ビッグになりたいのに何もしない男子の矛盾

DVD鑑賞する男子

「大きなことばかり言って、全然働かない」――そんな彼氏の深層心理とは?

「いつかビッグになってやる!」と広言するものの、一向に行動を起こさず、ゴロゴロしてばかりいる彼氏。「いまのオレは“仮の姿”なの!」といいながら、まったく“本当の姿”を見せてくれない息子。そんな男の言い訳を聞くたびに、じれったくてイライラしてしまう女性も多いことでしょう。

「大きな夢を語る前に、目の前のことをコツコツこなしたら?」と言いたくなってしまうかもしれませんが、そもそもなぜ、“ビッグマウス”に行動が伴わない男性の矛盾は、あちこちで見られるのでしょう? 今回は、ユング心理学の元型「永遠の少年」をもとに、大人になりきれない男ゴコロの謎を紐解いてみたいと思います。

永遠の少年が「正義のヒーロー」に憧れるわけ

「永遠の少年」とは、無意識の中に存在する未発達で夢見がちな少年の心を表す元型です。たとえば、戦闘アニメを見て「オレも正義のために闘うカッコいい大人になりたい!」と願う男は、永遠の少年の元型に刺激されていると考えられます。

大きな夢を持ち、肯定的な自己イメージを膨らませることはとても良いことです。しかし、空想ばかりが膨らんで、実際の行動が伴わないのは問題です。このように、空想の世界に埋没し、現実世界から後退していくのが、永遠の青年の典型的な行動パターンなのです。

永遠の少年たちは、現実的で地道な仕事を「オレがやるべき仕事ではない」と言って嫌います。その根本には、現実に根ざした物事と格闘し、社会に根を下ろすことから逃げ出したい気持ちがあるからです。そのため、「空飛ぶ戦士」や「宇宙に旅立つ少年」のように、現実から遠く離れて自己実現をするヒーロー像に憧れを抱くのだと考えられます。

永遠の少年が抱える「マザーコンプレックス」

こうした「永遠の少年」タイプの男子に共通する心情に、「マザーコンプレックス」があります。つまり、息子を心から愛し慈しむ一方で、愛情の強さゆえに息子を骨抜きにしてしまう母親に対する愛憎の気持ちです。

息子にとって、自分を愛してくれる母は愛着の対象である一方、呑み込まれて破壊される脅威にも感じられます。永遠の少年は、こうした母親を息苦しいと思う一方で、母のような完璧な愛にいつも包まれていたいという両価的な感情を持ちます。

そのため、永遠の少年が恋愛相手に望むのは、母親とは真逆のファンタジーを与えつつ、母性愛で包んでくれる女神のような女性が典型です。しかし、現実にそうした女性はいるはずもないので、生身の女性に幻滅して「二次元の女性」にのめりこむ人も少なくありません。

では、こうした「永遠の少年」からどのように脱皮したらいいのか、次のページで考えてみましょう。