個人事業主には「小規模企業共済」と「中小企業倒産防止共済」

平成27年分確定申告前の対策とは

平成27年分確定申告前の対策とは

個人事業主には、やはり「小規模企業共済」と「中小企業倒産防止共済」の加入をお勧めします(両方とも国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています)。

小規模企業共済とは、掛金を払い込んだ分だけ節税することができ、払い込んだ掛金は事業を廃止したときなどに退職金として受け取ることができる、個人事業主や小規模企業の役員のための退職金制度です。

小規模企業共済については、「掛金の払い込み時」と「共済金の受け取り時」のダブルの節税効果があります。まず「掛金の払い込み時」について、払い込んだ掛金は全額が所得控除の対象となります。

掛金は月額1,000円から7万円の範囲で自由に設定でき、最高年間84万円の所得控除が受けられます。仮に所得税率40%の人の場合は84万円×40%=33.6万円の節税効果が得られます。

次に「共済金の受け取り時」について、共済金を一括で受け取る場合には退職所得扱いに、分割で受け取る場合には公的年金等の雑所得扱いとなり、受け取るときも退職所得控除などのメリットがあります。

これから加入を検討される場合、年払いすることによって、平成27年分の所得税の計算において、最高84万円の所得控除を増やすことができます。

次に中小企業倒産防止共済ですが、取引先事業者が倒産し、売掛債権等が回収困難になった場合に、共済金の範囲内で貸付を受けられる共済制度が本来趣旨です。しかし、毎月支払う掛金は全額必要経費となり、掛金を40か月以上支払うと解約返戻金が100%で戻ってきますので、節税対策として利用できます(ただし、解約した場合は収益計上します)。掛金は5,000円から20万円の範囲で自由に設定でき、掛金総額800万円になるまで積み立てられます。

これから加入を検討される場合、こちらも年払いすることによって、平成27年分の事業所得の計算上、最高240万円の必要経費を計上することができます。

両方ともに、加入要件がありますので必ずご確認ください。また、新規で加入する場合は、一般的に12月15日ごろが締切となります。詳しくは、代理店となっている金融機関や税理士事務所などにお問い合わせ願います。

平成28年分の消費税の届け出

消費税の届け出は、基本、課税期間が始まる前までに提出しなければなりません。そのため、平成28年1月1日から、課税事業者になりたい又はやめたい、簡易課税を選択したい又はやめたい等の場合、12月末までに所轄の税務署に届出書を提出しなければなりません。特に課税事業者を選択した場合や簡易課税を選択した場合には、基本2年継続適用が条件ですので、慎重にシミュレーションを行ってください。

公社債等の売却は年内であれば非課税

平成28年1月1日以後、特定公社債、公募公社債投資信託等(「特定公社債等」)の利子や売却などによる所得が申告分離課税(20.315%)に改正されます。含み益がある公社債や外貨建てMMFなどは年内に売却すれば非課税ですので、ご検討ください。

非上場株式等に係る税制改正の内容

平成28年1月1日以後、株式等に係る譲渡所得等について、上場株式等に係る譲渡所得等と非上場会社株式等(一般株式等)に係る譲渡所得等に区分し、別々の分離課税制度に改正されます。つまり、上場株式等に係る譲渡損益と非上場株式等に係る譲渡損益については、平成28年以降は損益通算することができなくなります。

年内の譲渡損益については、損益通算が可能ですのでご検討ください。

暦年贈与の非課税枠110万円を使い切る

贈与税の基礎控除は、受贈者ごとに年間110万円あります。つまり、年間110万円までの贈与であれば、親族間いかんを問わず、申告不要・無税で贈与することできます。
よく贈与者ごとに110万円と勘違いされている方もいるようですが、例えば、平成27年中に息子が父から110万円と祖父から110万円の計220万円の贈与を受けた場合、息子は贈与税申告書を提出し、(220万円-110万円)×10%=11万円納税する必要がありますので、ご注意ください。

その他

NISAにおける年間100万円までの投資について、譲渡益や配当に係る税金が5年間非課税となりますが、こちらも暦年で管理されますので、使い残しのある方はご検討ください。

また、ふるさと納税についても、暦年単位で、更に平成27年4月1日以後の寄附については、5自治体までであれば確定申告不要と利用しやすくなっています。詳しくは、「寄付金控除を使って税金を減らす(ふるさと納税)」をご参照ください。


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