チーズ/季節・シーン別おすすめチーズ

夏に美味しいチーズとおすすめの食べ方5選!

シュワシュワっとしたシャンパンやスパークリングワインが飲みたくなる夏!今回はそんな泡と一緒に楽しみたいチーズと、その美味しい食べ方をご紹介します。

小笠原 由貴

執筆者:小笠原 由貴

チーズガイド

スパークリングワインと一緒に!夏のチーズの美味しい食べ方

熱帯の様な暑さが続く日本の夏、うだるような暑さにぐったりしてしまいます。そんな時に元気をくれるのが、シュワシュワ爽やかなスパークリングワイン!ひと口飲むと、生き返る気がしますよね。今回は、そんなスパークリングワインに合わせたい夏向けのチーズと、それぞれの美味しい食べ方をご紹介します!

<index>
ブッラータ(フレッシュタイプのチーズ)
プロヴォローネ(パスタフィラータタイプのチーズ)
グラナ・パダーノ(ハードタイプのチーズ)
リコッタ(フレッシュタイプのチーズ)
シェーヴル(山羊のチーズ)

   

ブッラータと合わせるなら、まずは「桃」と「生ハム」!

ここ数年、海外でも日本でも、じわじわブームが来ているのを感じるブッラータ(ブラータとも)。南イタリア、プーリア州原産のフレッシュチーズで、袋状のモッツァレラ生地の中に、“ストラッチャテッラ”と呼ばれる、細かく裂いたモッツァレラとクリームを合わせたものがたっぷり詰まっています。カットすると中からストラッチャテッラがとろりと流れだし、さっぱりとしながらも濃厚な味わいは、一度食べたら忘れられない、至福のチーズです。
ブッラータ

ブッラータ

夏にスパークリングワインとブッラータを合わせるなら、まずは桃、そして生ハムと一緒に。定番の組み合わせなだけあって、お互いが引き立てあうベストペアリングです。もちろん、桃以外のフルーツでも美味しく仕上がります。
桃ブッラータ

ひと口大にカットしたブッラータ、桃、生ハムを一緒に盛って。(画像では、上にスパークリングと桃のジュレがのっています)

最近では、スーパーでもたまに見かけるようになったブッラータですが、そうは言ってもやはり、まだまだ入手は困難。そんな時は、チーズ専門店に予約するのが良いでしょう。また、渋谷チーズスタンドや北海道のファットリア・ビオ等のチーズ工房から国産ブッラータが出始めているので、お取り寄せするのが簡単で良いかもしれません。

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たまらなくクリーミー!イタリア産「ブッラータ」とは


プロヴォローネは、厚切りにして「ステーキ」に!

モッツァレラと同じ、パスタフィラータというタイプに分類されるイタリアチーズ、プロヴォローネ。巨大なモッツァレラから水分を抜き、熟成させた様なチーズと言ったら分かりやすいでしょうか。加熱するとよ~~く伸びるのが特徴です。
プロヴォローネ

プロヴォローネ

加熱するとより美味しくいただけるプロヴォローネ。夏に泡ものと合わせるなら、厚切りにしてステーキがおすすめ。とろ~~り溶けて伸びたアツアツチーズを口に運び、冷たいスパークリングをひと口。生きてて良かった!と思える瞬間です。夏のキャンプやBBQで焼いても美味です。
プロヴォローネのステーキ

プロヴォローネをフライパンで焼いてステーキに。使ったプロヴォローネは、白糠酪恵舎のもの。

イタリア原産のプロヴォローネですが、国産も負けてはいません。北海道、白糠酪恵舎のプロヴォローネ(商品名は、その名も“チーズステーキ”!)は、本場に負けない美味しさ。一切の妥協を許さない職人が作り上げる、国産プロヴォローネもぜひ一度お試しいただきたい味です。

なお、プロヴォローネが手に入らない場合は、同じパスタフィラータタイプのカチョカヴァッロやスカモルツァで代用しても美味しいですよ。

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グラナ・パダーノは、「そのまま」か「バルサミコ酢」を少したらして

大きな太鼓型で、見た目がパルミジャーノ・レッジャーノにそっくりなイタリアチーズ、グラナ・パダーノ。日本での知名度は今ひとつですが、実は本国イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノよりも生産量が多い、ごくごく一般的な伝統チーズです。
グラナ・パダーノ

グラナ・パダーノ。こちらは重さ1キロのブロック。

パルミジャーノ・レッジャーノの兄弟とも言える、グラナ・パダーノ。大きな違いは、産地。そして、熟成期間です。グラナ・パダーノの方が熟成が短いため、ミルクやバターの様な風味がより豊かで、優しい味わい。乾きすぎていない生地はしっとりしていて口どけ良く、とても美味。そのまま食べるなら、むしろグラナ・パダーノの方が好みなくらいです。

それに嬉しい事に、実はちょっとだけお値段お手頃で普段使いしやすいチーズ。デイリーに飲むスパークリングワインに合わせるには、味も格もぴったりなのです。

食べる時は、ナイフで砕いてそのままつまむのがおすすめ。バルサミコビネガーを少し垂らしても良いでしょう。とてもシンプルですが、スパークリングワインと共にアペリティフタイムを楽しむには、最高の組み合わせです。
かち割グラナ

グラナ・パダーノは、ラフに砕いておつまみに。大きなパーティーでは、こんな大胆な出し方も。

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パルミジャーノ・レッジャーノの製法・食べ方・保存法


リコッタは食べ方いろいろ。シンプルな「蜂蜜+黒胡椒」もおすすめ!

チーズを作った時に残るホエイ(乳清)を加熱して凝固させ、それを籠やザルで濾し取って作るフレッシュチーズのリコッタ。まるでおぼろ豆腐の様なチーズです。最近はスーパーでもわりと入手できるようになりました。
リコッタ

リコッタ

食べる時は、そのままに塩・胡椒、そしてオリーブオイルをかけたり、生ハムを添えたり。さらにそれをパンにのせるのもおすすめです。もちろん、サラダのトッピングにしても美味です。

そして特におすすめしたいのが、蜂蜜をかけ、黒胡椒をパラリと散らしたもの。大人なデザートとしてスパークリングワインと共に楽しむのは、ランチ後のゆったりタイムや、のんびり昼下がりにぴったりです。
リコッタ+蜂蜜

リコッタチーズには蜂蜜をかけて

次に、ちょっとこだわって美味しいリコッタを食べたい時に試していただきたいものを(私の好みですが)いくつかご紹介しましょう。

まずは、イタリア産の水牛乳製リコッタ、“リコッタ・ディ・ブッファラ”。ミルクの甘みと水牛乳ならではの乳脂の深いコクが感じられて、余韻の長さにうっとり。シャンパーニュでも合わせられる厚みのある美味しさです。また、フランス コルシカ島名物、羊乳製リコッタの“ブロッチュ”も優しい甘さで大好きです。
リコッタ・ディ・ブッファラ

リコッタ・ディ・ブッファラ

鮮度が命のフレッシュチーズであるリコッタ。そんな鮮度を大切にしたい時、国産ものは外せません。しかも、ここ数年でぐんと品質が上がっているのでなおさらです。美味しい国産リコッタは色々ありますが、その中からいくつかご紹介しましょう。

まずは、渋谷チーズスタンド。こちらの出来たてリコッタは、ミルクの香りがふわっと広がって甘みも豊かで絶品。もう、何度リピートしたか分からないくらい食べています。

そして、長野 清水牧場のプティ・ニュアージュもぜひ。ふわふわと雲のように柔らかく優しい食感で、食べるとミルクの甘い香りと味が口いっぱいに広がり、すう~っと体に馴染んでいくのが分かります。日本における本格アルパージュを実践している清水牧場さんならではの、唯一無二なミルクの良さを感じるリコッタです。

さらに、広島 三良坂フロマージュの珍しい山羊乳製リコッタも知って欲しいと思っているチーズ。山羊臭さは感じられず、ぷるぷると水分を保ったリコッタを口に入れると、ミルクの優しい甘さとコク、そして、さっぱりとした後味で、いくらでも食べられそうです。
プティ・ニュアージュ

長野 清水牧場のリコッタ“プティ・ニュアージュ”

いずれのチーズ工房でも、商品があれば発送してもらえるので、国産リコッタもぜひ一度お試しいただきたいと思います。


シェーヴルなら、熟成の若いものを「そのまま」か「フレッシュフルーツ」と一緒に!

山羊乳製チーズ、シェーヴルも色々ありますが、スパークリングワインと合わせるなら、熟成の若いフレッシュなものがおすすめ。シェーヴルは、同じ名前のチーズでも熟成具合で全く味わいが変わるので、ワインとのペアリングを想像しつつ、イメージ通りのシェーヴルを探し当てるのも楽しいものです。
シェーヴルいろいろ

シェーヴルいろいろ。形がカワイイ。

チーズ専門店に行くと、可愛い形をしたシェーヴルがたくさん並んでいて心躍りますが、中でも比較的入手しやすい、サント・モール・ド・トゥーレーヌやヴァランセのフレッシュなものを、夏のスパークリングに合わせるのが良いでしょう。
サントモール・ド・トゥーレーヌ

サントモール・ド・トゥーレーヌ。熟成具合は中程度でしょうか。

さらにこだわるなら、南仏のシェーヴルがおすすめです。特に、たくさんのハーブを食べてミルクを出す“ローヴ種”という山羊のミルクで作ったシェーヴルは、食べたハーブに由来するハーブの香りがチーズにも感じられて格別です。

ローヴ種山羊のチーズにはなかなか出会えないのですが、“ローヴタン”、“ローヴ・ド・プロヴァンス”、“ローヴ・デ・ガリッグ”等、チーズ名のどこかに“ローヴ”の文字が入っている事が多くて分かりやすいので、見付けた時は、ぜひ試してみて下さい。

フランスシェーヴルでイメージ通りのものが手に入らないそんな時、頼りになるのが、やっぱり国産シェーヴル。びっくりするくらいレベルが上がっており、本場フランスでも高く評価されているものがいくつもあります。

特に、那須高原 今牧場の「茶臼岳」や、先に出てきた、三良坂フロマージュの「カレ・ド・ラヴォンド」は、日本を代表するシェーヴル。獣臭や強いクセは無く、感じるのは、心地よい香りと酸味とコク。とてもバランスが良くて風味が上品なチーズです。しかも、いつ食べても裏切らない。その安定感は素晴らしいと思います。
カレ・ド・ラヴォンド

三良坂フロマージュの“カレ・ド・ラヴォンド”

シェーヴルたちをスパークリングワインと合わせるなら、まずはスライスをそのままつまんでみましょう。変化が欲しくなったら、葡萄や桃、いちじく等のフレッシュフルーツと一緒にいただきます。シェーヴルの酸味、フルーツの酸味、スパークリングワインの爽やかさが一体となった時、夏の暑さも乗り切れるような気がしてきます。実際、栄養的にもビタミンやたんぱく質が取れるので、夏バテ予防にもおすすめです。

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わらが特徴!サント=モール・ド・トゥーレーヌ


厳しい暑さが続く時期は何をするのも嫌になりそうですが、そんな時、ちょっとこだわった美味しいチーズと、シュワシュワっと爽快なスパークリングワインをいただいて、少しでもハッピーに乗り切りましょう!


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