優待と配当だけで暮らせますか?

桐谷さん
:だいたい3000万円くらいと言われています。

ガイド山口
:ハードル高いです……。

桐谷さん
:でも、少しでも食事券なんかがある優待銘柄を持っていたらね、みんなにもごちそうしてあげられますからね。お金を出しておごってあげるのは、おごる方もごちそうされる方も気を使うけど、「株主優待だから」って言えば、お互い気を使わなくていいでしょ。

ガイド山口
:桐谷さんのお気に入り銘柄が、「コロワイド」ですからね。よく優待券を使って「優待デート」なさっているんですか?

桐谷さん:していませんよ。優待族のみなさんと、優待券を持って居酒屋に集まってね、お釣りが出ないから、もう一品頼んで差額の現金を少なくするには何を頼むか、差額を捨てるか、みんなで考えんながら飲んでますよ。

ガイド山口:名古屋の甘太郎で、スタッフと一緒にごちそうして頂いた時も、タッチパネルで今いくらか、ビール飲みながら確認なさってましたもんね。

桐谷さん
:そうですよ。あそこは便利ですね。

若すぎる桐谷さん


本当にお優しい、桐谷さん。東海道本線の普通列車の中で みんなにサインとツーショット写真を撮ったこともあります

本当にお優しい、桐谷さん。東海道本線の普通列車の中で みんなにサインとツーショット写真を撮ったこともあります


ガイド山口:甘太郎でさんざんビールを飲んだあとに「あ、新幹線の終電に間に合わない!」って桐谷さん、すごい勢いで階段を1段飛ばしで駆け上がって、私達が地上に出たらもう姿が見えませんでしたよね。

桐谷さん
:はい、ちょうど信号が点滅していたから、走りましたよ。レジャックから新幹線ホームまで5分位あれば乗れるんじゃないでしょうか?

ガイド山口:ムリ、ムリ(笑)。15分はかかります。すごい体力ですよね。まだまだ、ハードなロケも行けそうですね!

桐谷さん
:テレビに出るのはね、安いしね、ディレクターはいばるしね。断ってたんですよ。でも、みなさんに喜んでいただいてますし、リーマンショックで死にそうになった時の話が、テレビで受けてこんな風になるなんてね。今はよかったと思ってます。塞翁が馬ですね。

ガイド山口:2016年も、ますますお元気で、証券界とお茶の間をわかせて下さい!

桐谷さん:はい、がんばりますよ。

★桐田さんとガイド山口が年末に「大納会」!インタビューは後編に続きます!

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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