孫共育の効果:礼儀正しく高齢者と話ができる孫、明るくなる親世帯
「孫共育」の効果は孫にどのように表れてくるのでしょうか。祖父母からの評価【図5】では、近居または同居の効果で、「挨拶ができ礼儀正しい」「年配者と自然に話しができる」孫になったとの評価が、近居より同居、分離同居より融合同居でより多くなっています。興味深いのは孫による親世帯の生活変化として、「よく話すようになる」「よく笑うようになる」といったものが同居ほど多い傾向があることで、孫と関わりが深いほど、親世帯が明るくなるという言い方ができるかと思います。【図5】孫共育の効果 ※クリックすると拡大します。
孫は礼儀正しく、高齢者と話せる子になり、親世帯も明るく
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査C(2010.3実施)の結果。親世帯回答。
孫の部屋には行くが、子世帯寝室には行かない親世帯
「孫共育」をすれば、親世帯が孫の部屋に行く機会は当然ながら増えます。孫の部屋へ行く目的【図6】として、「子世帯の留守時に様子をみる」を5割以上の方が挙げています。このように孫が居るときに行く目的には息子夫婦同居、娘夫婦同居でほとんど差が無く、片付けや収納といった孫がいないときに行く目的では息子夫婦同居が少ない傾向があります。【図6】孫の部屋に行く目的 ※クリックすると拡大します。
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査C(2010.3実施)の結果。親世帯回答。
しかし、孫の部屋に行く機会が多くても、夫婦寝室には入らない、と言うのが常識のようです。親世帯が来訪時に立ち入らない場所【図7】として息子夫婦同居の約7割、娘夫婦同居の約5割が夫婦の寝室を挙げました。全て立ち入る、と言う回答が息子夫婦同居13%に対し娘夫婦同居では38%あり、キッチンや冷蔵庫を使わないとする回答も少ないことから、息子夫婦同居では孫の部屋以外にはできるだけ入らないように気を遣うのに対し、娘夫婦同居では夫婦寝室以外はあまり気を遣っていない、ということではないかと思います。
【図7】親世帯が来訪時に立ち入らない場所、使わないもの
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※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査A(2009.3実施)の結果。子世帯回答
近居と同居は育児協力が多い、という点では同じに見えますが、近居は子供の世話はイベント的、同居は日常的という違いがあり、同居の方がより深く孫に関わる分、得られるものも大きい、と言えるのではないでしょうか。