宇宙・天体/星空を観察するための基礎知識

【保存版】初めての双眼鏡!失敗しない選び方・使い方(2ページ目)

簡単に持ち運びができる双眼鏡は、一生頼りになる星空観察の相棒です。複雑な操作は必要ありませんから、初心者でもご安心を。各部の名称や表示の見方、ピント合わせのコツなど、基本をマスターしましょう。

執筆者:景山 えりか


星空観察に最適な双眼鏡を選んでも、いきなりレンズをのぞけばいいわけではありません。まずは正しくセッティングをしましょう。手順は簡単、4ステップです。


ステップ1. ストラップを調整する

双眼鏡は、ストラップをつけて首にかけられるようになっています。ストラップが長すぎると、双眼鏡がブラブラと揺れてじゃまになったり、ぶつけたりする原因に。逆に短すぎると使い勝手がよくありません。ストラップは、双眼鏡が胸元にくるように調整しましょう。

双眼鏡各部の名称

双眼鏡各部の名称を確認しておきましょう。画像の双眼鏡は中央繰り出し式で、筆者の愛用品


ステップ2. 目当てを調整する

裸眼で見る場合は目当てを長く、メガネをかけて見るときは目当てを短くします。このひと手間が、視野全体をクリアにするポイントです。上の画像はターンスライド式(繰り出し式)で、目当てを回すと長さが調整できます。


ステップ3. 目の幅をあわせる

両手で双眼鏡のボディを持ち、両眼でレンズをのぞきながら、ゆっくりと開閉して自分の目(ひとみ)の間隔にあわせます。視界の円が1つに重なったときが、自分にぴったりの幅です。
目の幅の調整

上は目の幅を広く、下は狭くした状態。ボディを静かに開閉して角度を調整します


ステップ4. ピントをあわせる

視度調整リング

視度調整リングは、通常は右側にあります

一般的な中央操り出し式の場合で説明します。
まず、左眼で左側の接眼レンズをのぞきながら「ピント合わせリング」を回して、一番はっきりと見える位置にあわせます。
次に、右眼で右側の接眼レンズをのぞきながら「視度調整リング」を回して一番はっきりと見える位置にあわせます。
遠くに見える建物やアンテナなど、目標を決めるとピント合わせがしやすいです。また、少し面倒に感じますが、必ず片眼ずつ調整しましょう。

さあ、これでセッティングは完了! 両手でしっかりとボディを持って、星空を見てみましょう。


見るときのポイント

星をとらえるコツ
肉眼で見るときと比べると、双眼鏡で見える範囲は意外と狭いもの。まずは、見たい星座や星を自分の目で見つけて視線を固定し、素早く双眼鏡を目の位置にもっていくとよいでしょう。

初めて双眼鏡を使うときには、見たい星を視野に入れるのもひと苦労。慣れないうちは、月で練習するのもオススメです。月面のクレーターや、欠け際のデコボコをじっくりと眺めてみてください。

手ブレ対策
見え方

見え方のイメージです

しばらく双眼鏡をのぞいていると、呼吸や腕の疲れのせいで手ブレが起こりやすくなります。そんなときは、両脇をしっかりと締めた状態で、手すりなどにひじをのせたり、壁や塀にもたれかかったりしてみましょう。ちょっとしたことですが、ずいぶんと手ブレを減らすことができます。

長時間観察する場合は、三脚に固定するのがオススメ。ただし、三脚に固定するには、三脚用アダプターが必要です。


私が初めて自分の双眼鏡で見たのは、天の川でした。自宅がある市街地の夜空では、もちろん天の川は見られません。でも、天の川が流れているであろう方向に双眼鏡をかまえてみると……両眼でのぞいたレンズの中には、星がいっぱい! 空の奥行まで感じられ、まるで宇宙の中を浮遊しているようでした。あのときの感動は、今でも忘れられません。

もし、初めての双眼鏡が、星空観察に適していないスペックだったり、ピントがちゃんとあっていなかったりしたら、このような感動は得られなかったはず。

「やっぱり買ってよかった!」そう思えるように、選び方と使い方が大切です。

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