早期リタイアとは?完全リタイアなのかセミリタイアなのか

好評連載『マネープランクリニック』の相談で近年急に増えているのが「早期リタイアしたい」という希望です。

リタイアを直訳すれば「現役を退くこと(スポーツなどの途中棄権は除く)」になりますが、一般的な場合は仕事を辞めるときを指すことになるでしょう。

早期リタイヤしたい人がおさえておきたいお金のこと

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会社員であれば定年退職となる60歳時、自営業者の場合は年齢で区切るのは難しく、廃業や次世代に事業を引き継ぐ時と言えるでしょう。あるいは公的年金を受け取れる年齢と考える人がいるかもしれません。ただ、この記事においては60歳をリタイアの時期と定めさせていただきます。

早期リタイアは読んで字の如く「60歳」未満で仕事を辞めることになりますが、ポイントは自主的に仕事(会社)を辞めることです。会社都合で60歳前に辞めるのはリタイアではなく「リストラ」になります。

60歳未満で自主的に仕事を辞めることが早期リタイアですが、アーリーリタイアには2つの考え方があることを忘れてはなりません。「完全リタイア」と「セミリタイア」です。

完全リタイアでは、その時点以降は一切仕事をせずに保有している金融資産、一定の年齢を迎えたら受給できる公的年金だけで生活していくスタイルです。一方、セミリタイアは、仕事を辞めた後もアルバイトやパートなどで週に数日間働いて勤労所得を得るスタイルになります。

たとえば50歳で早期リタイアを行おうと考えた場合、完全リタイアとセミリタイアでは、月々の生活費が同金額であったとしても、準備する金額は大幅に異なるのです。このため早期リタイアを考えている人は、完全リタイアなのかセミリタイアなのかをハッキリさせることはかなり重要に要因となります。

収入の有無で大きく変わる

完全リタイアとセミリタイアで準備する金額の違いを見てみましょう。

50歳で早期リタイアを考えているとしましょう。50歳の人が公的年金を受け取ることができるのは65歳からです。65歳以前に受け取る繰り上げ受給という考え方もありますが、繰り上げ受給をした場合、減額された年金額が一生涯続くことになるのでお勧めすることはできません。ちなみに、1ヵ月繰り上げ受給をする毎に受け取ることができる年金額は0.5%減額されることになります。

50歳から64歳までの15年間、セミリタイアで毎月5万円、年間60万円稼いだとすれば900万円、毎月7万円、年間84万円稼いだとしたら1260万円も収入を得られる、言い換えればそれだけ準備するお金が少なくて済むのです。45歳の早期リタイアであれば、20年間ですから毎月5万円だと1200万円、同7万円だと1680万円も準備するお金に差が出てくるのです。

大した金額ではないと思われる人がいるかもしれませんが、準備するという側面に照らし合わせて見てください。30歳で早期リタイアを思い浮かべた場合、45歳で完全リタイアするケースでは15年間の間に大まかに言えば1500万円、年間100万円もセミリタイアよりも貯蓄額を多くしなければならないのです。リタイアするまでの準備する負担も考えたうえで、完全リタイアかセミリタイア、あるいは早期リタイアする年齢を想定するべきなのです。

早期リタイアの資金、3000万円で足りる?

早期リタイアではない、通常のリタイアメントプランの場合、定年退職時(60歳)に3000万円前後のお金が少なくとも必要などとよく言われますが、早期リタイアのケースでは60歳時に3000万円と言うのは心もとないと言わざるを得ません。

なぜなら、早期リタイアしてしまうとその後の年金は「厚生年金」から「国民年金」に変わるため、定年退職時まで働いたケースと比較すると、65歳以後に受給できる公的年金額に大きな違いが発生するからです。

現役時代の収入や加入期間により受給できる公的年金の額が異なるため一概に言うことはできませんが、仮に平均寿命プラス5年長生きした85歳(男性)の場合、受け取る年金額総額は数百万円から1000万円以上も異なるケースがありえないことではありません。早期リタイアの場合、60歳時点で定年退職のケースよりも公的年金の少ない分を上乗せした金額を少なくとも確保しておく必要があるということになります。

★次回は早期リタイア前とリタイア後の家計管理のポイントの違いについて見ていきます

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