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夏から初秋の京都旅に!鞍馬山と貴船の川床料理(3ページ目)

古くから避暑地として有名な洛北の鞍馬・貴船まで足をのばせば、京都市街地より気温が数度低く、涼みながら京都らしい風情を味わえます。鞍馬から貴船へは、京都有数のパワースポットとされるハイキングコースを歩き、貴船では、5月から9月まで、夏の京都の風物詩「川床(かわどこ)料理」が楽しめます。

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

夏の京都の風物詩、貴船の「川床料理」

貴船の川床料理を、ご存じでしょうか。

川床とは、渓流の流れの中に杭(くい)を打ち、その上に床を渡して設えた座敷のこと。この川床の上で、せせらぎの音に耳を傾けながら、本格的な京会席の料理をいただく「川床料理」は、なんとも風流で涼しげです。
足元を流れる川の流れに手を浸してみるとヒンヤリと冷たい。

足元を流れる川の流れに手を浸してみるとヒンヤリと冷たい。


最近では京都のあちこちで「川床」が行われるようになりましたが、「川床」の元祖は貴船であり、中でも料理旅館「ふじや」が、大正時代、川の中に床几(しょうぎ)を置いて、お客さんに涼んでもらったのがはじまりなのだそうです。

今回は「ふじや」で料理をいただくことにしました。川床に通され、まずは、とち餅と冷茶のウェルカムドリンクをいただきます。
とち餅と冷茶のウェルカムドリンク

とち餅と冷茶のウェルカムドリンク


さて、頼んだのは「川床料理」の竹コース(14742円・川床料、奉仕料込)。「先付(さきづけ)」にはじまり、最後の「食事(椀、ご飯、香物)」「デザート」まで、会席料理の流れにしたがい、2時間ほどかけて料理が提供されます。

今回の料理の中で、特に印象に残った皿をいくつかピックアップして紹介しましょう。(料理の内容は、季節やその日の材料の仕入れによって異なります。紹介している料理は2015年の取材時のもの)

まず、こちらは「先付」。
旬の食材を使い、彩りも豊かな「先付」

旬の食材を使い、彩りも豊かな「先付」


「蓮芋と松茸の和え物」「鰻(ウナギ)の一口ちらし寿司」「香梅蒸し」「田螺(たにし)香りよごし」の4品と、食前酒の梅酒が供されました。旬の食材が使われるとともに、ちらし寿司が食卓に彩りを添えているのもいいですね。また、梅酒を飲むことで暑い季節でも食欲がわきます。

次は「向付(むこうづけ)」。
「向付」は、鰻と鯉の二種盛り

「向付」は、鰻と鯉の二種盛り


刺身や酢の物を供する「向付」では、鰻(ウナギ)と鯉(コイ)の二種盛りをいただきました。中央の白い身は、一見、鱧(ハモ)に見えるかもしれませんが、鰻です。「川床料理」ではあくまでも川でとれる食材を中心に使うとのこと。

川床料理は、2018年は5月1日~9月末まで楽しめます。少々値が張るのは確かですが、こんな風流な環境で本格的な京会席を味わえる場所など、ほかにはなかなかありません。ぜひとも一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

<DATA>
■貴船ふじや
住所:京都市左京区鞍馬貴船町 貴船神社鳥居前
アクセス:叡山電車貴船口駅からバスに乗車し、「貴船」バス停下車徒歩5分。旅館に電話すればマイクロバスでの送迎あり
営業時間:11:00~20:00(19:00までに入店)
ホームページ → 貴船 ふじやホームページ

旅の締めくくりは、貴船神社の参拝

私が旅先で気になるのが、地名の由来。地名は、その土地の伝説などと結びついていることも多く、調べてみると意外と面白いものです。最近は、簡単に地名を変更する風潮がありますが、これは考えものです。

ちなみに、「鞍馬」は、もともと「闇部(くらぶ)」または「暗部(くらぶ)」だったのが転じて、「クラマ」となったというのが有力な説のようです。山あいの地で日照時間が短く、山の木々に覆われた集落というイメージが伝わってきます。
雨上がりの幻想的な貴船神社参道。夕刻には灯篭に明かりが点る

雨上がりの幻想的な貴船神社参道。夕刻には灯篭に明かりが点る


一方、「貴船」の地名の由来で興味深いのが、貴船神社の創建にまつわる、神武天皇の母・玉依姫(たまよりひめ)の伝説。

玉依姫は「黄船(文字通り、黄色い船)」に乗り、浪速の津(現在の大阪湾)から淀川、鴨川を遡り、その源流である貴船川の上流(現在の貴船神社・奥宮)に一宇の祠(ほこら)を建て、「黄船の宮」と崇めるようになったのが貴船神社のはじまりだと伝わります。

京都の水源の清浄を守る神への、京都の人々の尊崇(そんすう)の念が伝わる話ですが、神様が乗った「黄色い船」という発想が、なんともユニークです。
貴船神社の奥宮本殿の横には、玉依姫の伝説にまつわる「船形石」がある

貴船神社の奥宮本殿の横には、玉依姫の伝説にまつわる「船形石」がある


ほかにも、樹木の生い茂る「木生根(きぶね)」や「木生嶺(きぶね)」が語源との説もあるようですが、先ほど歩いた「木の根道」のイメージにもピッタリで、説得力があるなと思います。

ちなみに、貴船神社は、本来、水源の神ですから、降雨・止雨、農業、酒造など「水」に関わるご利益がありますが、そのほか、縁結びや子宝にもご利益があるそうです。

なお、貴船へのアクセスですが、鞍馬寺から山道を歩きたくない方は、叡山電車で鞍馬駅から貴船口駅へ移動し、駅から路線バスを使うといいでしょう。

<DATA>
■貴船神社
住所:京都市左京区鞍馬貴船町180
アクセス:叡山電車貴船口駅からバス「貴船」バス停下車徒歩5分/鞍馬寺金堂からハイキングコース経由約1時間
ホームページ → 貴船神社ホームページ

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