子供のしつけ/子供の上手な叱り方・NGな叱り方

「叱らない子育て」とは……育児のコツを押さえて正しい子育てを

「叱らない子育て」とはどのような育児方法なのでしょうか。叱らない子育てを間違って解釈すると、かえって子どもに悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。「叱らない子育て」において重要なポイントを押さえ、正しい子育て方法を学びましょう。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

「叱らない子育て」とは……叱れない親を作るのか?

正しい叱らない子育てにはバランスが必要

正しい叱らない子育てにはバランスが必要


叱らない親について、あなたはどう思われますか?

今、「叱らない子育て」が育児の流れとして存在します。そして、「叱れない親」が増えていることも問題になってきています。ここでいう「叱れない親」というのは、
  • 公園で自分の子が他の子を叩いても見逃す
  • スーパーで商品を食べてしまっているのに注意しない
  • レストランで子供たちが大騒ぎしているのに何も言わない
など、子供の行動をそのまま容認してしまうケースを指します。

これを読むと、今の流れである「叱らない子育て」がそもそも良くないから、「叱れない親」が増えているのではと思うかもしれません。しかし、実際はそうではなく、「叱らない子育て」が間違って捉えられてしまったことで、「叱れない親」が増えてしまっているのです。

では、「叱らない子育て」の正しいバージョンと間違ったバージョンの差はどこにあるのでしょうか?
   

正しい「叱らない子育て」で活用するものとは?

親は、子供の行動を正したいときに叱ります。つまり、子供の行動の方向性を変えるのが叱ることの一番の目的です。
  • 叩く→叩かない 
  • 片づけない→片づける 
  • テレビを見る→テレビを消す
のように、多くは、子供の行動と親の願望が逆方向を向いているので、大きな方向転換を要します。

では、子供の行動を変えるのに一番効果的な方法は何だと思いますか? 厳しく叱ることでしょうか? 怒鳴ることでしょうか? 叩くことでしょうか? どれも違います。一番効果があるのは、ほめることです。たしかに、厳しく叱ったり、怒鳴ったり、叩いたりすれば、無理やりでもその行動を制止することはできます。が、次が続きません。無理やり止めさせたのでは、子供は改心できないからです。

今の心理研究で分かってきているのは、子供の行動を改善するには、ほめのパワーが必要で、叱るだけでは力不足だということが分かってきています。それゆえ、「叱らない子育て」なのです。「叱る」というと、なんとなくパワフルな印象がありますが、子供の行動改善をする力としては「ほめ」ほど強くありません。
 

正しい「叱らない子育て」は、子供を絶対にほったらかさない

一般的には、子供たちが騒ぐと親がびしっと注意します。でも、叱らない子育てでは、親が行動を起こすのは、問題が起こってからではありません。子供が騒いだから注意するのではなく、その前のきちんと着席している段階でまずほめるのです。「みんな、すっかりお兄ちゃん、お姉ちゃんになって、きちんと座ってお食事ができるのね」と。自分のことを一人前として認めてもらえると、人はその枠からはみ出ないようにしようという心理が働きやすくなるので、結果的に叱らなくて済むことが増えていきます。

子供の行動を正しい方向へと導くために「ほめ」を使う、これは普段からしっかりと子供のことを見ていなければできないことです。だから、正しい「叱らない子育て」を実践している方は、子供を決して野放しにすることはありません。子供のことをきちんと見ているからこそ、叱らずに済むのです。

目の前の問題行動を見逃すタイプの「叱らない子育て」とほめの力で動かすタイプの「叱らない子育て」、言葉は同じでも、中身は雲泥の差なのです!
 

叱らない子育ては、きちんと学んでから実践を

叱らない子育てをそのまま言葉通りに取ってしまい、子供が悪いことをしても注意しなかったり、やりたい放題にさせてしまうと、育児はどんどん大変になっていきます。なぜなら、子供は親から学ぶべきことを学べていないので、限界を知らないまま大きくなってしまうからです。かといって、いつも怒鳴ってばかりでは、子供は改心してくれず、ママはいつまでも怒鳴り続けなければなりません。大事なのはバランスです。注意すべきポイントは毅然と注意するけれど、できている部分もしっかりとほめる、という平衡感覚が非常に大事なのです。

これは自分の身に置き換えると実感できます。もしミスや失敗の連続なのに、だれも注意してくれなければ、「ま、いいか」という気になってしまいます。逆に四六時中、「仕事をしろ」「ちゃんと母親らしいことをやれ」と文句ばかり言われても参ってしまい、やる気も自信もなくなります。でも、注意されつつも、別の場面のできている部分で、「お、いい仕事しているな」「いいママしているじゃない」とほめられたら、「よしもっと頑張ろう」となるものです。

「叱らない子育て」は、育児書や講座などできちんと学んでから実践しないと、後々後悔することになります。なぜなら、ほぼ間違いなく数年後には手に負えない状態がやってくるからです。間違った「叱らない子育て」は、結局、自分に跳ね返ってきてしまいます。やるのなら「正しい叱らない子育て」を取り入れましょう。そのゴールは、叱れない親ではなく、叱らなくて済む親です!

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