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体幹トレーニング基本の4メニュー!簡単にできる筋肉の鍛え方

【アスレティックトレーナーが解説】体幹トレーニングは、アスリートやモデルさんも行うため、「キツそう」なイメージが強いかもしれません。しかし体幹トレーニングの基本とコツを学べば意外と簡単で、様々な運動効果が期待できます。自宅で簡単に行える4つの簡単なトレーニングエクササイズをご紹介します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

体幹トレーニングとは……お腹周りを安定させる筋力トレーニング

体幹を鍛えるには筋肉の強化が大事

体幹を鍛えるには筋肉の強化が大事


そもそも体幹とはどの部分を指しているのでしょうか?人によって「体幹」の定義に違いはあるものの、人間の四肢と頭をのぞいた胴体部分で、骨盤、背骨、肋骨(胸郭)、肩甲骨と、その周囲を形成する腹腔を含む表層、深層の筋肉群をさしていると考えられています。

体幹の上部は肋骨や胸椎、肩甲骨といった骨に囲まれているため安定性は高いのですが、体幹の下部であるお腹周辺は腰椎のみであるため、左右前後の動きに対して非常に不安定であり、ここをしっかりと安定させるための筋力トレーニングが体幹トレーニングと呼ばれるものです。

<目次>  

体幹トレーニングのメリット……肩こり・腰痛・便秘の悩みにも

体幹を鍛えるとさまざまなトレーニング効果が得られます。一般的によく言われているのが姿勢の改善です。人間の脊椎には生理的わん曲(S字カーブ)が存在しますが、こうしたカーブは普段の生活習慣によって変化してしまうことがあります。たとえばパソコンやスマホなどをのぞき込む動作は猫背の姿勢をつくり出しますし、これが頸椎に影響を及ぼすとストレートネックと呼ばれるカーブのないまっすぐな頸椎になり、肩こりや腰痛などの要因ともなります。

体幹部分の筋肉を鍛えることは腰椎を安定させて姿勢を改善するとともに、体幹部分を囲む骨を正しい位置に維持しておくことにつながります。こうしたことから肩こりや腰痛を改善するためにも体幹トレーニングを行うことがあります。

特に女性は男性に比べて筋肉量そのものが少ないため、お腹周辺をしっかり支える土台づくりとしても、体幹トレーニングを有効的に活用したいものです。骨盤周辺部の筋肉が衰えてくると、姿勢そのものに影響するだけではなく、便秘や生理痛、尿トラブルといった症状や、骨の位置が変化することによって起こるO脚など、さまざまなことが考えられます。体幹を鍛えることはこうしたことを予防するためにも役立ちます。
 

体幹年齢のセルフチェック法

体幹の強さを測る指標としては、バランス能力をチェックするための閉眼片足立ちテストがよく用いられます。眼を閉じた状態で片足を上げ、何秒間その姿勢を保持できるかを計測します。国立長寿医療研究センターによる推定年代別の数値は以下のとおりです。
 
片足立ち

目を閉じた状態で何秒静止できますか?

  • 70秒以上…体幹年齢20代
  • 55~69秒…体幹年齢30代
  • 40~54秒…体幹年齢40代
  • 20~39秒…体幹年齢50代
  • 10~19秒…体幹年齢60代
  • 5~9秒…体幹年齢70代
  • 4秒未満…体幹年齢80代

実年齢よりも短い時間となってしまった人は、体幹の弱さによってバランス能力が落ちている可能性がありますので、これを機に体幹トレーニングにチャレンジしてみませんか。
 

体幹トレーニングの基本メニュー4選

では実際のトレーニングエクササイズをご紹介します。体幹トレーニングは自分の体が寝ころがれるだけのスペースさえあれば、いつでもどこでも始められます。また大きな動きを伴うものではないので、筋肉に過度な負荷がかかることは少なく、大きな外力による筋肉痛や関節を痛める心配も少ないところが初心者にとってもうれしいところです。

【ドローイン】
体幹トレーニングの基本と呼ばれるドローインは、お腹から息をゆっくり吐くことで腹横筋という筋肉を働かせ、腹圧を高めるトレーニングです。
 
ドローイン

手を押しつけるようにゆっくり息を吐く

  1. 両手を背中の下にもぐらせて膝を立て、仰向けになった状態になります。
  2. 大きく息を吸いながら、腹部をふくらませます。
  3. 次に大きく息を吐きながら両手を腰で押さえつけるようにします。
  4. 凹ませた状態を10秒間キープし、ゆっくりと元に戻ります。これを3セット行います。

骨盤がポコッと出っ張ったところから内側下3cmほどのところに軽く指を添えておくと、ドローインの動作にあわせて腹横筋の動きを感じることができます。

【サイドベンド】
体幹の側方部にある腰椎と骨盤をつなぐ腰方形筋を中心としたトレーニングです。
 
サイドベンド

体がくの字に曲がらないように注意しよう

  1. 膝を伸ばして仰向けになり、右側のかかとを少し浮かせます(1~2cm程度)。
  2. かかとの高さを変えず右足をゆっくり広げて横に移動させます。左肩が浮かないように注意し、右腰の筋肉を意識して行いましょう。
  3. 5秒かけて大きく広げ、5秒かけて元に戻ります。これを10回繰り返して行い、左側も同様に行います。

かかとの位置を浮かせたままキープして行うことがポイントです。体の軸がぶれないように意識しましょう。

【ヒップツイスト】
腹部の筋肉を使って足を振り子のように左右に動かすトレーニングです。慣れるまでは振り幅は少し狭めて行うと行いやすいでしょう。
 
ヒップツイスト

腰が浮かないように注意して行おう

  1. 手を横に広げた状態で仰向けになり、両足を90°に持ち上げます
  2. 足をゆっくり横に倒します。足を倒した側と反対側の肩が浮かないように注意します。
  3. 横に倒した足を元の位置までゆっくりと戻します。このときに腹部の筋肉を意識して行うようにしましょう。
  4. 今度は逆サイドに足を倒し、また元の位置に戻ります。これを10回程度繰り返します。

反動をつけずに腹部の筋肉を意識して行うようにしましょう。

【ダイアゴナルクロス】
背中側の筋肉を鍛えるとともに腹筋を意識させて体幹を固定するトレーニングです。
 
ダイアゴナルクロス

きつい時は片足キープでもOK

  1. 肩の真下に手がくるようにして四つんばいの姿勢をとります
  2. 右手と左足、左手と右足というように対角線(ダイアゴナル)上の腕と足を伸ばし、骨盤を安定させたまま10秒間キープし、元の姿勢に戻ります
  3. これを交互に繰り返し3セット行います。

手と足を同時に上げてふらついてしまう場合は、足のみを交互に上げることでもOKです。


体幹トレーニングはスペースさえあればいつでも始められる手軽さが魅力の一つです。続けて行うことで姿勢改善をはじめとするさまざまな運動効果が期待できます。じわっと効いてくる体幹トレーニングをぜひ体験してみてください。

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