マイナンバーが導入される理由

問題は「バレる」「バレない」ではない!?

問題は「バレる」「バレない」ではない!?

2015年10月5日より「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、いわゆるマイナンバー法が施行され、2016年1月1日よりマイナンバーの利用が開始となる予定です。

そもそもこのマイナンバー法に至る変遷ですが、1968年に当時の佐藤内閣が「各省庁統一個人コード連絡研究会議」を設置し、国民総背番号制の導入しようとしたことまでさかのぼります。1999年には住民基本台帳ネットワークシステムを構築したものの、参加していない地方自治体があったり、住民基本台帳コードの交付を受けている人が全体の約5%と低い割合となっていたりと、広く活用されているとはいえません。

また現在は、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、雇用保険被保険者番号、納税者番号や運転免許証やパスポートの番号に至るまで、各行政機関からそれぞれ別の番号を付与されています。そのため複数の行政機関で別個に手続きを行う必要があり、不便かつ不効率といえます。

このような縦割り行政の弊害を減らそうと、従来より、何らかの共通番号制度の導入が検討されてきました。その結果が今回のマイナンバー制度なのです。

マイナンバーで各種控除の適用漏れ・適用ミスが防げる?

とりわけ、「税と社会保障の一体改革の実現」がマイナンバー制度導入のきっかけとなっています。今後はたとえば、次のようなケースの照合や是正が容易になるでしょう。

・離れて暮らす親を、兄と弟がそれぞれ扶養親族として申告してしまい、扶養控除を受けているケース
・アルバイトをしている子どもの所得要件が扶養親族に該当しないにも関わらず、扶養控除が適用されてしまっているケース

このほかに、「会社に副業がバレやすくなるのでは」ということもまことしやかに言われています。実際のところはどうなのでしょうか。

マイナンバーで年末調整や源泉徴収票がこう変わる

マイナンバー導入は確定申告や納税にどう影響する?」でも紹介したように、給与所得者の場合、マイナンバー導入後はじめて影響を受けるのは年末調整の「扶養控除等(異動)申告書」です。そして、そこに記載された内容を受けて、源泉徴収票が作成されます。この源泉徴収票にも、給与の支払いを受ける本人のマイナンバー、控除対象配偶者のマイナンバー、控除対象扶養親族のマイナンバーなどが記載されることになります。
源泉徴収票には本人のみならず扶養親族のマイナンバーが

新しい源泉徴収票の書式(イメージ)。本人のみならず扶養親族のマイナンバーが記載される

メインで勤めていた会社からの源泉徴収票のほかに、アルバイトで行っていた会社からもマイナンバーが記載された源泉徴収票が発行されることとなります。従来より、メインで勤めていた会社のほかにアルバイトを行っていた場合の照合がしやすくなる(=副業がメインの会社に知られやすくなる)のは事実でしょう。

そもそも副業は確定申告や納税の必要がある?

所得税を正確に計算するには、年収など、その年の所得の状況等が確定していることが前提条件です。メインの勤め先をA社、アルバイト先をB社とすると、A社とB社の年収を合算しないと、その年の所得の状況等が確定しないことになります。

ここで注意したいのは、年末時点で勤め先が2箇所ある給与所得者の場合、A社で発行された源泉徴収票とB社で発行された源泉徴収票とを集計して確定申告をする、いうルールはマイナンバー導入前からあるという点です。

また、給与所得のほか、コラムの執筆や講演で報酬を得たような場合はどうでしょか。給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えているか20万円以下かという基準がポイントとなります。つまり、給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下であれば、確定申告をしなくてもいいのです。

他にも、上場株式等を所有していて配当金を受け取った場合や、証券会社等で開設した特定口座の源泉徴収選択口座で株の上場株式等の売買益があった場合、すでに所得税や住民税が差し引かれている(=源泉徴収されている)ので原則、確定申告は不要となります。

このように、「確定申告が必要か不要か」というルールはマイナンバー制度が導入される前からあるのです。

マイナンバー導入後の源泉徴収票や支払調書にマイナンバーが記載され、照合されやすくなるのは事実ですが、確定申告が必要か不要かという論点とは切り分けて考えるべきです。

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