オペラ初心者におすすめの入門編作品とは

オペラ初心者におすすめの入門編作品とは


オペラの世界という深い森を、道に迷わずに進むにはどうしたらいいのでしょう。オペラを聴くことは、読書をすることと同じで、「簡単な」ストーリーで、直接的に訴えてくるような音楽を備えた作品から始めると良いでしょう。時とともに、更に深い作品に触れることができるようになります。聴覚は、他の感覚と同様に少しづつ育てていくものです。これから、文学、音楽、劇を兼ね合わせた総合芸術オペラの、欠かせない10作品(もちろんこれら以外にも素晴らしい作品はいっぱいあります)をご紹介します。各作品について、指揮者、オーケストラ、歌手のコンビネーションが絶妙な、ガイドお勧めのCDもご紹介しています。
 

オペラ初心者におすすめの作品1:モンテベルディ、オルフェオ

歴史上最初のオペラと言われることもありますが、それは間違いです。しかし、歴史上、最もいい形で生き延びてきた作品と言えるでしょう。この世界に恋人を取り戻すために黄泉の国(ギリシャ神話にある死人の王国)へ旅する主人公オルフェオの物語です。モンテベルディは、劇と音楽に造詣が深く、二つの芸術のコンビネーションから新しい芸術を生み出しました。この素晴らしい作品の影響がなければ、後世の作品は生まれなかったことでしょう。
   

オペラ初心者におすすめの作品2:ペルゴレージ 、奥様女中

バロックオペラの小さな宝石と言える作品で、モーツァルトなど後の作曲家に影響を及ぼしました。喜劇オペラに分類され、 セルピナ (利口な召使)と独身の主人が主人公となり、楽しく優雅な物語の展開の後、結婚にいたる喜劇です。
   

オペラ初心者におすすめの作品3:ロッシーニ、セビリアの理髪師

この作品は、今ではオペラ界のマエストロ作品として有名ですが、開幕当初はブーイングを受けました。ロッシーニ本人も、観客のあまりにひどい反応に、生命の危険を感じ、走って逃げたと書き残しています。200年近くが経った今は、観客に最も愛される作品の一つとなっています。ロッシーニは、この作品で数々の魅力的な人物を生み出し、18世紀の想像上のセビリアを舞台に、唯一無二の歌と笑いの舞台を彩りました。
   

オペラ初心者におすすめの作品4:ドニゼッティ、愛の妙薬

「人知れぬ涙」というアリアのおかげで、歴史上もっとも有名な作品となっています。 純粋無垢な田舎者ネモリーノと冷血なアディーナの恋物語で、劇中、鼻持ちならない軍曹ベルコーレや、体の病気だけではなく恋の病も治してしまう飲み薬を売るおしゃべりな詐欺師ドゥルカマーラ博士などが登場します。
   

オペラ初心者におすすめの作品5:モーツァルト、フィガロの結婚

この作品も、足し算も引き算も必要もない、完璧な調和を保っています。この作品の最後の幕がオペラ史上最も完璧であると言う人もいるくらいです。この物語は、情熱と感動、笑いとドラマの迷路となっており、人間の最も劣悪な感情から、最も崇高なものまでが、驚くほど現代的な手法で映し出されています。浮気、秘密、深い愛の全ての描き方が賞賛に値します。
   

オペラ初心者におすすめの作品6:モーツァルト、ドン・ジョヴァンニ

ドン・ジョヴァンニは、昔のラテン・ラバーの大げさな行動と、欠落した性格を描いた文学作品であるドンファンの物語を音楽で表したものです。この作品を「オペラの中のオペラ」と賞賛する批評家もいます。モーツァルトがこの作品の中で劇的な要素と笑いの要素を混ぜ合わせた手法は、他のオペラ作品には見られないものです。最後にはドンファンの幽霊まで登場します。見逃さないようにしてください。
   

オペラ初心者におすすめの作品7:モーツァルト、魔笛

天才モーツァルトからもう1作品。この作品は、当時には珍しくドイツ語で書かれました。想像上の人物を通じて善と悪を比喩的に語る物語となっています。野鳥の猟師 パパゲーノと恋人のパパゲーナが微笑を誘う、ユーモア溢れる部分を、タミーの英雄物語を通じて高貴さが描き出されます。夜の女王の悪魔的なアリアを歌えるような達人の域に達した技術と声を備えた歌手はほとんどいません。
   

オペラ初心者におすすめの作品8:プッチーニ、ラ・ボエーム

偉大な指揮者であるアルトゥーロ・トスカニーニ によって開演されタコの作品は、パリに住むボヘミアンのグループの生活を描いています。特に、芸術の世界で自分の道を見つけようと奮闘する詩人ロドルフォとその恋人で最後には死ぬ運命にあるミミに焦点が当てられます。初演時から観客を引き付け、100年以上経った今でも、魅了し続けています。「泣ける」作品を見て感動したい人にはお勧めです。
   

オペラ初心者におすすめの作品9:プッチーニ、マダマ・バタフライ

長崎が舞台となっており、ステレオタイプな日本のイメージが描かれています。19世紀末から20世紀初め、ヨーロッパでのオリエンタリズムの流行に染まった作品です。アメリカ人将校ピンカートンは、年若い恋人の蝶々さんを帰国するまでの時間つぶしとして扱います。しかし、蝶々さんは彼を愛し、いそいそと結婚の準備をします。物語は、徐々に劇的な展開を見せ、最終的には、蝶々さんは自殺し、観客は同乗の涙を流します。とても感動的な作品です。
   

オペラ初心者におすすめの作品10:ヴェルディ、リゴレット

リゴレットは、マントヴァ公爵に仕える道化のリゴレットとその娘ジルダの悲劇的な物語です。マントヴァ公爵は女好きな遊び人で、父娘を振り回し、最後の幕でオペラ史上最も有名なメロディーである「女心の歌」を歌います。この作品も最も有名なオペラ作品の一つであり、最初から最後まで素晴らしい出来となっています。ヴェルディは、この作品から成熟期を迎えたとされています。
   

最後に

これらの10作品が、インテリ階級のためだけではなく、全ての人のための芸術であるオペラの世界に足を踏み入れるために役立つことを願っています。他にもお勧めの作品はいっぱいありますが、また次の機会に、皆さんがもう少しオペラの世界に慣れてきたころに紹介したいと思います。

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