01:餌の与え方

水槽をセットして、魚も無事に導入。これから状態良く魚を維持し綺麗な水槽を楽しむためには、毎日の餌やり以外にも、定期的な水換えや器具類の点検などの日常の管理が大切になります。最初のうちは、なかなかコツが掴めないかも知れませんが、何故それらの管理が必要なのかを理解して、行為を習慣化してしまえば、ごく短時間で簡単にできてしまうことばかりです。

これらの日常管理を疎かにすると、水の色が黄ばんだり、ガラス面が藻類(コケ)だらけになってしまい観賞価値が下がってしまいます。当然、定期的な水換えを怠れば、日々水質は悪化する一方なので、やがて魚の調子も悪くなってしまうことでしょう。

最低限行わなければならない日常の管理を項目ごとに解説していきますので、楽しいアクアライフを過ごす参考にして下さい。

実践編——、まずは餌について考えてみましょう。


熱帯魚を飼育する上で、『毎日の餌やりが楽しみ!』という方も少なくないのでは。実際、自分のお気に入りの魚たちが、我先に餌を食べる姿を見ているのは楽しいものです。しかも、魚たちがその環境に慣れてくると、餌を与えなくても水槽の前に立つだけで、餌をクレクレ寄ってくるのでなおさら可愛く感じるものです。

その結果、特にビギナーの頃は、つい日に何度も餌を与えてしまうといったミスを起こしがちです。また家族の各々が、それぞれ給餌してしまい、挙句の果て魚がブクブクの体型になってしまうなんてことも。それだけで済めばまだ良いのですが、食べ残しが水に溶け、白濁したり、水質悪化から病気が多発し、魚が死んでしまうことも考えられます。
 

特に水槽セットして1~2ヶ月の間は、汚れを分解するバクテリアが十分に繁殖していないため、必要以上の給餌は水質悪化の引き金となります。別途、バクテリアに関しては詳しく解説しますが、バクテリアの活動が安定し、水が落ち着くまでの期間は餌を与え過ぎないように心掛けてください。

では、どの位の量を? どの位の間隔で? 何時? 与えれば良いのでしょう。

飼育目的、魚種や餌の種類に拠っても与える量は変わってくるので、一元的にどの位与えるべきだとはっきり言えませんが、通常2、3分以内に食べ尽くす量を1~2回与えます。日に1度であれば、照明点灯後暫くしてから、もしくは日中に。2度であれば、朝夕与えます。自分のライフサイクルに合わせて、できるだけ規則正しく与えてください。

照明を落とす直前は、これから魚も就眠し食べた餌が消化されないので、消灯2時間前までには餌を与え終わって下さい。照明点灯直後も、まだ魚が活性していないので避けましょう。

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餌を与え過ぎてしまうことの弊害には、体型の崩れ(脂肪過多)や短命になってしまったり、食べ残しや排泄物(糞)が多くなることから水質の悪化が早まることが考えられ、ビギナーが魚を殺してしまう最も大きな要因の1つです。

最もベストなのが、魚の腹部の様子を観察し、気持ちふっくらする程度の量が適量です。毎日観察していれば、自ずと適量が把握できるようになると思いますので、常に魚を観察する習慣を身につけて下さい。

Note!
餌やりは、1~2回/日。2、3分以内に食べ尽くす量を!
必要以上の給餌は、魚にとっても水質にも悪影響なだけ。


餌の種類 人工飼料

熱帯魚の餌には、大別して人工飼料と生き餌、冷凍飼料、フリーズドライ飼料にがあります。では、それぞれの代表的な餌について、解説していくことにしましょう。

とは言っても、コミュニティータンクで飼育される熱帯魚の場合、人工飼料のみで飼育できる種類が大半です。経済性に優れ、手間がかからず衛生的な、利便性の高い餌になります。逆に、人工飼料を口にしないような種類は、初心者にとって飼育が難しい種類であることが多いとも言えるでしょう。


フレークフード

フレークフード最も一般的な餌で、多くの熱帯魚がこれのみで飼育することが可能です。数色からなる薄いフレーク状の餌で、ゆっくり沈むため多くの魚に餌が回りやすく、残り餌が出にくいことが特徴です。
 

生き餌と比べると嗜好性ではやや劣りますが、中・小型魚の多くが口にするためオールマイティーに使用でき重宝します。一部、現地からの採集魚などでは、慣れるまで口にしないこともあります。

各メーカーより、それぞれ商品化されていますので、お好みのものをどうぞ。

顆粒状フード

顆粒状フードネオンテトラなどの小型魚が主体の水槽であれば、顆粒状の餌も選択肢の1つに挙げられます。製品によって顆粒の大きさに違いがあるため、飼育魚の口のサイズに合わせて大きさを選択します。こちらも、各メーカから多数製品化されています。
 

クランブル状フード

クランブル状飼料また、少々大きな形状のもので、一度発泡成形した後に粉砕したクランブル状飼料というものがあり、ディスカスフードなどが代表的です。高タンパクのため魚の成長率も高く、色揚げ効果が見込める製品などもあります。ディスカスに限らず中型魚に。細かく砕いて小型魚に。また繁殖を視野にいれた飼育のメインフードにも成り得ます。
 

ペレット状フード

主に中・大型魚に与えるものに、ペレット状の人工飼料があります。魚のサイズに併せた大ぶりな形状で、肉食魚用に開発された嗜好性の高いものから、植物質を豊富に含んだ補助的なものまで幾つかのタイプが販売されています。中型以上のコイ科の仲間や、アロワナ、大型のナマズの仲間などに与えます。
 

タブレットフード

タブレットフードコリドラスやプレコなどの底棲魚のために、素早く沈むタブレット状の飼料もあります。通常の餌だと底まで回らない場合に、重宝します。他の混泳魚が直ぐに餌を食べてしまい、底にいるコリドラスなどに餌が回らない時や、底棲魚がメインの水槽などで使用します。
 



餌の種類 活餌

人工飼料との相違点は、生きた魚などを直接餌として利用することです。人工飼料に餌付き難い種類であったり、肉食魚を飼育する際に用いられます。また、繁殖時の栄養補給、病気療養後の体力回復を目的に与えることもあります。

主だったものでは、金魚やメダカ、ドジョウなどの魚類、小型のエビ、ザリガニなどの甲殻類、ミルワーム、コオロギといった昆虫類は中大型魚や肉食魚の餌に。ミジンコやイトミミズ、赤虫などは小型魚といった具合に、様々な生物が餌用として流通しています。


赤虫、イトミミズ

赤虫 金魚の飼育では古くから用いられており、熱帯魚の餌としても歴史の古いものです。しかし、近年では開発の影響から採取量が激減しており、流通量が可也少ないのが現状です。繁殖や金魚に力をいれるショップで入手が可能ですが、一般のお店では取り扱っていないことが大半です。

動きがあり、魚の食欲を刺激する赤い色彩から、どんな魚にも嗜好性は抜群です。殆どの魚が口にする万能の餌になり、病気療養後の体力回復、幼魚の成長促進などの目的で与えられます。

入手が比較的困難なことと、保存性が低い、不衛生であることから、一般には敬遠されがちです。本格的に繁殖に取り組んでいる方や、難解魚を飼育する場合を除いて、無くても特に構わないものです。

▲赤虫
イトミミズ
▲イトミミズ

ミジンコ

ミジンコ金魚の稚魚育成のための重要な初期飼料として古くから用いられており、池沼に生息するタマミジンコなどの微小な甲殻類の仲間。実際には、複数種のミジンコが含まれており、販売時には他のワムシなどの動物性プランクトンが混じっていることが大半です。本格的に繁殖に取り組む場合以外は、一般に必要ありません。もし、手に入るのであれば、赤系の色揚げ効果が見込めますので、おやつ程度に与えてみるのも良いでしょう。
 

金魚、メダカ

金魚 中・大型魚、肉食魚のメインフードとして、入手の容易さ、安価なことから、『餌金』の呼称で広く普及しています。金魚の養殖場で選別から洩れた魚(言葉が悪いが商品価値の低い魚)が、熱帯魚の餌用として流通していることが背景に挙げられます。小型の肉食魚や肉食魚の幼魚には、メダカを。

餌用の金魚は、小赤、姉赤といった具合にサイズ別に販売されているので、飼育魚の口の大きさに併せて適当なサイズを選択すると良いでしょう。

▲金魚(小赤)
メダカ
▲メダカ

一説に拠ると、金魚にはビタミン破壊酵素『サイアミナーゼ』が多量に含まれるため、単食は望ましくないとされますが詳細は不明です。とは言え、どんな餌であっても単食は栄養価のバランス面で望ましくないため、他の餌用生物や各種人工飼料との併用が望ましいと言えます。また、肉食魚であっても植物性の栄養分は必要なため、投与前に植物性の人工飼料を食べさせるなどして、二次的に植物質を摂取できるように工夫すればベストです。

入手は容易で、大概の専門店で販売されています。

昆虫類

コオロギ

アジアアロワナの人気上昇に伴ない、同魚が自然下では落下昆虫を主食にしていることから、近年人気の高い餌です。高たんぱくで栄養価が高いため、多くの肉食魚や雑食性の中大型魚の飼料として用いられています。

代表的なものに、コオロギ、ミルワーム、ショウジョウバエなどがいます。

餌金などと比較してやや入手は難しいものの、大型魚を取り扱うショップなどで取り扱われることが多いです。

▲コオロギ
▲ミルワーム

 

その他の餌生物

その他にも、エビ、アカヒレやゼブラダニオの幼魚なども肉食魚の餌として流通しています。



餌の種類 冷凍、フリーズドライ

冷凍飼料

冷凍赤虫文字通り、冷凍された状態で販売されており、赤虫やミジンコを冷凍したものが一般的です。生き餌に比べ、若干嗜好性は劣るものの、それでも多くの熱帯魚が好んで食べる高栄養価の餌になります。人工飼料に餌付かない魚や、成長促進の目的で与えます。

生き餌と比較して保存性は高いのですが、冷凍状態でも鮮度は徐々に劣化していきます。これは人工飼料にも当てはまることですが、餌に含まれる脂肪分が酸化したものは魚にとって有害となります。養殖の世界では、製造後3ヶ月以内に使い切ることが常識ですが、熱帯魚用として販売される飼料の大半には製造年月日が記載されていません。人工、冷凍飼料問わず、回転率の高いお店で購入し、出来るだけ早く使い切るようにしましょう。

お店での在庫期間が長く、冷凍焼けしているようなものは論外です。

フリーズドライ飼料

クリル餌用生物を凍結乾燥させたもので、栄養分、風味が損なわれず高い嗜好性を示します。人工飼料に餌付かない魚でも口にしやすく、それらを飼育する際は重宝します。イトミミズ、赤虫、ミジンコや、オキアミをフリーズドライしたクリルなどが製品化されています。
 

前者は小中型魚に。後者は、中大型魚に直接、または細かく砕いて小型魚に与えます。



保存場所・その他の注意点

どこに保存するの?

ついつい、フィルターや蛍光灯の上に餌の容器を置きがちですが、熱や湿気、直射日光は、餌を保存する上で大敵です。餌の成分を変性させ、劣化をはやめるので、それらの場所はできるだけ避け冷暗所での保存を心掛けましょう。乾燥剤のシリカゲルなどが市販されていますので、開封後、容器の中にいれておくと効果的です。

回転率の高い店で、3ヶ月以内に使い切る量を!

購入時の注意点は、新しいものを購入することです。お店での在庫期間が長いものは、例え未開封であっても栄養価が劣化していますので、入荷後時間の経っていないもの、回転率の高いお店での購入を意識してください。また、割安感があっても容量の多いパッケージを購入するのではなく、3ヶ月前後で消費できる分量がパッケージされるものを購入しましょう。これは、人工飼料、冷凍飼料など種類を問わず共通です。

次回は、水換えの方法について、順を追って解説する予定です!

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。