子育て/子育て・ママ育て

太陽のようなお母さんが子供を伸ばす?笑顔でいることなど

太陽のようなお母さんが子供を伸ばす?子育てする上で、母親のどんな姿勢が、子供達の健やかな成長を助けるのでしょう。またそのためにどんなことができるのかを考えてみましょう。未来を担う子供達が、希望に溢れ、社会へと飛び出していけますように。

長岡 真意子

執筆者:長岡 真意子

子育てガイド

子供を健やかに伸ばす母親とは?

お母さんの笑顔などが、子供を伸ばすのか?

お母さんの笑顔などが子供を伸ばす?

思い通りにいかないことが続く時、あなたならどうしますか? 

何もできないと落ち込みしゃがみこむか、何かできることがあるんじゃないかと歩き続けていくか。時に思い通りにいかない人生というものを、母親がどう捉えるかが、子供の成長に影響を与える、そう示す研究がイギリスで発表されています(*)。

ロンドン大学のこの研究では、まず13,000人の妊婦を対象にアンケートが施されました。アンケートには、「嫌なことというのは起こり続け、何をしようが改善しないと思うか?」といった質問が並んでいます。そして16年後の子供達を追跡調査したところ、以上のような質問に、「そう思わない」と答えた母親の子供の方が、「そう思う」と答えた母親の子供より、情緒面や学業面でより秀でていたと言います。

妊婦の答えたこのアンケートは、「統制の所在」をはかるものだったとされています。心理学で言う「統制の所在」とは、何が物事を統制(コントロール)すると捉えているかということです。例えば、周りの物事に対し、「何もできない」とする人は、自分ではどうしようもない「生まれつきの才能」や「外在的な要因」こそが、物事をコントロールすると捉え、「何とかできる!」と思う人は、自ら操ることのできる「能力」や「努力」などが物事をコントロールすると捉える傾向にあると言います。また「統制の所在」は、「楽観性」「やる気」とも深い関わりがあるとされています。確かに、どんな物事を前にしても「自分で何とかできる!」と思える人は、「楽観的」で「やる気」に溢れていますね。

この研究では、周りの物事に対し、自分にできることがある!と捉える母親の子供の方が、より健やかに成長するとのこと。確かに、難しい状況でも、「何とかできる、大丈夫!」そう周りを励まし、楽観的でやる気に満ち笑顔で歩き続けるといったお母さんが傍にいるならば、やはり子供も安心して持てる力を発揮できると思いませんか。では、そんな「太陽のようなお母さん」に近づくために、何ができるかを考えてみましょう。きっと私達にも「何かできることがある!」のではないでしょうか。
 

「太陽のようなお母さん」に近づくために!笑顔でいることなど

「太陽のようなお母さん」に見守られ、子供達も安心して力を発揮できます

「太陽のようなお母さん」に見守られ、子供達も安心して力を発揮できます

1. 落ち込む自分を肯定する
落ち込んではいけない!太陽のようなお母さんでいなくては!そう肩に力を入れ無理をするよりも、まあ、落ち込んだっていいじゃないと落ち込む自分を肯定し包み込んでやりましょう。それぐらいの気持ちの方が、落ち込みも長引くことなく、気がつけば、気持ちが切り換わっているものです。子供にも、落ち込んでもまた笑顔になれるのよ、そんなメッセージを送ることができるでしょう。

2.ひとまず笑顔を作る
笑顔は、たとえ作り笑顔であっても、気持ちを軽くする効果があると科学的にも分かっています。笑顔を作ることで、笑顔を引き起こす脳の箇所が刺激され、笑っている時と同じ気持ちになるというのですね。満面の笑みとはいかずとも、騙されたと思って、少しだけでも口角を上げてみましょう。楽しいから笑うというより、笑顔を作るから楽しくなることもあります。また笑顔は人に連鎖しますから、自分が元気になるだけでなく、周りもつられて笑顔になりますね。

  3. 休息睡眠を十分と る
身体が疲れていると、気持ちもネガティブになり、同じ物事を前にしても対応の仕方が随分と違ってきます。普段から睡眠を十分取り、フレッシュな気持ちで物事に向かうよう心がけたいです。

4. 気持ちが切り換わる趣味や楽しみを持つ
音楽鑑賞、ガーデニング、クラフト作り、スポーツ、散歩など、気持ちがリフレッシュすると感じるアクティビティーを持ちましょう。子育て中はなかなかまとまった時間が取れませんが、15分や30分でも取り入れてみると、気持ちがぱっと切り換わります。

5. エキソサイズ
何もジョギングスーツに着替え1日何キロも走るという必要もありません。近所を歩いてみたり、少しストレッチしてみたり、台所で一箇所走りしてみるだけでも、新陳代謝もよくなり、リフレッシュします。

6. 「ネガティビティー・バイアス」を自覚し、物事の良い面に目を向ける
たとえ楽しい出来事が続いても、何か1つ気に入らないことがあると、そのことが頭から離れず、全てがネガティブな印象になってしまうということがあるかもしれません。ポジティブなことよりもネガティブなことが認知や行為などにより大きな影響を与えてしまうことを「ネガティビティー・バイアス」と言います。

「ネガティビティー・バイアス」とは、人類が誕生以来99%の時代を過ごした狩猟採集時代に培われ、生死に関わる身の危険から身を守るためのものだったという説もあります。10の中に1うまくいかないことがあった場合、その1について最大限気をつけることで未来の危険に備え、当時の厳しい生存環境を生き抜くことができたと言うのです。それでも今の時代、生死に関わることなどそうはありません。コンピュータがフリーズしようと、子供が何か悪さをしようと、生命が脅かされるわけではないですね。

子育てでも、この「ネガティビティー・バイアス」が作用することがあります。子供が何かうまくできている時はついつい当たり前として通り過ぎ、うまくいかない時に最大限の注意を向けるとなってしまいがちです。「ネガティビティー・バイアス」を緩和するためには、逆にポジティブな面を見出すことが効果的とされています。子供のネガティブなことばかり頭にグルグルと回ってしまう場合は、その子のいい面に目を向け、書き出してみましょう。また日々嬉しかったことやありがたいと感じたことなどを整理し書き留めることも効果的です。物事の細部を丁寧に見ていくのならば、必ず、ポジティブな面が散りばめられています。


内閣府による「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると、日本の青年は、自分に対し、そして社会や将来に対し、諸外国に比べ群を抜いて悲観的だと分かっています。未来を担う子供達が希望に溢れ社会に飛び出していけるよう、まずは周りの大人が希望を持って進み続ける姿勢を示していきたいですね。

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(*)出典:
Lekfuangfu WN, Cornaglia F, Powdthavee N, Warrinnier N. 2014. Locus of control and its intergenerational implications for early childhood skill formation. Paper Number CEPDP1293. Centre for Economic
 
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