家庭菜園/野菜別の育て方

ナスの栽培方法を解説!スケジュールや剪定、プランター栽培のコツも

ナスの栽培方法をご紹介。ナスはプランターでも育てられ、トマトと並んで家庭菜園に一押しの野菜。栽培の手順から、肥料や支柱などの準備するもの、剪定の仕方、害虫対策など、ナスを育てる際に知っておきたいポイントをまとめました。

小島 理恵

執筆者:小島 理恵

家庭菜園ガイド

ナスの栽培方法・育て方、プランター栽培のコツも

夏の料理に大活躍のナス


トマトと並んで家庭菜園に一押しのナス。焼きナスなどの和食はもちろん、中華やイタリアンなど、様々なジャンルの夏の料理に大活躍してくれます。

中身のほとんどが水分といっても良いナス。土の成分が水に浸透し、それが吸い上げられ、実の味にダイレクトにつながっているようです。

自分で育てたナスと、市販されているナスを食べ比べたとき、「野菜の味って、土や肥料の違いによって、これほどまでに違いが出るのか!」と驚かされ、ガイドが家庭菜園にハマるきっかけにもなりました。
   

ナスの栽培スケジュール

種から育てることもできますが、苗の生育に日数がかかるため、苗からはじめるのが一般的です。

種から育てることもできますが、苗の生育に日数がかかるため、苗からはじめるのが一般的です。
 

10月の終わり頃まで、長期間収穫し続けるので、しっかりとした良い苗を選ぶことがポイントです。「接ぎ木苗」といって、丈夫な台木に接ぎ木をされた苗がおすすめです。
 

ナス栽培で準備するもの:肥料と支柱

地植えの場合は、土壌改良材として、たい肥や牛ふん。肥料として、鶏ふんやボカシ肥料、そして、支柱となる竹の棒などを準備しておきます。

プランター栽培の場合は、通常のプランターよりも大きくて深い、菜園用プランターを準備します。土は、通常の培養土で構いませんが、それに、鶏ふんかボカシ肥料を足して使います。プランターの場合も、支柱が必要です。
 

ナスの植え付け

ナスは、肥料と水が大好きな植物です。植えつけ時に、しっかりと元肥を入れておくことが、最初のステップになります。

畑の場合、まず、たい肥や牛ふんをたっぷりとすき込んで土壌改良をし、鶏ふんや、ボカシ肥料などを株から20cmほど離したところにすき込んでおきます。そして、苗は、60cm以上の間隔をあけて植えつけます。

プランターの場合、土壌改良は必要ありませんが、肥料をすき込んでおく作業は畑と同様です。植え付けは、大きめの菜園用プランターなどを利用して、80cmくらいの幅のものに、2株が目安です。

苗を植え付けたときに、支柱も同時に立てます。ナスは、通常、高さ・葉張りとも50cm以上になります。そのようになった状態を想定して、2~3本の棒を苗の上で交差するように立てておくのが一般的です。
 

ナス栽培は手入れが大事

風通し良く、ナスの実が快適に生長できるような環境をつくってあげるのがコツ。

風通し良く、ナスの実が快適に生長できるような環境をつくってあげるのがコツ。

ナスの手入れで最も重要なことは、水を切らさないようにすること。水が足りなくなると、皮が硬くなってしまったり、ひび割れが生じてしまったりしてしまいます。

それから、葉が茂ってきたら、黄色くなったものや弱っているものをこまめに取り除き、風通し良く保つことも大事です。

収穫は、実が小ぶりなうちに行うのがコツ。夏のピーク時は、1日で倍くらいに生長しますので、「まだまだ」と思っている間に、巨大ナスになってしまいます。
 

夏の思いきった剪定が、充実した「秋ナス」を生む!

「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉がありますね。この意味は、実は三通りあるようですが、いちばん有名なのは、「おいしい秋茄子を、嫁に食べさせるのはもったいない」というもの。それくらい、昔から魅力的な味だった秋茄子づくりにも、せっかくだから挑戦してみたいものです。

「秋ナス」といっても、別の品種を植えたりするものではなくて、この5月頃に植えつけた同じ株で、秋に収穫できる実のことを言います。「秋ナス」を上手く作る秘訣は、夏に適度に休ませること。ナスを育ててみるとわかりますが、あのような実を、毎日のように収穫することができます。ということは、数週間経つと、植物自体も相当疲れてくるはずで、真夏の間も、そのペースで収穫し続けていると、植物の体力が秋までもたないのです。そこで、思いきった剪定が必要となります。

7月下旬ころには、まだ実がつきそうな枝があったとしても、思い切って、半分くらいの高さまで剪定して、枝を整理します。そして、株の周りを軽く(10cm程度)掘って、追肥を与えます。そすると、徐々に樹勢が回復して、10月頃まで秋ナスを楽しむことができます。
 

ナス栽培ではパセリの寄せ植えもおすすめ

ナスの隣に植える作物を選ぶとしたら、パセリがおすすめです。パセリはナスの害虫を忌避し、ナスはパセリの害虫(アゲハチョウなど)を忌避してくれる、コンパニオンプランツと呼ばれる関係にあります。

また、パセリは、日向よりも日陰で育てた方が、食味が良く、大きく茂るナスの根元などは、パセリにとって適度な環境といえます。さらに、ナスは、土が乾燥するのを嫌いますが、パセリが根元に茂ってくれていることで、土の乾燥を防ぐことができます。

ナスを植えてから2週間以上経過し、根がしっかり張ってから、パセリを植えるようにします。プランターでナスを育てる場合、直径30cmくらいの円形のプランターにナスを1株植え、その周りにパセリを3株ほど植える、「寄せ植え」方式にしても良いでしょう。

ナス科の作物と相性の良いコンパニオンプランツには、ネギ・ニラ・ラッカセイなどもあります。
 

ナス栽培のトラブルQ&A

Q:実が何かに食べられてしまったようですが、どうしたら良いでしょうか?

ナスundefinedテントウムシダマシの食痕

テントウムシダマシの食痕

これは、テントウムシダマシの食痕だと思います。テントウムシダマシは、28個の黒い斑点を持つテントウムシで、主に葉を食べますが、大発生すると、果実までかじってしまいます。幼虫の時代は葉の裏に群生しますので、「様子が変だな」と思ったら、葉の裏を確認して、駆除するようにします。

家庭菜園におすすめの農薬についてはこちらをご覧ください。

これと似たような症状で、ナメクジの食害もあります。
ナメクジは、夜中に活動するので、なかなか駆除しづらいということと、ナメクジ専用の登録農薬は、作物に直接散布できないものや、使用できる作物が限定されていることが多いので、家庭菜園では、使いづらいということが難点で、ナメクジの防除には、頭を悩ませている方も多いかと思います。

ニーム(インドセンダン)の顆粒を株のまわりに散布しておくと、ナメクジの忌避効果があります。ナスに限らず、すべての植物に使うことができますので、おススメです。
 

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