株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

9月に買ってはいけない3業種とは?

9月は、3月決算企業の中間決算が活発化することから、様子見ムードが強まると考えられます。「彼岸底」とも呼ばれるこの時期は、相場が冷え込みやすい月としても知られています。そこで今回は、9月相場の中でも特に下がりやすい業種を3つ、ご紹介します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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9月に下がりやすい業種は?

9月は、3月決算企業の中間決算が活発化することから、様子見ムードが強まると考えられます。「彼岸底」とも呼ばれるこの時期は、相場が冷え込みやすい月としても知られています。そこで今回は、9月相場の中でも特に下がりやすい業種を3つ調べてみました。

■9月株式市場の傾向

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検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:1990年3月1日~2019年7月31日
1銘柄当たりの投資金額:100万円

買い条件
・8月末の寄り付きで買い

売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

8月末に、ある業種の銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、9月は株価が上がりやすい月となります。反対に、損益がマイナスであるならば、9月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。

以上のルールで過去のデータを用いて検証しました。

 

9月相場で不調だった3つの業種

■9月相場で不調な傾向がある業種、その1:空運(1銘柄)
システムトレードの達人

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 勝率: 39.29 %
 勝ち数: 11 回
 負け数: 17 回
 引き分け数: 1 回
 
 合計損益(率): -67.53 %  平均損益(率): -2.33 %
 合計利益(率): 40.44 %  平均利益(率): 3.68 %
 合計損失(率): -107.97 %  平均損失(率): -6.35 %
 
 プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.375
 平均保持日数: 34.86 日

■9月相場で不調な傾向がある業種、その2:証券(3銘柄)
システムトレードの達人

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 勝率: 41.33 %
 勝ち数: 31 回
 負け数: 44 回
 引き分け数: 0 回
 
 合計損益(率): -248.87 %  平均損益(率): -3.32 %
 合計利益(率): 195.49 %  平均利益(率): 6.31 %
 合計損失(率): -444.35 %  平均損失(率): -10.10 %
 
 プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.440
 平均保持日数: 36.20 日

■9月相場で不調な傾向がある業種、その3:電気機器(27銘柄)
システムトレードの達人

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 勝率: 40.51 %
 勝ち数: 301 回
 負け数: 442 回
 引き分け数: 12 回
 
 合計損益(率): -1,574.39 %  平均損益(率): -2.09 %
 合計利益(率): 2,035.78 %  平均利益(率): 6.76 %
 合計損失(率): -3,610.17 %  平均損失(率): -8.17 %
 
 プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.564
 平均保持日数: 27.38 日

以上が、9月相場の中でも冷え込む傾向が強かった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が約40%となり、平均損益は約-2%を切っています。勝率が5割より低く、平均損益もマイナスになっていることから、空運、証券、電気機器の3業種は、9月に下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

9月相場が下落しやすい要因として、3月決算企業の中間決算が集中しており、様子見ムードになりやすいという点が挙げられます。中間決算の発表が彼岸(9月23日の秋分の日の前後各3日)の頃に集中することから、9月相場は「彼岸底」とも呼ばれています。

今回の検証でご紹介した3つの業種は、9月相場に下がりやすい傾向にありました。では、これらの業種の中でも下落傾向が強かったのは、どの銘柄だったのでしょうか? 最後に、9月相場で下落傾向の強かった3業種の中でも、特に不調だった銘柄をご紹介します。

 

9月に不調な銘柄ランキング

システムトレードの達人

システムトレードの達人

上記の表は先ほどの検証結果において、特に勝率の低かった銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄から特徴を見ると、「東芝 <6502>」「パナソニック<6752>」「安川電機 <6506>」などが、9月相場に冷え込みやすい銘柄だといえるでしょう。

9月相場が下落しやすい要因として、3月決算企業の中間決算が集中しており、様子見ムードになりやすいと考えられます。もしあなたが、ご紹介した3つの業種(空運、証券、電気機器)を購入しようとしているのならば、注意が必要でしょう。業種や個別銘柄は、月によって、株価が上がりやすい月と、下がりやすい月があります。今回のように簡単な検証をすることで、9月の投資戦略を考える上での、有効な判断材料の1つになることでしょう。なお、9月は株式市場全体が軟調に推移しやすい傾向がある中で、過去の勝率が低い銘柄をトレードするよりは、成績が良好な銘柄をトレードした方が、よりリスクを抑えることができるでしょう。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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