企業経営のノウハウ

税理士に無料相談できる、電話相談センターの使い方

個人事業主にとって、日々の記帳は時間も取られるだけでなく、仕分けや勘定科目をどうやって処理すればいいのか、迷う場面も数多くあります。そんなとき、国税庁が行っている電話の無料相談サービスを使ってみましょう。

渋田 貴正

執筆者:渋田 貴正

企業経営のサポートガイド

記帳で迷ったら、国税庁の無料電話相談センターへ

税理士の無料相談

仕分けや勘定科目に迷ったら無料電話サービスを使ってみよう

最近では、会計ソフトも便利になってきて、領収証などをスキャンすれば自動で仕訳してくれるものもあります。でも、「これって固定資産になるのかな?」「この支払は消費税がかかってくるのかな?」なんてことは、会計ソフトではなく、自分で判断する場面も多くあります。顧問税理士をつけていないフリーランスの方はこうした判断もどうすればよいか分からないことも多いでしょうし、できれば本業以外に時間をかけたくない、というのが本音でしょう。

こうしたときに強い味方となってくれるのが、「国税局 電話相談室(以下、「電話相談センター」)」です。電話相談センターとは、税金に関する一般的な質問に対して答えてくれる国税局による電話サービスのことです。

「税金を納付したかどうか」「申告書や届出書を提出したかどうか」といった確認は、管轄する税務署に直接確認する必要がありますが、一つひとつの経理処理についてまでは、さすがに税務署で対応しきれません。

そこで、設置されているのが、「電話相談センター」です。管轄の税務署に電話をかけると、最初に「税務署に直接つなぐか、電話相談センターに転送するか」を選択するよう自動音声が流れますので、一般的な質問については「電話相談センター」を選択しましょう。

「電話相談センター」は税務署の中にあるわけではなく、所得税や消費税など各税金ごとに担当者が常駐するコールセンターをイメージするとよいでしょう。担当者は委託された外部の税理士が対応しており、質問は匿名で行えますので、税務署相手と思って気兼ねする必要はありません。

「電話相談センター」を利用するにあたってのポイント


質問の際は、内容を紙に書きだしたり、国税庁のホームページで確認したりして、質問内容を自分なりにまとめたうえで行いましょう。内容があいまいなまま電話しても、担当者も答えづらいためです。

また、質問内容によっては、答えを得られない場合もあります。請求書などの現物を見ないと判断できないケースや、法律関係が複雑な場合で、回答するのが税金の範疇を超えているケースなどです。こうした場合は、あまり食いつかず、おとなしく引き下がったほうがよいでしょう。「無料」相談なのですから、多くを望んではいけません。

そして、何より気に留めておいて頂きたいのは「最終的に行った処理については自己責任」ということです。「電話相談センター」は電話で聞いた情報から回答してくれますが、それは「そのように処理しなさい」といった指導ではありません。顧問税理士がいなければ、最終的にどう処理するかは、税金の申告者である個人事業主自身の判断です。

記帳指導も活用しよう

「記帳の仕方がそもそも分からない」「簿記なんてさっぱり」といった場合は、税務署の記帳指導も受けられます。記帳指導には、個別形式と集合形式の2パターンがあって、どちらも無料で受けることができます。

個別形式は、基本的にパソコンを持っていない個人事業主を対象に、オフィスやご自宅で記帳の仕方を指導するものです。とはいっても、さすがに会計ソフトを使用せずに記帳することは、忙しい個人事業主にとっては至難の業です。おのずと利用するのは、会計ソフトの利用を前提に行われる集合形式になるでしょう。

受付自体は、管轄税務署で随時行っていますが、実施される時期は決まっています。個別形式も集合形式も税理士やその他民間企業の力を借りて行っているため、随時実施というわけにはいかないのです。

確定申告直前にバタバタしないよう早めに記帳を


年中は忙しくて、翌年の1月や2月(もしかしたら3月?)になってから、急に確定申告の準備をする個人事業主の方も多いのではないでしょうか。この時期は電話相談センターも非常に込み合って、つながりにくくなります。

できれば毎月、難しければ3か月ごとなど期間を決めて、年中に少しずつでも記帳を行っておいて、年明けは余裕をもって確定申告できるようにしたいですね。確定申告の時期でなければ、電話相談センターもつながりやすいですよ。
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