星空観察に最適な双眼鏡を選んでも、いきなりレンズをのぞけばいいわけではありません。まずは正しくセッティングをしましょう。手順は簡単、4ステップです。
ステップ1. ストラップを調整する
双眼鏡は、ストラップをつけて首にかけられるようになっています。ストラップが長すぎると、双眼鏡がブラブラと揺れてじゃまになったり、ぶつけたりする原因に。逆に短すぎると使い勝手がよくありません。ストラップは、双眼鏡が胸元にくるように調整しましょう。ステップ2. 目当てを調整する
裸眼で見る場合は目当てを長く、メガネをかけて見るときは目当てを短くします。このひと手間が、視野全体をクリアにするポイントです。上の画像はターンスライド式(繰り出し式)で、目当てを回すと長さが調整できます。ステップ3. 目の幅をあわせる
両手で双眼鏡のボディを持ち、両眼でレンズをのぞきながら、ゆっくりと開閉して自分の目(ひとみ)の間隔にあわせます。視界の円が1つに重なったときが、自分にぴったりの幅です。上は目の幅を広く、下は狭くした状態。ボディを静かに開閉して角度を調整します
ステップ4. ピントをあわせる
一般的な中央操り出し式の場合で説明します。まず、左眼で左側の接眼レンズをのぞきながら「ピント合わせリング」を回して、一番はっきりと見える位置にあわせます。
次に、右眼で右側の接眼レンズをのぞきながら「視度調整リング」を回して一番はっきりと見える位置にあわせます。
遠くに見える建物やアンテナなど、目標を決めるとピント合わせがしやすいです。また、少し面倒に感じますが、必ず片眼ずつ調整しましょう。
さあ、これでセッティングは完了! 両手でしっかりとボディを持って、星空を見てみましょう。
見るときのポイント
星をとらえるコツ肉眼で見るときと比べると、双眼鏡で見える範囲は意外と狭いもの。まずは、見たい星座や星を自分の目で見つけて視線を固定し、素早く双眼鏡を目の位置にもっていくとよいでしょう。
初めて双眼鏡を使うときには、見たい星を視野に入れるのもひと苦労。慣れないうちは、月で練習するのもオススメです。月面のクレーターや、欠け際のデコボコをじっくりと眺めてみてください。
手ブレ対策
見え方のイメージです
長時間観察する場合は、三脚に固定するのがオススメ。ただし、三脚に固定するには、三脚用アダプターが必要です。
私が初めて自分の双眼鏡で見たのは、天の川でした。自宅がある市街地の夜空では、もちろん天の川は見られません。でも、天の川が流れているであろう方向に双眼鏡をかまえてみると……両眼でのぞいたレンズの中には、星がいっぱい! 空の奥行まで感じられ、まるで宇宙の中を浮遊しているようでした。あのときの感動は、今でも忘れられません。
もし、初めての双眼鏡が、星空観察に適していないスペックだったり、ピントがちゃんとあっていなかったりしたら、このような感動は得られなかったはず。
「やっぱり買ってよかった!」そう思えるように、選び方と使い方が大切です。