最近は「遺伝子検査」と検索するだけで、たくさんのサービスが目に留まります。遺伝子検査に関わるサービスを提供している企業やその代理店は、最近では170社以上(注1)にも及ぶそうで、どのサービスが信頼でき安心して利用できるのか、悩む声も聞かれます。

そこで、日本最初の個人向け大規模遺伝子解析を開発した株式会社ジーンクエストの代表取締役 高橋祥子氏にお話を伺いながら、信頼度の高い遺伝子解析サービスの見分け方を整理してみました。

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株式会社ジーンクエストの代表取締役 高橋祥子氏

同社は、DNAチップを用いてコストを抑え、約30万箇所の遺伝子の差を大規模に調べ、日本人の遺伝情報に特化した解析サービスを提供。遺伝子の研究を推進し正しい使い方を広め、人々の生活を豊かにすることをミッションにしています。代表取締役の高橋氏は、自らが大学の修士課程・博士課程にて分子生物学の研究を続けられ、数々の論文賞も受賞されているスペシャリストでもいらっしゃいます。

チェック1:誰が何のために提供しているサービスか?

遺伝子検査は、血液や唾液等を利用者から提供してもらい遺伝子情報を解析し、その結果から病気のなりやすさ体質などを分析するサービスです。今やたくさんの種類が個人向けに出ているので驚きます。

例えば、「遺伝子検査ダイエット」「肥満遺伝子検査」「乳がん遺伝子検査」「アルコール代謝関連遺伝子検査」「肌老化遺伝子」「骨粗しょう症遺伝子」「親子鑑定」「小児能力遺伝子検査(子どもの才能がわかる)」まで、本当に様々なものがあります。

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ジーンクエストの遺伝子解析キット

ダイエットなどの部分的な活用ではなく、ゲノム(遺伝子全体)を取り入れた日本初のサービスを開発した同社の高橋氏は、「遺伝子検査はもともと医療診断に使われる言葉なので語弊があり、弊社は遺伝子解析という言葉を使っています」というこだわりを見せます。

「人のゲノムについては、大学の研究のみではなく、研究と社会に対するサービスとのシナジー効果を出さないと発展しないと思って創業した」という高橋氏は、「正しい遺伝子の使い方も広めたい」と、セミナーでの啓発活動にも力を入れていらっしゃいます。

このような遺伝子解析サービスを利用する際に、もっとも大切で真っ先にチェックしたいのが、誰が何のために提供しているのかという点でしょう。

同社は、事業目的として研究へのフィードバックによるさらなる追求と創薬研究への活用まで視野に入れているそうです。しかし会社によっては、その結果からダイエットやお肌のケアにサプリメントや化粧品などの販売促進につなげているところもあるので、何を目的としているかは非常に注意が必要です。

私たち消費者は、解析結果を受け取った後も気持ちよく取り組めるように、単なる手軽さや価格などではなく、どのような会社が何のためにサービスをしているのかをしっかり見極めて選ぶことがまず大事といえますね。

チェック2:解析の質・信頼性について

せっかく利用するのですから、やはり遺伝子情報の解析の質や信頼性は外せません。

ここで注意したいのは、アウトプットの「検査項目数」だけに目を奪われず、調べる「対象遺伝子数」もチェックすることです。ややもすると、「世界No.1級」などと検査項目数の競争で、割安感が強調される恐れもありますが、それだけでは解析の質や信頼性まで担保できるとは言い切れません。

高橋氏によると、「弊社がホームページ上で対象遺伝子(SNP)として明記している30万という数は、調べる対象として遺伝子数ではなく遺伝子多型の箇所を指します。1つの項目あたりにいくつの遺伝子の箇所を調べるかは、会社によって解析方針が異なるのです。例えば、糖尿病のリスクを計算するために1つの遺伝子だけを見て決めるのか、影響のある複数の遺伝子を考慮して計算するのか、会社によって異なるということです」

ヒトゲノムには約30億個の塩基配列がありますが、標準的な塩基配列と比べると一塩基だけが違って多様性(多型)が生じていることがあり、これをSNPといって同社は30万ほど読み込んでいるのだそうです。このように調べるSNP の量が多いということは、将来、研究が進んで新たな結果がわかる可能性も広がっていきます。そして同社はその更新情報も個人へフィードバックするところまでサービスに含めています。

また、分析結果の信頼性・正確性については、論文等に基づくものなど客観的な論拠が提示してあるかどうかも、大事なポイントです。非常に専門的な情報を扱うだけに、会社概要やサービス概要にも関与する専門家集団が明記されていることかどうかもチェックしておきたい情報でしょう。

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