皮膚・爪・髪の病気

巻き爪の正しい切り方・予防法・巻き爪におすすめの爪切り【画像解説あり】

【画像解説あり】【形成外科医が解説】爪の角が足指に食い込み、痛みを伴う「巻き爪」。皆さんは正しい爪の切り方をご存知ですか? 巻き爪は切り方で痛みが悪化することがあるため、日々のケアが大切です。病院で教える爪切りの選び方や巻き爪の予防法について解説します。

野田 真喜

執筆者:野田 真喜

皮膚外科医 / 皮膚外科ガイド

巻き爪の切り方は? 巻き爪の痛みは爪の切り方で悪化も

足の爪を切る女性

みなさんは正しい爪の切り方を知っていますか?

「爪の角を切ってはいけないと思っていましたが、ついに痛くて切りました。その後どんどん痛みが強くなり、我慢できずに病院にきました……」。形成外科には、多くの方が足をかばう様にして診察室に入り、こんなエピソードを話されます。形成外科医である私自身も足ゆびに爪が食い込み、痛くて歩けなくなった経験があるので、爪を切ってしまう気持ちがよくわかります。

しかし、正しい爪の切り方が広く伝われば、爪が原因で悩まれる方が少なくなると日々感じています。予防ができるところは、ぜひとも予防したいものです。大切なポイントはいくつかありますが、今回は病院で伝える「正しい爪の切り方」をご紹介します。

<目次>  

巻き爪改善におすすめの爪切りは「クリッパー型」ではなく「ニッパー型爪切り」

巻き爪の人に適した爪切り

巻き爪の方はニッパー型の爪切りを使用してみてください(左:クリッパー型、右:ニッパー型)

「爪切り」は、爪を切れればなんでも良いというわけではありません。最もよく見かけるのは、テコの原理を応用した「クリッパー型」と呼ばれるタイプの爪切りです。上下から爪を挟んで切る仕組みですが、よく見てみると爪に接する面は直線になっています。

実は、正常な爪はゆびに沿って横方向にゆるやかにカーブしていますが、正常なカーブであればクリッパー型を用いても問題ありません。しかし、陥入爪(爪が周囲の皮膚に食い込んだ状態)の中でも巻き爪になってしまうと、その横方向のカーブが強くクルクルと巻いた爪になっており、爪自体も分厚くなっていることが多いため、クリッパー型を使用するのは困難でしょう。

また、爪の端まで切ったと思っていても、爪棘といって、切り残しが棘の様に残り、皮膚に食い込んでいることもあります。「爪が巻き過ぎてうまく切れません」とおっしゃる方は、このクリッパー型の爪切りを使っていることがほとんどです。

巻き爪でお困りの方は、ぜひ「ニッパー型」の爪切りを選んでください。ニッパー型の爪切りは値段が高いものが多いですが、研ぎ直して大切に長く使うこともできます。クリッパー型爪切りは比較的安価な分、通常研ぎ直しはできませんので数年に一度は買い替えをおすすめしています。
 

巻き爪の切り方は? 正しい爪の形・切り方とヤスリのかけ方【画像あり】

正しい爪の切り方

正しい爪の切り方

■正しい爪の切り方
足の親ゆびの爪を切るポイントは、先端は直線状に切り、角は深く切らず軽く丸める程度に整えること。ネイル用語で言うところの「スクエアオフ」と言う切り方が理想です。短すぎても長すぎてもよくありません。ニッパー型爪切りで爪を切り、角は爪ヤスリを使っても良いと思います。

■爪を傷めないヤスリのかけ方
爪やすりをかける場合は、左右にゴシゴシとかけるのではなく、一方向にかけてください。右ならずっと右方向に10回という具合です。二枚爪、割れ爪などの原因になります。

■爪を切るタイミングとポイント
爪を切るタイミングはお風呂上がりの柔らかくなったときが最適です。硬く乾燥した爪は、思わぬ割れ爪やヒビが入る原因となります。

また、1つの爪をパチン!と1回で切ろうと頑張らないでください。カーブに沿って4、5回程にわけてゆっくりと切っていきます。

痛くても深爪(特に爪の角を切りすぎること)はしないでください。なんとかしたいと思ったら、まずは形成外科、外科、整形外科、皮膚科などに相談しましょう。爪の角を切ると一時的に痛みがなくなることもありますが、爪が伸びた時にさらに巻き込み、痛みも巻き爪の程度も悪化するという悪循環を引き起こします。
 

足の爪を切る頻度は1ヶ月に1度で十分。切りすぎに注意!

一般的に、足の爪は手の半分のスピードでゆっくり伸び、おおよそ1日に0.05mm、1ヶ月で1.5mmと言われています。足の爪を切る頻度は、3週間~1ヶ月に1度で十分です。もちろん個人差があり、年齢、季節、さらにはどの指かによっても違いますが、こまめに切りすぎるのは良くありません。綺麗好きの方ほど、爪と皮膚の間を奥深くまで掃除してしまい、逆に触りすぎて悪化してしまう場合もあります。

■写真提供
神楽坂 肌と爪のクリニック

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