子育て/子育て・ママ育て

気持ちに折り合いをつける力を子どもに育む!良好な人間関係のために

子どもは成長とともに関わる人が増え、思うようにならないことも増えていきます。気持ちに折り合いをつけることが、社会に出て上手く人間関係を築いていく秘訣です。親はどう関われば、子供の「折り合いをつける力」を育めるのでしょうか。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

折り合いをつける力とは? 「折り合いをつける」ことは譲り合うこと

折り合いをつける力とは?

「折り合いをつける」と一部主張を退けたにもかかわらず、充足感を味わうことを体験させましょう

子供は、親との1対1の関わりから、家族、身近なお友達、社会集団へと人間関係の輪を広げていきます。関わる人の数が増えれば増えるほど、意見の相違や、自分の思い通りに進まない現実に直面するでしょう。そのようなとき、相手と「折り合いをつける」能力が、社会の中で生き抜いていくには重要なカギを握ります。

「折り合いをつける」とは、自分の主張を一部退け、相手も少し主張を引き互いに納得する一致点を見出すこと、つまりお互いに譲り合うことですね。

では子供が「折り合いをつける」能力を身につけていくには、親はどのようにサポートしていけば良いのでしょうか。
 
<目次>
 

兄弟ゲンカはお互い納得させ譲り合わせましょう

兄弟姉妹、また同年代のお友達と遊んでいるとき、ちょっとした主張の違いや言い争いから激しいケンカになったりすることは、必ず一度は経験すると思います。親としては胸を痛める場面ですね。そのとき 無理やりお互いを引き離し、その場をなおざりにして、とにかく納めてしまおうとしていないでしょうか。

このような場面では、親が一方的に解決せず、お互いに納得させたうえで、譲り合うようにサポートすることです。その具体例を幼児期に兄弟でおもちゃを取り合いした場面で考えてみましょう。
 

主張する理由を自分自身に問いかけさせる

親は子供たちに、何故そのおもちゃで遊びたいのかを尋ねます。そのおもちゃを譲れない理由を考えさせましょう。未就学の子供には、少し難しいかもしれませんが、それでも丁寧に話すと、子供なりに考えるでしょう。このじっくり考える過程が子供の成長には必要なのです。

「○○ちゃんは、どうしてそのおもちゃで遊びたいの?」「他のおもちゃじゃあ、ダメなの?」とそれぞれに尋ねると、それが好きだから、それで遊ぶと楽しいからなど、いろいろな言葉がでてくるかもしれませんが、最終的には、楽しく遊びたいという気持ちは両者同じ所にたどり着くと思います。
 

譲り合うことを親は言葉でサポートする

「じゃあ、順番に使う?」「それとも一緒に遊べば?もっと楽しいかも……」と親は言葉で子供の気づきをサポートしてあげてください。その言葉によって、子供はおもちゃを一人で独占できないけど、お互いに譲り合った方がこのままケンカを続けるより良いだろうと感じ、納得のうえ、自分の主張を一部退けることを覚えるでしょう。

もし、初めは意見が平行線でも、お互いにそれぞれの言い分を充分話しあっていると、お互い譲り合う一致点が見つかり、怒りの刀がさやに納まってくることもあります。このようなことから、子供は「折り合いをつける」ことを徐々に学んでいくのです。
 

いつも完璧を求めない

「折り合いをつける」ということは、相手の意見を聴き入れ、自分の意見も一部引くということ、つまり自分の要求を70や80のところで、それで良しとすることですね。ですので、子供にいつも完璧ばかりを求め過ぎては、子供は100でないと気が済まない性格になります。

日常生活の中で起こりうる両親の小さなイザコザを「まぁ、いいか……」という、適当な所でお互い「折れ合う」ことにより、解決されていく様子を見せることもいいですね。
 

「折れる」ことで得られる「心地よい充足感」を体感させましょう

どんなに親しくとも、人は意志や考え方、感じ方はそれぞれ異なります。自分にとっては善であることが相手には悪であったりすることもあるのです。世の中にはいろいろな人がいてみんなそれぞれ違うということを幼い頃から、認識させましょう。

そしてその上で、相手と「折り合いをつける」と事態が前へ進んだり、気持ちがしっくりきたり、また一部主張を引いたにも関わらず、充足感を味わうことなど体験させてください。そうすることによって、子供は自ら「折り合いをつける」能力を育んでいくでしょう。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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