歌舞伎を楽しく体験! プロに学ぶ伝統芸能

「小学生のための歌舞伎体験教室」をご存知ですか?

2015年はすでに申し込みは締め切られていますが、「子どもに歌舞伎を体験させたい」と思っている方や、「くわしく知りたい」と思っている方、来年のためにもぜひ予習をしておいてください。(画像は、以前の体験教室より)
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歌舞伎鑑賞のあとは、舞台に上がって舞台機構を体験


この教室は、文化庁・次代の文化を創造する新進芸術家育成事業として、一般社団法人伝統歌舞伎保存会により行われているものです。保存会は、文化財保護法により国の重要無形文化財に指定された「歌舞伎」の技芸保持者、つまり舞台経験が豊富で技芸優秀と認められた歌舞伎俳優、竹本、長唄、狂言作者の集まりです。

会の目的は重要無形文化財「歌舞伎」の技芸の継承ですが、歌舞伎の普及活動の一環として「小学生のための歌舞伎体験教室」は位置づけられています。


もっと本物を伝えたい

「歌舞伎体験教室」の前身である「小(中)学生のための歌舞伎ワークショップ」は平成12年にスタート、当初は小中学校で1日ワークショップをおこなっていました。

回を重ねるうちに、歌舞伎を全く知らなかった小学生たちが歌舞伎を身近に感じ、とても楽しんでくれることがわかり、もっと本格的に本物の歌舞伎を提供して、触れて欲しい、感じて欲しいと考えるようになったそうです。
内容や実施期間など何年も試行錯誤を重ね、現在の形になっています。

対象は小学4年生から6年生まで。松竹株式会社の「寺子屋」と違う点は、「寺子屋」が4歳から募集をし、子役の養成も視野に入れ歌舞伎の舞台にも出演させるのに比べ、こちらは対象年齢が高く、極めて短期間であることです。子どもたちが成長していく中で、歌舞伎に触れ、体験する機会を持つことで、日本の伝統文化のすばらしさを実際に知ってもらうことが目的となっています。

では次のページでは、今年の全プログラムと日程をご紹介します。

全プログラムと日程

今年の場合、参加日程は3つに分かれます。
1日のみのAコース、2日にわたるA+Bコース、AとBを含む10日間すべてに参加できる人が対象のA+B+Cコースです。

◆A(鑑賞教室+舞台機構の体験)
国立劇場大劇場にて、歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎のみかた」「義経千本桜」を観劇したあと、舞台機構の見学や体験を行います。

◆B ワークショップ
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昨年のワークショップの様子

江戸東京博物館ホールにて歌舞伎ワークショップに参加します。

内容は、
歌舞伎の動物に出会う
効果音を聞く
小道具に触れる
歌舞伎舞踊を鑑賞する
などです。(年によって内容が異なります)

◆C体験教室
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大きな声を出してみました

A+Bを含む10日間すべてに参加できる人が対象

AB以外の体験としては、
・浴衣の着付教室(7月5日)
・歌舞伎「寿曾我対面」鬘あわせ(7月12日)
・国立劇場劇場大稽古場にて、歌舞伎にまつわる日替わり体験プログラムおよび歌舞伎「寿曾我対面」の実習、総さらい(8月14日~18日)
・国立劇場小劇場 歌舞伎「寿曾我対面」の舞
台稽古、発表会(8月19日、20日)
となります。

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舞台機構体験の様子

最近では歌舞伎を全く知らない小学生と保護者が少なくないので、まずは歌舞伎
の舞台を観てもらおうと国立劇場の「歌舞伎鑑賞教室」の観劇を最初に実施し、その後、実際に舞台に上がり、舞台機構と舞台技術の体験をします。

この催しの趣旨はあくまでも「遊び感覚で」「実際に体験して楽しさを感じてもらうこと」。

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歌舞伎で使われる馬に乗ってみる

ですから、ワークショップでは、歌舞伎俳優たちが実際に舞台で使う小道具や、歌
舞伎に出てくる動物、鳴物楽器や効果音道具などに触れて、小学生が遊び感覚で歌舞伎に親しめるよう工夫されています。

 
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五郎・十郎役の指導をする 團蔵さん、時蔵さん

最後の体験教室では、7月の浴衣の着付教室、立ち居振る舞いのお稽古に始ま
り、8月は一週間をかけ「鬘の結髪と衣裳」「竹本」「立廻り」「長唄・鳴物」の日替わり体験と、歌舞伎「寿曾我対面」のお稽古をします。総合芸術である歌舞伎のさまざまな要素に触れられるばかりではありません。

最終日には歌舞伎俳優に化粧をしてもらい、本物の歌舞伎の衣裳、鬘をつけて国立劇場の舞台で実際に歌舞伎を演じます。

体験教室全10日間に参加というのは難しい場合があるだろうと、参加の方法も1
日だけ(A)2日だけ(A+B)といったコースを設け、気軽に参加できるよう考慮されています。

>>さて、参加する子どもたちにどのような変化があるのでしょうか。次ページで紹介します。

歌舞伎を見たことのない子どもも参加


今年の募集開始は5月1日、応募締切は5月22日でした。倍率はAコースが5倍、ABコースが1.3倍、ABCコースが1.5倍だったとのこと。(参加者は抽選により決定)

「体験教室」開始当初は親や祖父母が歌舞伎好きな子どもたちが多かったのですが、最近は、本人が小さいときから歌舞伎が大好きという子どもも結構いるとか。一方、家族全員歌舞伎は全く見たことがないけれど、自由研究で歌舞伎を取り上げたいという理由で参加する子もいるようです。


次第に大きな声が出るように

お稽古初日には蚊の鳴くような声しか出ない子どもも、次第に大きな声が出るようになり、猫背だったのが、見違えるように座る姿勢まで綺麗になっていくとか。
毎回お稽古のはじめと終わりに正座をして挨拶するうちに、家でもきちんと挨拶ができるようになってご両親が驚いたり、お風呂で大きな声で稽古をするので兄弟までセリフを覚えてしまったという話もあるそうです。

子どもたちは、この経験を通して歌舞伎ファンになることも多いようです。また、将来歌舞伎の裏方の仕事に就きたいと言う子どもや、高校生になって歌舞伎俳優養成研修に応募してきた子どももいるということです。

伝統歌舞伎保存会にお話を伺うと「歌舞伎に親しみ、見続けてほしいのはもちろんですが、まわりの友人たちや外国の人たちへ、歌舞伎をはじめとする日本の伝統文化の良さについて語れる人になって欲しい。また、その中から、いろいろな形で歌舞伎の継承に携わる人材が男女を問わず現れてくれたらうれしい」とのことでした。

日本の伝統芸能の「歌舞伎」。ぜひこの機会に子どもに触れさせてみませんか。
なお本年度の「発表会」観覧を募集中です(締切8月10日)(入場無料)
くわしくはこちらまで。

「小学生のための歌舞伎体験教室」発表会 観覧募集中
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立派に舞台をつとめました

伝統歌舞伎保存会
http://www.kabuki.or.jp/fukyu/kids.html

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。