世間でもよく話題になる ゴミ屋敷。ゴミを極度に溜め込んでしまうクセは「溜め込み症(ホーダー)」と呼ばれる病気であることが分かってきました。溜め込み症は、最新版の「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)」にて初めて精神疾患であると定義された新しい精神疾患です。今回は、この溜め込み症の治療について考えていきます。

「溜め込み症」を引き起こす3つの要因

ガラクタ

ガラクタに価値を見出し、拾ってくることも……

溜め込み症の研究では、3つの要因が関わっていることが分かっています。

■収集する
健常な人は必要な物だけを買い、不必要なものは買わないと判断することができます。一方、溜め込み症の人は、「必要かどうかを考える過程」に何らかの障害があり、不必要なものでも購入したり、拾ってきてしまうことが分かっています。その結果、家に様々なものが集まっていくことになります。
 
■捨てられない
ものを集めてきても、「捨てる」ことができれば、ゴミ屋敷になることはありません。健常な人は「必要のないものを捨てる」ことができるのです。一方、溜め込み症の人はそれができません。

溜め込み症がものを捨てることができない理由は、3つに分類できることが分かっています。1つめは、「感情的な繋がり」です。例えば、自分宛ての請求書が入った封筒に対して愛着が湧いてしまい、捨てることにとても苦痛を感じてしまうのです。2つめは、「何かの役に立ちそうな気がする」です。例えば、壊れて使い物にならなくなった冷蔵庫でも、何かの役に立ちそうな気がして捨てることができないのです。3つめは、「偏った個人的な好み」です。例えば、ペットボトルの蓋など、あまり多くの人が集めたいと思えないものが好みの対象になります。
 
■整理できない
これまでの症状があったとしても、それだけではコレクター(収集家)と言われるかもしれません。しかし、溜め込み症の人は「集めたものを整理できない」という特徴を持っています。そのため、がらくた・ゴミが散乱した家になってしまうのです。

次のページでは、これらの症状に対してどのように治療をしていくのかを紹介します。