ギリシャデフォルトの現実味と市場の落ち着き

ギリシャ問題がクローズアップされている。株式市場は落ち着いているが、果たして・・・

ギリシャ問題がクローズアップされている。株式市場は落ち着いているが、果たして・・・

ギリシャ問題で日経平均はどうなる?
でもお伝えしましたが、ギリシャ懸念が相場の材料となってきています。6月15日(月)のギリシャ国債2年物の利回りは29%を超えました。経済ニュースのヘッドラインにおいても、交渉決裂を感じさせるタイトルが目につきます。

一方、4年前にギリシャ問題がクローズアップされた時に比べて市場は十分に落ち着いており、パニックにはほど遠い状態です。6月15日(月)の米国ニューヨークダウはギリシャ懸念で200ドル以上下がって始まりましたが、大引けでは107ドル安で済み、6月16日(火)は113ドル高と戻しました。前述のギリシャ2年国債利回りも急騰しているというものの(債券価格は急落)、4年前は40%を超えたこともありました。スペインなど周辺の財務脆弱な国債利回りも年初来高水準にありますが、4年前の3分の1ほどです。

いずれにしても現状、何らかのパニックが起こりそうな様子にはなく、通常の相場の範囲にあります。ただ、ギリシャについては過去もかなり悩まされたことがあり、相場の波乱要因ともなってきましたので、一応念の為に警戒して状況をまとめてみたいと思います。

過去のギリシャショックを振り返る

過去のギリシャショックでは株価は大きく下がった

過去のギリシャショックでは株価は大きく下がった

最初に「ギリシャショック」という言葉が出たのは2010年の初夏でした。ギリシャがEUの財政基準を満たしていなかったことが明らかとなったのでしたが、当時はリーマンショックの傷も癒えていない状況で、ダウは直近高値から最大で15%ほど下がりました。

2011年の夏から秋にかけてはギリシャの他にポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインも加わり、いわゆるPIIGS問題で市場は大きく揺れました。これらの国々の国債利回りが急騰し、ギリシャのデフォルトとEU分裂が危惧され、ダウは当時の直近高値から19%も下がりました。最終的にはギリシャの救済と、資金不足に陥らない為の欧州金融安定基金の設立によって、危機は去りました。

今回はデフォルトの起きる可能性も!?

今回はデフォルトの起きる可能性も!?しかし、株価が下がったところはチャンスにも!

今回はデフォルトの起きる可能性も!?しかし、株価が下がったところはチャンスにも!

ギリシャはECB、IMF、ESMの公的機関のほか、ドイツとフランスを主とする各国及び民間資本から計3,130億ユーロの債務(GDPの175%)があります。2015年6月末にIMFに対する16億ユーロの支払期限があるほか、2015年7月と8月にECBなどへ68億ユーロの支払いが必要です。これらを支払うお金がないため、2015年6月末に期限を迎える救済パッケージの中で新たに72億ユーロの借入を目指しますが、債権者はその見返りに大変厳しい財政再建計画を要求しています。

年金減額などの緊縮財政を拒否するギリシャを前に、前週末の交渉は45分で決裂しました。決裂というより、話し合う意思も薄いようです。6月18日に行われるユーロ圏財務相会合が最後の交渉の場となり、ここで譲歩案でなければ6~8月に期限を迎える各支払いがデフォルトとなりえます。

ギリシャの選択肢としては、厳しい財政再建策を受け入れて78億ユーロを手にしてEUに残る、緩い再建策と債務減免を勝ち取ってユーロに残る、それともEUとユーロ通貨から離脱して債務を放棄し、緊縮財政もしないという壊滅的選択の3通りがありますが、全て非現実的と思います。いずれもギリシャ国民及び負担する側の独仏国民が納得できるものでありません。欧州側も厳しすぎる財政再建計画を押しつけており、その通り受け入れてもギリシャ経済は破綻しそうです。どちらか一方が主張を完全に通して勝つというシナリオは相手側の国民感情(人気投票である政治家が最重要視するもの)からしてありえず、かといってユーロ紙幣を暴落するドラクマに替える難業や預金封鎖、ハイパーインフレ、倒産ラッシュを伴う壊滅的選択もありえません。ギリシャ国民の多くはEU残留を希望しており、勿論財産没収や経済・生活の大混乱も受け入れられないでしょう。

最終的には解決する可能性が高いが一旦大きく調整する可能性も

現実的には6月18日の交渉を決裂させ、一旦デフォルトを宣言する、その上で非常事態を収拾するためにテーブルに着き直し、完全デフォルトよりかはまし(やむを得ず)、と両国民が渋々納得できる体裁にした上で債務減免と現実的な財政再建策(厳しすぎずも甘くもない程度)に応じるというのがありえそうなシナリオと思います。完全デフォルトとなればドイツ、フランスに多大な損害が生じ、受け入れられないと思います。しかしその寸前まで行くことで、ある程度の譲歩に応じざるを得ない、という形が政治的にもありえそうと思います。最終的にギリシャは国民投票を行い、EU残留を確認した上で、それであればある程度の緊縮を国民に強いるという形になると思います。やすやすと緊縮案を受け入れれば、反緊縮で立ち上がったチプラス政権の面子も立ちません。

6月18日の財務相会合に焦点を合わせるように、チプラス首相は別途ロシアを訪問(18~20日)してプーチン大統領と会談する予定です。EUとNATOからの離脱、そしてロシア側に入ることをちらつかせた上で18日の最終交渉を決裂させ、独仏に対する1,600億ユーロもの借金を踏み倒すと脅すつもりなのかもしれません。

実際どうなるかは分かりませんが、かなり強硬で厄介な事になる可能性もあると思います。最終的には、EUに残留した上で現実的な救済プランが設定されるものと思いますが、まともな合意にたどり着くまでのプロセスで、一旦市場は調整する可能性もあると思います。 そう考えると、やはり調整したところは絶好調の日本株ベストバイ50銘柄最新版!でご紹介したようなファンダメンタルの優れた銘柄を購入するチャンスになる可能性があると思うのです。

参考:日本株通信

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