ガーデニング・園芸/植物の種類と育て方

アボカドの育て方!種から発芽、植え替えまで

アボカドの育て方を種から発芽、植え替えまで、お話しします。美容・健康に良いと人気のアボカド。美味しくいただいた後に残ったのは、大きな種! ただ捨ててしまうのも何だか惜しいですよね。今回は、このアボカドを種から育ててみましょう。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

アボカドの育て方!種から発芽、植え替えまで

アボカドの育て方!種から育てた50日間栽培記録

美容・健康に良いと人気のアボカドを美味しくいただいた後に残ったの大きな種!このアボカドを種から育ててみましょう

健康に良い、美容に良いと人気のアボカド。森のバターとも呼ばれるその食感・食味に魅了されている方も多いことでしょう。でも、美味しくいただいた後で気になるのは、コロンと残った大きな種!ただ捨ててしまうのも何だか惜しい…そんな思いを抱いた方もきっと多いはず!
今回は、そんなアボカドを種から育ててみましょう!
 

<目次>  
アボカド

アボカド

アボガド?アボカド?

発音のしやすさからか「アボド」と呼ばれることの多いこの果物、試しに「アボガド」で辞書検索したところ「アボカド」に誘導されるので、やはり「アボド」が正解のようですね。
ちなみに別名のワニナシは英名「Alligator pear」を直訳したもので、由来はワニのようにゴツゴツしているから、ワニがいるような場所に生えている梨みたいな果実だから…などと言われています。
現在、愛媛や和歌山、静岡など国内でも生産されていますが、国産品アボカドは、まだまだ希少な果物のようです。
アボカドのデータ

アボカドのデータ
 

アボカドは植物データのとおり、成長すると20メートルを超える木になります。気候的に露地植えが可能な地域であれば、うっかりすると巨木になりかねないということですね。
ちょっと驚かせてしまったかもしれませんが、鉢植えであれば成長しても観葉植物として扱える程度の大きさで管理することができるので、ご安心を!
 

アボカドの育て方1:種まき

アボカドの種

アボカドの種

まずはアボカドを準備しましょう!アボカドは種が大きいこともあって概して発芽率は良いようですが、種を取り出した後に乾かしてしまうと発芽率がグンと落ちてしまいます。同様に、冷やされた状態のアボカドの種も発芽率が落ちるようです。

栽培用にするなら常温状態のものを購入し、追熟後に冷やして食べる場合にも、種を取り出してから果肉を冷やしてくださいね!
なお、種は実の下側だった方(上の画像では右側)が底になり、ここから根が出てきます。

さて、アボカドの種を取り出したら、すぐに種をまきましょう!このくらい大きな種だと「種まき」と言ってよいものやら悩みます。しかも今回は水栽培から始めるので、「まく」というより「設置(セッティング)」の方が正しい気もしますが…。
それはさておき、アボカドから取り出した種は、そのまま水につけたり土に植えるのはNGですよ!

【事前準備】
アボカドの種

発根しやすいよう種の底を薄く削る

種の表面にはまだ発芽抑制物質を含むアボカドの果肉がこびりついていますから、そのままでは発芽しにくかったり、悪臭や種自体の腐敗が進む原因にもなります。

まずはこの果肉をしっかり落とすように、種をよく洗いましょう!種の薄皮もいずれ剥がれてしまうものなので、ガイドは種を洗う際に薄皮もほぼ剥いてしまいました。

次に、種から発根しやすいように、底の部分をナイフなどで少し削ります。これはアサガオなど硬い種を発芽しやすくする手法の応用ですが、傷をつけることで吸水を助けます。ヤスリを使ってもいいですし、普通に果物ナイフで種の底面を薄く削り取ったり、少し切り込みを入れる程度で大丈夫です。

【種を設置する】
ペットボトルを利用した球根水栽培

ペットボトルを利用した球根水栽培

今回用意したアボカドを切ってみたところ、かなり種の大きさが違っていました。大きい方の種は球根の水栽培用ガラス容器に、種が水没しないよう支えの爪楊枝を刺してセッティング。
小さい方の種は、手頃な器がなかったのでミニサイズのペットボトルを利用しました。口の部分をカットして逆さまに置き、そこに種をセットします。
実はこの方法、ガイド仲間の土屋さん(彼女はウィンドウガーデナーで、美味しくいただいたクインシーメロンの種から、立派なメロンを収穫した実績の持ち主でもあります。)が球根栽培に使っていたアイディアを拝借!やや小さめだった種には、支えの爪楊枝も必要ないジャストサイズでした。
これで種の設置は完了です。種の底が3分の1程度浸かるように水を入れ、後は毎日容器の水を入れ替えて発根と発芽を待ちます。
 

アボカドの育て方2:発根と発芽

アボカドの育て方 発根

アボカドの発根

【アボカドの発根】
はーやく芽を出せ柿…もといアボカドの種…と、ひたすら日課として水の入れ替えを行って待つこと……2週間?!
ようやく、割れた種から根がちょこっと顔を出しました!時間がかかることは承知していましたが、発根までとても長かったです。(画像は、種を逆さにして撮影しました。)
 
下の画像は、更に一週間後。大きい種はともかく、右側の小さい種は大丈夫かしらと心配になる状態ですね。
アボカド水栽培

発根したアボカド。種の大きさが、かなり違う。


【アボカドの発芽】
アボカドの育て方 発芽

アボカドの発芽

その後も根は伸び続け、発根確認から12日で発芽を確認することができました。パックリ割れた種の先に、ちょこんと葉っぱが見えます。
小さい方の種は、ちょぼちょぼと根は見えるものの、この時点でまだ発芽には至っていません。やはりもともとの種の大きさが影響しているのでしょう。
 

アボカドの育て方3:植え替え

「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句、近年は温暖化でまったく意味をなしていませんでしたが、今年に限っては言葉通りお盆過ぎには秋風が吹き始め、秋の長雨を思わせる天候不順が続きました。
ただでさえ室内管理で徒長気味のアボカド、すっかり植え替えのタイミングを逸してしまい、ヒョロヒョロ状態になってしまいました。
アボカド水栽培

ヒョロヒョロに伸びた、水栽培のアボカド。

発芽から2週間、ヒョロヒョロアボカドに水栽培の限界を感じ、鉢に植え替えることに。
大きい種の方は、1本のゴボウ根がとぐろを巻き始めてしまったので、この根を折らないように慎重に植え替えです。支えの爪楊枝はもう必要ないので、植え替え後にそっと抜き取りました。
 
アボカドの育て方 発芽

小さい方の種も発芽

小さい方の種は根も葉もあまり伸びてはいませんが、一緒に植え替えです。
たっぷりと水をあげ、この後は「土が乾いたら、しっかり水やり」の基本に則って管理します。毎日の水替えの手間を考えると、発根を確認したら早めに鉢植えにしたほうがラクだったかも…と思いました。

植え替え後も、ガイドのアボカド栽培はまだまだ続きますが、ここでポイントのおさらいです。
 

種から育てるアボカド栽培のポイント

鉢に植え替えたヒョロヒョロアボカド

鉢に植え替えたヒョロヒョロアボカド

無事に水栽培から鉢への植え替えが完了したアボカドたち。彼(彼女?)らも、土に植えられて何となくホッとしたのではないでしょうか。
今回は発根の様子も観察したい!ということで水栽培にしてみましたが、アボカドは「とりまき(種をとってすぐにまく)」で、鉢植えにしたほうが管理しやすいかもしれません。

ただし、鉢植えでも根が出るまではかなりの日数を要しますので、それまでの間「種が乾燥してしまわないように水やりを忘れない」という点に気をつける必要があります。
また、はじめから鉢植えにした場合、ちゃんと根が出ているのかわかりにくいところが難点です。その辺りをクリアにしたいのであれば、発根までを水栽培し、発根確認後に速やかに鉢植えにするのが良いでしょう。
 
アボカド

小さい方も鉢に植え替え

【アボカド栽培のポイント】
  • 常温のアボカドから種を取ったら、速やかに種まき!
  • 種はよく洗い、果肉をしっかり落とす
  • 発根を促すため種の底を薄く削る
  • 水栽培は、種の底3分の1程度が水に浸かるように
  • 鉢に種を植える場合、種の頭を半分くらい出しておく
  • 水栽培では、とにかく水替えを忘れない!
  • 発芽後は、日当たりの良い場所で管理
  • 植え替えは、根を傷めないように
アボカドの葉っぱ

展開したアボカドの葉っぱ

さて、栽培開始から約50日でヒョロヒョロとズングリの2つのアボカド鉢となりましたが、ヒョロヒョロはもう少ししたら一回目の摘芯を行い、脇枝を出させる予定です。

この後で注意したいのは、冬の寒さに当てないこと、そして根詰まりしないように数年に一度は植え替えをするということですね。

ガイドの育てたアボカドは、8月末に10月並みの寒気が入ったことも影響したのかどうも貧弱ですが、関東以南の暖地であれば、きっともっとスクスク成長することでしょう。
種からアボカドをどこまで育てられるか、ぜひ皆さんも一緒に挑戦してみましょう!


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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